12.
衝撃の事実を知ってから、三年の歳月が経過した。
現在十三歳の私は、竜の姿で約十二メートルになった。
二次成長期をまだ迎えていないので、まだまだ大きくなる予定だ。
最近知った新事実として、光竜と影竜はどうやら三次成長期まであるらしい。
つまり、私が成竜になるにはまだ時間がかかるということだ。
この三年間は、ひたすら治癒魔法の研究をしていた。
そのおかげで、なんとか納得のいくまで使えるようになった。
……どうやって研究したかって?
それは……どうとでも、できちゃたんだよね。
知らない方がいいことだって、世の中にはあるんだよ?
そして時魔法についても、精霊や妖精の力を借りて改良して使いやすくした。
あのままだったら、魔力消費が多過ぎたのだ。
その過程で、身体の大きさを変えることができるようになった。
身体の時間を進めたり戻ったりすることで、大きくなったり小さくなることができるようになった。
これは人型でも、竜の姿でも同様だ。
小さい竜の姿で集落を飛ぶと、集落の皆んなが大変喜ぶ。
調子に乗って、しばらく小さいままでいたのは、良い思い出だ。
知識よし。
魔法の準備よし。
人型の時に必要そうな荷物よし。
カムフラージュのリュックもよし。
家族の許可も……よ、よし?
……うん、よし。
今日から私、人間界に行く。
宿命を果たすために……ではなく、人間や世界を知るために行く。
半分仕事?で、半分趣味。
何事も、竜生には楽しみが必要だ。
「ルクセイラ、本当に行ってしまうのか?」
「やめとけよ、まだ成竜になっていないのに。」
父さんと兄さんは往生際が悪く、行く直前になっても止めてくる。
母さんは、すんなり許可を出してくれたのに。
「大丈夫だって!私の狩りの腕は知っているでしょ?旅に必要な知識も技術も、母さんに教えてもらったし。心配しすぎ!」
「だって、なぁ……」
「やっぱり兄さんもついて……」
「やめて。さすがにそれは恥ずかしい。一人で大丈夫だから。」
ここでキッパリ言っておかないと、こっそりついて来かねない。
不審者と間違われる身内なんて嫌だ。
「もう、一度許可を出したんだから、お腹を括りなさい。みっともないわよ、あなたたち。」
「「母さん……」」
母さんにビシッと言われた二人は、さすがに黙るしかないようだ。
我が家は母さんが一番強い。
もちろん火竜なので、物理的にも強い。
「気をつけてね、ルクセイラ。たまにでいいから、里帰りもしなさいね。」
「うん。もちろん、そのつもり。……じゃあ、行ってきます!」
「「「行ってらっしゃい!」」」
家族と集落の皆んなに見守られ、竜の姿となって、故郷の集落を飛び立つのだった。




