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ディスタンス

ハルは困っていた。

レンが有名人になってしまったら、どうしようと‥


かなえは困っていた。

仕事でも、プライベートでもバディになりたいのに、叶わぬ夢になってしまうのかと‥


壬生は困っていた。

愚痴を聞いてくれるレンがいなくなってしまうのではと‥


?オーナーだけ少し変なのは気にしないでおこう。



休んでいる本人にとっては、短い一週間だが、待っている方としては長い時間といえる。


ハルはいつでも会えに行けるのだが、休みと聞くと気にしてしまう。


気晴らしに買い物に来てみたものの、落ち着かずスマホばかりみてしまう。


と、その時LINEがきた。


レン ハル、ゲームやったのか?


それをみただけで、ハルのテンションは上がる。


ハル おはよー!やったよん!キャラメイクもバッチリだよ!


ハルはドキドキが止まらない。


レン おお!そうか、なら夜時間あるか?


ハルはさらに鼓動が激しくなる。


ハル うん、大丈夫だよ!


レン そしたら、ハルが大丈夫な時間を後で連絡してくれる?

合わせるからさ


ハル わかった!後で連絡するね!


こうして、レンと遊ぶ時間の約束をする事ができたハル。


この約束がきっかけになり、事態は動き出すことをハルはまだこの時は知らなかった。




パーティーチャットで話しながらプレイ。

レンがよくやっているゲーム、フォールアウト76だ。


ハルは思った。

ゲームの中とはいえ、レンとデートだと!

そのレンは、ハルを中心にゲームを進めてくれた。


初心者のハルを気遣うようなゲームプレイだ。

(レンちゃん凄いな!ちゃんと初心者目線で動いてくれている)

レンとハルのレベル差はものすごい事になっている。


ハルは、レベル1からスタートしたからだ(1か20か選べる)


『ハル、ホントえらいな!レベル1からやるなんて』と、レンに最初に褒められた。


『やるからには、最初からやりたいからね!』と、その時ハルはそうこたえた。

(ホント、レンちゃん優しいな)とハルが思うのも当然だ。

ボイチャしながら、同じゲームを、マッタリと楽しめるとは思わなかった。


楽しい時間はあっという間に過ぎる。

『ハル、時間大丈夫か?』

『うん、大丈夫だよ!もう少し平気?』

『ああ、オレはゲーム三昧だから平気だよ』


こういうゲームだと初心者狩りと言われる行為がある。

強い人が初心者をボコボコにするのとは違う意味でだ。


アレコレあげたり、敵をバンバン倒して無双したりして、初心者に甘い環境を提供することだ。


レンはそこら辺のライン引きが上手い。


ホント、ハル中心のゲームメイクをしていた。


『なあ、ハル』

『ん?レンちゃんどうした?疲れた?』

『笑、疲れるわけないだろ、そうじゃなくてさ、今度家でゲームやらないか?』

『レンちゃん、あたしなんかやらかした?』

『ちがうよ笑 ボイチャもいいけど、一緒にプレイした方が楽しいからさ』


(一緒にプレイ⁈)

ハルのドキドキがオーバードライブに入る。


『い、いいの?』

『ああ、大丈夫だ、心配するな!なんていうか、ハルのプレイも見ながらやりたいんだよね!』


ハルは、レッドゾーンでドキドキが回り続ける。


そのあとのプレイは、さらに楽しく出来たのはいうまでもない。




レンの休みも終盤を迎えたある日。


ハルが約束通りやってきた。

「おはよ!レンちゃん、よろしくお願いします!」と玄関で頭を下げるハル。

「おはよー!大袈裟だなぁハルは」といいレンがニコニコしている。


「ハル、アカウントとパスワードは大丈夫だな?」

「オッケーだよ!レンちゃん!」


こうして、レン宅で朝からゲームという1日がスタートした。

ちなみに、朝からになったのは、いつ終わるかわからないからだそうだ。


「やっぱり、ボイチャもいいけど、実際一緒にやるのはいいな」とレンが言った。


「顔がみれて、プレイもみれるのはやっぱりいい」

そう言われて、レンにバレないよう反対を向くハル。

顔は紅く染まっている。


そんな楽しい時間はあっという間に過ぎる。

「お昼食べるとするか」とレンが立ち上がる。

「ラーメンでいいか?」と聞かれ頷くハル。


ハルはラーメンが大好きだからだ。

「あたしも手伝うよ」と立とうとしたらレンに頭を触られ止められた。


「ハルはできるまで76やってていいから」といって台所にレンは向かっていった。


レンの作ったラーメンは美味しかった。

それは、レンがハルのために作ったという点で、バフがかかりさらに美味しさがUPしていた。


それ抜きでも、ホントに美味しかった。

「ごちそうさまでした!レンちゃんありがとー!美味しかった‼︎」

ハルが満面の笑みを浮かべる。

「よかった、ハルが楽しそうで」とレンは片付けながらそう言った。


午後の部も二人は楽しんでいた。

3時になりそうなところで、レンが少し休憩しようといってきた。


「この後どうする?ハル、どのくらいまでできるの?」とレンが聞いてきた。


「んー、レンちゃんが大丈夫な時まで!」と元気よく答えたハル。


この選択肢をハルが選んだ時点で、みなさまもどうなるかわかるでしょう。





ハルは困惑していた。

なんと、今日はレンの家に泊まるからだ。


レンが、ハルが嫌じゃなければ、まだゲームしたいんだけど‥となり、泊まればゲームできるだろ?となり、今に至る。


まあ、ハルのあの返事ではそうなる。


ゲームをやるとはいえ、レンの家にお泊まりだ。

しかも2人きり。


ドキドキが止まらない。

ただ、泊まりとは思ってなかったので用意していないものもある。


幸い、レンの家の近くにはショッピングモールがある。


夕飯の前に少し時間を作り買い物を済ませた。

レンが一緒にいこうかと、言ってくれたが、さすがに恥ずかしかった。


買い物から帰り先にシャワーを浴びて、食事をし、またゲームをはじめた。


ハルは、インするなりレンのキャンプで、ハートを出すジェスチャーを何度もしていた。


「どうした?」とレンが聞いてきた。


「か、感謝の気持ちだよ!」とハルは言ったが、本当は、レンが好きな気持ちで溢れていた。





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