表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/14

9.


島の中心地に、目的の集落があった。

中央に大きな湖と大木が立っており、その周辺が集落となっている。


集落に降り立った私たちは、すぐに人型になった。

すると、集落の人型竜たちにすぐに囲まれて、各々知り合いと話し始める。

が、私の周りには例の如く、一定の空間が空いていた。

実家の集落の竜たちは大分慣れて話してくれるようになったけど、やっぱり初見はそうなるのか。

初めて来た兄さんでさえ、同世代に囲まれているのに。


ちょっぴりブルーな気持ちになっていると、人の壁を縫って、綺麗なスノーホワイト色の髪をした壮年の男性がやって来た。


「初めまして、新たな光竜よ。私はヘブライラ、君の前に生まれた光竜だ。よろしく。」


「初めまして、ルクセイラと言います。会えて嬉しいです。」


「礼儀正しいお嬢さんだ。それに力も強い。」


「ありがとうございます。」


「君と話したいと思うんだが、良いかい?」


「ぜひ!父さん、母さん、ヘブライラさんと話してきてもいい?」


「ああ、もちろん。」


「失礼のないようにね。」


「はーい。」


「では、行こう。」


父さんと母さんに許可をもらった後、ヘブライラさんの後ろに続いた。

湖の側まで来ると、近くにあったベンチに並んで座った。


私たちの移動と同時に、集まっていた竜たちもそれぞれに分かれて歩いて行った。

同年代に連れられている兄さんは、心配そうにこちらをチラチラと見ているが、皆んなに引っ張られて行った。


「君の兄は心配症みたいだね。」


「私の方が強くても、すごく心配されるんです。」


「兄というのは、そんなものだよ。」


ふふっと笑うヘブライラさんは、男性なのに中性的な美しさを持っている。

今まで見た竜の中でいつばん美しい竜だ。

きっと竜の姿も、人型と同様に美しいのだろう。


私たちはしばらく無言で、生活の営みを見ていた。


チラリとヘブライラさんを見ると、慈しみの眼差しで竜たちを見守っていた。

まるで全ての竜の父親のような、可愛い我が子を見つめるような眼差しだった。


確かヘブライラさんは、約千五百年前に生まれていたはず。

つまり約千五百歳。

今の私では想像がつかないほど、長い時を生きてきたのだろう。

その中できっと、たくさんの生と死を目の当たりにしてきたはずだ。

それは一体、どんな気持ちだろうか。

悲しみか、空虚か、それとも……?


「少し、昔話をしようか。」


ヘブライラさんの声で、ハッと意識を戻す。


「昔々の神がまだ存在していた時の話を。」


「神が存在していた時の話?」


「そう。全ては神の、無自覚の傲慢さから始まったのだ。」


ヘブライラさんは、淡々と静かに話を始めた。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ