物語のチート主人公になった僕、現代に合うように修正していく
<導入>
僕は歌書 司
趣味は図書館散策の大学生(根暗)だ。
今日は念願の国立図書館にきてみた、古今東西様々な本が並びとても心地よい空間だなぁ
一日中本を堪能していると、どこからともなく声が聞こえる。
???「…ください。。 お力をお貸し下さい」
声のする方へ行ってみるとやたら暗い通路をからきこえてくる、ビビりながら奥へ進んでいく。
司「すみませ~ん。大丈夫ですか?」
突き当りまで行くと薄く光る本棚があらわれた。
司「なんだこれ?ももたろう、わらしべ長者、金太郎、、、etc」
司「昔話ばかりの本棚だ、、、装丁が古いと年寄り向きな感じだなぁ…って!!!」
突然光る本棚が倒れてきた!!なぜか体が動かない、、、だめだ。
・・・
・・
・
司「ん? どうなったんだ、、、」
目が覚めると外傷はなく五体満足ではあるがここがどこかわからない。
天高くまで伸びる本棚に囲まれた空間、薄暗いが不思議と落ち着く。
???「突然招いてしまい申し訳ありません」
司「うわ!」
振り返るとそこには、女性が一人立っていた。
???「私はマキナ。この多世界の神の一柱。他世界どうしを書物用いて繋げる管理しています」
冷静に物静かに語り始めた。外国の王宮にでもいそうな司書さんのような風貌をしている。
見惚れていると語り続けた。
マキナ「あなたの世界の物語は、後世に伝えていただけそうな方の夢に私が他世界の映像を流しそれを執筆してあるものです」
司「へー。なんでそんなことしてるんです?」
物静かで淡々とした話され方をされたおかげで落ち着いてきた。
マキナ「他世界どうしの教訓、経験を共有することで、よりよい世界を構築するためです」
司「へー」(…いろいろな神がいるんだな。まぁ八百万というくらいだしな)
マキナ「あなたにはこの時代に合うように物語を修正してほしいのです。」
マキナ「もちろんそれ相応のお礼はいたします」
司「なぜ僕がそんなことを…そもそもなぜ修正が?」
マキナ「夢で他世界映像を映す際こちらの世界に伝わりやすいようフィルタをかけて映しております。しかし時代が進むにつれ違和感が出始めてしまうのです。」
マキナ「私にはそのあたりの違和感が感じ取り難く、あなたに修正をお手伝いしてほしいということです」
司「なるほど、いままでもこういうことはあったんですか?」
マキナ「ええ、例えばももたろう。」
マキナ「ももたろうの出生は以前は桃ではなく箱でした、それが箱に入った桃を食べ若返ったおじいさん、おばあさんの間にできた子供ということになり、それが桃に入った子供になりました」
司「あーなんか知ってるかも。導入だけでもそんなかわるんですね。。。」
マキナ「そうなんです。。。あなたを呼んだのは、本当は私が修正の儀を行うと記憶にも残らないはずなのですがあなたには少し残っているようなのです。」
司「そうなのか、、はは、どうせならチート能力が欲しかったな」
司「まあいいや、面白そうだしやってみるよ。」
マキナ「ありがとうございます!!!」
司「自由にやっていいんですよね?」(おぉ物静かなひとがパアっと喜ぶとクるものがあるな、、、)
マキナ「もちろんです。それに意味があります」
司「本読みながら心でツッコミ入れればいいんです?」
マキナ「いえ、主人公になって体験しながら修正していただきます。まずはももたろうからですね。」
マキナ「よろしくおねがいします!」ポン
司「え、、ちょ」
うむを言わさず本をかぶせられると同時に意識が遠くなった。
<ももたろう>
神には心の準備というものはないのか、、、
こころの中で悪態をついていると声が聞こえてきた。
マキナ「あなたには2つの能力が付与されてます。」
マキナさんか、悪態きこえたかな・・・
マキナ「王道…各物語の主人公の能力」「創造主…想像したように改変する」です。うまく使って修正をお願いします。
司「念願のチートだ」ホクホク
司「今は桃にはいって流れているところかな」
司「どこからともなく超人の子供が現れるのはよくあるところだしこれはこのままでいいかな、普通の籠で桃を持っていたということにしておこう」
司「山でしば刈り、川で洗濯はなじみにくいから設定は現代に変えよう」
・・・
・・
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司「よし、これで買い物帰りの教師の若奥様が拾ってくれるはず」(若は欲・・・)
司「旦那さんは役所勤務にしよう、戸籍等なんとかしてもらえるように」
・・・
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???「まぁ、大変!!子供が籠に入って流れてきたわ保護して警察に届けなきゃ」
司「やべ、育ててもらえるかな・・・」
・・・
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・
???「うちは子宝に恵まれなかったから、この子と出会ったのは運命だわ。」
???「そうだな、うちで養子としてそだてよう」
司「よかった大丈夫みたいだ」
そこから僕は桃太郎となずけられ普通に幼少期を過ごした。
ものごごろついた時には、「身体能力が異常」なこと「動物と意思疎通をとれる」ことがわかったが今はなるべく隠して過ごしている。これが「ももたろう」の能力なのだろう。
生徒時代は体の鍛錬に努めた、いつ鬼?が出現してもいいように。
運動行事等にはひっぱりだこだったが並はずれないようセーブはできていた。 はず。。
高校を卒業しても鬼とやらのうわさは聞かない。進学か就職か、僕は警察になることとした。
警察学校では腕自慢な男もちらほらいたが、武道や訓練では僕は圧倒的だった指導官でさえ及ばないほどの腕前になっていた。
射撃も習えた。なんせ目の性能も良い、これもすぐに極められた。
まだ、なにも耳にはいってこないなぁ。逐一動物たちにも頼んで情報収集しているが、、、
そもそも鬼ってなんだよ、、、
と派出所の前に立って考えていると速報が流れた。
NEWS「北の大国が周辺国の武力制圧を開始しました」
司「これか・・・?いや遠すぎるか?」ぶつぶつ
・・・
・・
・
NEWS「ついに我が国にも北の大国の魔の手がかかろうとしています!!」
司「やっぱりこれだな、これが鬼だ」
司「でもどうするか、、、警察やめて乗り込むか?」
上司「上からの通達だ今後我々に管轄というくくりはなくなり一丸となってこの災禍に対処する」
上司「各人警戒体制に入り国民をまもりつつ、支持を待て」
幸いだ、動きやすくなったぞ。悠長な感じはするが・・・
NWSE「我が国の北の領地が占領されました、現状は海を挟んでにらみ合いの状態です」
まずいな、、、北の大地が丸々鬼ヶ島ということか
よし、両親に挨拶して鬼ヶ島へ向かおう。
・・・
・・
・
父「そうか、、、警察官だものな。そういう風に育てた覚えはある」
司「ふふ、なにそれ。大丈夫、無事戻ります」
母「これ、あなたに出会った時の桃。なぜか全く悪くならないの不思議な力があるに違いないわ、お守りとして持っていきなさい」
司「ありがとう。いってくる」
覆面パトカーで北え向かう、武器は大型ナイフと支給の拳銃あとは現地調達をしよう。
寸前で検問があり、警備に加わることを申請した。ここからは徒歩で向かうか。
まずは情報収取だ動物に聞いてみよう。フクロウだ。
聞くと海を渡ってすぐ宿営地があるそうだ。人数は30人ほど。各地に散らばっている。
司「ありがとう」
フクロウ「私も住み家を追いやられ、おなかが減った、、なにかありませんか」
司「そうだなぁ。。。そうだ、この桃を団子型に変えてわけてあげてみよう」
(せっかくももたろうだし)
フクロウ「ありがとうございます。 わわ!」
団子を食べたフクロウの体が光りだした。
フクロウ「おお、力があふれてきます!!」
司「うん、かなりでかくなったしね・・・」(翼たたんでもシロクマくらいあるな)
フクロウ「もし彼らを懲らしめるのならともに連れて行ってくれませんか?」
司「もちろん、大きな戦力だ」
司「僕を乗せてむこうまでいける?」
フクロウ「いけそうです!!」
司「よし一緒にいこう、でも出発は夜だ。よろしくね」
司「呼び名を決めないとな・・・チカプと呼ぶよ。いいかい?」
チカプ「もちろんです。おねがいします」
司「ところでずっとその大きさ?」
チカプ「あ、変えられそうです。」
司「いいね、じゃあ夜までは情報収取だ」
司「僕は山側、チカプは海側を頼む。手薄なところを探してくれ」
チカプ「りょうかいです!」
日が暮れて月が出始めたころどこからともなく声がする。
???「なんじゃ北の空が騒がしいのう」
ふと見上げると気のてっぺんに誰かいる
!!!天狗だ。いるんだ!!! 声をかけてみる
司「こんばんは、お話きいてもいいですか?」
天狗「珍しいなこんなところに里人とは。上がってこれれば聞いてやる」
よっ、木の上までジャンプした。
天狗「驚いたな。。まぁいい。なんだ?」
司「向こう岸で悪人が騒いでいるのです、なにかわかりますか?」
(近くで見るとかなりお爺さんだな)
天狗「わからん、月見で一杯の邪魔だというだけだ。もう少し若ければ一喝してやるのに」
司「そうでしたか、気休めになるかわかりませんが、お団子で一杯どうです?」
天狗「おお。いいな、いただくとしよう。 むむ」
天狗が一口団子をほおばると体が光りだした。
天狗「これはなんじゃ力があふれよる」
司「かなり若くなった感じがしますね。もしよければ一緒に一喝しにいきませんか」
天狗「こりゃすごい。よしこの山人族に伝わる風の神通力を見せて進ぜよう」
司「ありがとうございます。なんとお呼びすれば?」(山人族っていうんだ)
天白「天白じゃ。そう遜らずとも良いぞ」
司「天白さん、よろしくお願いします」
チカプと合流しいよいよ、攻勢に出る。
司「まずは空から、天白さんの風で注意を削ぎながら宿営地に近づき僕だけを下ろしてくれ」
司「そのあと、空から周囲を警備している奴らを攻撃していってくれ」
司「僕は混乱に乗じて暗殺をしていく」
司「以上、いこう!」
雑だが、仲間の2人ともかなりの力がありそうだし大丈夫だろ。
チカプに乗り宿営地上空まで来た。
フクロウはすごいな、飛んでる音が全然しない。
いよいよ突入だ。
天白「ぬん」ブワ
強風が吹くと同時に地面に降り立つ、まずは空の警戒をしている兵を速攻で落とす。
よし、次はテントを狙っていくk
ドン!!!
すさまじい音とともに宿営地が半壊した。
司「おいおい。。。」
司「でもあれじゃすぐ居場所がばれていい的だ」
敵が混乱している隙に大部分を減らそう。
二人が注目を集めている間にナイフと拳銃で次々と敵を減らしていく
・・・23、24、25人
司「ふう、こんなもんか。一度合流しよう」
・・・
・・
・
司「お疲れ様。二人ともかなり強いのね・・・」
天白「ところで基地内にこいつが囚われていたぞ。あまり見ぬ犬だの」
司「犬というより狼かな。おなか減ってるみたいだし団子あげるか」
例にもれず姿形が変化していく・・・
狼「かたじけない、突如住み家を追われとらわれていたでござる」
狼「お助け頂いた御礼に、是非とも私めをお供させていただきたい」
司「もちろん、例にもれず頼りになりそうだ」
司「なんて呼べばいいかな」
狼「某、マカミと申します。お好きにお呼びください」
司「マカミだね。よろしく。」
よし、この調子で壊滅させていこう。
・・・
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ついに敵本部まできた。
かなり厳重だけど、いままで宿営地つぶしてきた感じ正面突破で行けそうだな。
まさか僕も拳銃はじく体だとは・・・
司「よし、作戦は全員マカミの背に乗り正面の敵を蹴散らす」
司「その際、天白さんの術で風をまとわせて突破力を上げて下さい」
司「チカプは索敵、万が一が無いよう大きな兵器を見つけたら注意してくれ」
司「中央の敵リーダー配置付近まで来たら僕が制圧する。マカミは右方向、天白さんは左方向、チカプは後方の敵を無力化してくれ。」
司「よし、行くぞ!!」
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NEWS「速報ですただいま入った情報によると我が国を占領していた敵軍は一晩で壊滅状態にあるとのことです。信じられませんが、たった一人の手によるものという情報も入ってきております」
NEWS「それをうけた各国の王たちも対策に乗り出しすぐにでも制裁が完了するとのことです」
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マキナ「桃を携えた子供が正義を生業とし、鳥、山人、犬を従え平和を取り戻す」
マキナ「それなりに現代に落とし込めましたね。お疲れ様です」
司「まとめるとあんまり今までと変わらない感じだけどね」
マキナ「助かりました、約束の報酬です。こちらから選んでお持ちください」
司「え、、、これ持ち帰っていいの?大丈夫??」
①親愛の団子…食べた生物はあなたに非常に友好的になります。(100個入)
②剛力のハチマキ…これを頭部にまくと身体能力が5倍になります。
③心話のイヤリング…これを左耳につけていると注視した相手の心の声がきこえます。
マキナ「一つだけですが。いかがなさいますか」
司「どれも、今の世界に持っていくとなるとかなりの大事だ・・・」
慎重に選ばなきゃ・・・
司「これにします!」
つづく・・・