13.
人間に混じるには、まずお金と身分証みたいなのが必要になる。
お金は道中の魔物討伐で集めた素材と、薬草なんかで如何にかなる。
身分証は、当然持っていないので、如何にかしないといけない。
大きな街なら皆んな身分証を持っているけど、小さな村ではそんなものがない。
だから職業斡旋所で、身分証の代わりになる登録証を発行してもらうのが、身分証のない人のやり方だ。
私もそのやり方に倣おうと思う。
とりあえず、程よく離れた場所で降りて国を探そう。
目指すは、何処かの王都。
王都なら情報も入りやすいし、仕事もたくさんありそう。
現在の私は、風の向くまま、気の向くまま、大空を飛んでいる。
やっぱり、飛べるっていいね!
すごく気持ちいい。
あ、鳥さん、こんにちは。
人が目視できない上空にいるけど、念の為、隠蔽で姿を隠している。
魔力の強い種族にもバレないように、ちゃんと誤魔化している。
念には念を入れとかないと。
さて、人間の多い国っぽいのを二ヶ所通り抜けたことだし、そろそろどこかで降りようと思う。
ちょうど森があるし、そこで…………ん??
なんだろうアレ。
大勢の人が向かい合って……これって戦争?
うわぁ……嫌なところに遭遇した。
どうしよう、コレ。
遠くからでも竜の目はよく見える。
少し離れたところに、陣営が二つ。
上空にいる私のところまで、武器や怒声の音が届く。
また、鉄錆の、血の匂いも。
人間はよく戦争をしていると聞いていたけど、こんなにすぐ遭遇することになるなんて思わなかった。
だって、前世で戦争は遠い国の出来事だったから。
今になって思う。
アレは他人事じゃなかったんだって。
だからと言って、見たいものでも、経験したいものでもない。
あぁ、右の陣営が押されてる。
右の方が人数も少ないし、このままじゃ危ないだろうなぁ。
私にはどうしようも…………あぁぁぁぁ!!!
愛しのワイバーン!!
左の陣営、ワイバーン連れてるじゃない!
ワイバーンは、すごく美味しいのだ。
適度に乗った脂が素晴らしく、ステーキにしても、唐揚げにしても美味しい。
もちろん、そのまま生でも美味しい。
私はレアにするのが好きだ。
まぁ、つまり、極上の食材なのだ。
ワイバーンは私たち竜の気配を察知すると、すぐに逃げてします。
それこそ、脱兎の如く。
兎じゃないけど。
これは、ワイバーンを食べるチャンス!
見逃せないね!
一、二、三……八頭か。
ど・れ・に、しようかなぁ??
よし!
先頭の一番大きいのを食べて、他二頭くらいもらっていこう。
じゃあ、いただきまーす!!




