表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
創造スキルは万能です~ソロでダンジョン深層まで攻略していた俺、配信に映ってバズってしまう~  作者: ターシ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

28/37

28 襲撃

12:00にもう一話投稿します。


 庭園のような部屋に入り天井を見上げると、岩盤の隙間から光が降り注いでいた。

 ダンジョンの中とは思えない、まるで外の世界の太陽光のような柔らかな光だ。


 植物の背丈は腰ほどで、細い茎の先に小さな結晶のような粒をいくつも実らせていた。

 それは果実というよりも、鉱石に近いように見えた。


「……綺麗だな」


 思わずそんな言葉が漏れた。


:めちゃくちゃ大事そうな場所だな

:安全そうに見えるけど逆に怖い

:絶対レア素材だろこれ


 コメントの通り、この植物はこれまでになかった素材だ。鑑定結果にはこう記されている。


─────────────────────────────────────

【魔力増幅草】

ポーションに調合することで、一定時間魔力を大幅に増幅し、魔法の効力を上昇させる。

増幅率は使用者の魔力量に依存する。

連続使用は身体に深刻な負荷を与える危険性あり。

─────────────────────────────────────


 いわゆる『ドーピングアイテム』だ。たしかにこれまでの階層では、能力を上昇させるアイテムというのは見つかっていなかった。こんな深層で手に入るのか...。


 植物の生えている場所を見てみると、無秩序に生えているわけではなかった。


 一定の間隔を空け、円を描くように配置されている。

 まるで誰かが意図的に植えたかのように。


(...まあ遺跡みたいな建造物があるなら、こういう人工的っぽい場所があってもおかしくはないが...)


 誰が、どういう意図でこのアイテムをここに配置したのか。考えても仕方ないことではあるが、こうも露骨だとさすがに気になってしまう。


 ひとまずその植物の実は回収できるだけ回収してしまおう。他の階層と同じなら、素材は数日すればまたリポップするはずだ。


:全部持って帰るか

:鑑定出すよな?結果出たら教えてほしい

:ただの観賞用とかじゃないよな

:さすがに何かしら効果あるだろ


 回収している間、コメント欄はこの植物が何なのかを議論していた。まあ次の探索の時にでも言えばいいだろう。


 しかしドーピングか...。これから先の階層は、これで強化するのが前提なのかもしれない。


 たしかに9()0()()()()は、とんでもない強さだった。以前は過剰駆動を使ってかろうじて突破できたが、まともに戦って勝たせる気はあるのかと疑問に思うほどの難易度だった。


 ()()()()()()()()()()()()()。91階層から先は、一層一層がケタ違いに厳しかった。


 だからこそのドーピングアイテムか。これがある前提で難易度が上がっていた可能性はある。

 逆に言えば、これの存在を知らずに90階層以降に挑んでいたのは無謀だったのかもしれない。


 あとでこれの効力を試してみないとな。それと、ちゃんとリポップするかも確認しないと。


 その後も遺跡を探索してみたが、見つけた素材はそれだけだった。まあこの素材を見つけただけでも充分な収穫と言えるだろう。


─────────────────────────────────────


 そしてそれから3日後


「前回の植物は、所謂ドーピングアイテムだった。ポーションに調合して使うと一時的に魔法の威力が上がるらしい。」


 配信をつけ、植物の効力を説明する。案の定コメントは大騒ぎだった。


:強化アイテムか!

:何気に初めてだよな?

:ボス用に使えるじゃん!

:使ってみた?


「一度試しに使ってみた。体感で2〜3割上昇で、効果時間は約30分。ただ、連続使用は体に悪影響らしい。一度使ったら、次使うまでに8時間ほどあける必要があるってさ。」


:2~3割か

:それって多いの?

:魔法の威力が2~3割上昇はとんでもないぞ


 数値だけ見るとピンと来ないかもしれないが、コメントの通り2~3割威力が上昇するのは破格と言っていい。これがあるだけで戦術の幅がかなり広がるだろう。


 できればたくさん集めておきたいが、まだ87階層以降が探索できていない。ひとまずは87~89階層を探索してからのほうがいいだろう。

 さすがにあんな遺跡やこんな素材が何度もあるとは思わないが。


 ...と考えていたのだが


 87階層にて


「...またあった。」


 87階層にも、同じような遺跡があった。

 中も似た構造になっていて、奥に進むと小ボスらしき魔物がいた。


 今度の小ボスは2つ頭の蛇だ。

 85階層の中ボスと似たような見た目だが、パワーもスピードも能力も中ボスに劣るし、第二形態があるわけでもない。

 あの中ボスに比べたら可愛いもので、あっさり倒すことができた。


:また未知の素材あるか!?

:結構強そうな魔物倒したのに、みんなそんな驚いてなくて草

:まあこの人だからね

:同じ素材かな?


 小ボス(仮)を倒し奥に進むと、これまた同じような庭園のようなものがあり植物が生えていた。

 しかし86階層とは違う種類のものだ。その植物は先端に大きな木の実のようなものが成っていた。


 俺は『鑑定』をしてから植物に近づき、木の実を割って中身を取り出す。鑑定情報によるとこの中に素材があるはずだ。


 そこから出てきたのは、控えめな色をしたオーブだった。


:え!オーブ!?

:なんのオーブだ!?

:装備修復のオーブか?さすがにスキルオーブじゃないよな?

:スキルがなる実だったとしたらやばいぞ


 オーブが映ったことによりコメントの勢いがすさまじくなるが、残念ながら今回の素材は先に進むために使えるようなものではない。便利アイテムではあるけどな。


 これも86階層と同じく、ある分だけ回収してしまう。

 そして回収し終わった後に、俺は転移石を使い1階層へと帰還した。


─────────────────────────────────────


 ダンジョン11階層


「じゃあ今日の探索はここまでだね」

「うん。お疲れさま、湊」


 若葉結はそう言って、ドローンに向かって笑顔を向ける。


「みんな今日も見てくれてありがとう! 次回も──」


 そう言って終わりの挨拶をしようと瞬間。


 ヒュンッ


 と、空気を裂く鋭い音がした。

 そして、


 ガンッ!!


 鈍い衝撃音と共に、ドローンが大きく弾かれた。


「…え?」


 ドローンの側面に、一本の矢が深々と突き刺さっていた。

 配信が途切れる。

 そして回転しながら、ドローンは地面へと落下する。


 ガシャッ!!


 ドローンはそのまま土の上に叩きつけられ、火花を散らしながら転がった。



「な……」


 何が起きたのか理解できない。

 ただ、壊れたドローンを呆然と見つめることしかできなかった。


 ヒュンッ


 再び音がする。

 今度は地面に落ちたドローンへ。


 バキッ!!


 念入りに破壊するように、矢は正確にカメラ部分を貫いた。


「っ!?」


 そして、


 ヒュンッ


 三度目の音


 それは、結の胸へ向かっていた。


「結!!」


 ガンッ!!

 湊が咄嗟に割り込み、盾で受け止める。

 凄まじい衝撃が腕を襲い、後ろへよろめいた。


「くっ……!」

「み、湊……!?」


 矢は盾に深々と刺さっている。

 もし直撃していたら...想像しただけで、背筋が凍った。


 少しの静寂の後。

 草むらの奥から拍手の音が聞こえた。


 パチ、パチ、パチ


「あーあ」


 男の、心底残念そうな声。


「防がれちまった」


 草をかき分け、姿を現す。

 軽装の鎧、手には弓。


 そして口元には、笑み。


「不意打ちで貫かれる顔、見たかったのによ。」


 その後ろから、さらに二人、三人。

 合わせて四人。全員、武器を持っている。


 結の喉が、ひゅっと鳴る。


「……な、に……」


 男は首を傾けた。


「ん?」


 そして、楽しそうに笑った。


「何って」


 弓を引き、矢をつがえる。


「見りゃ分かるだろ」


 殺意のこもった目。


「探索者狩りだよ」


 その言葉と共に、全員が武器を構えた。


前書きにもありますが、12:00にもう一話投稿します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
PKか、教師や警察官にもクズはいる、敷居の低さから探索者にも「そりゃいるよねー」ってカンジ。制度が追い付いていないのも何時もの事だよね。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ