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ダークバトル・オブ・バック  作者: キハ&花浅葱
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第9殺 3人の男女

 

 ───翌日。


 カレンとアルピナの『ジェネシス』女子陣2人組は、彼女達が活動している街の東側の郊外にやってきていた。


 ───と、少しくらい彼女達が住処としている街の説明をしておいた方がいいだろう。


『ジェネシス』や『アビス・オブ・アビス』が活躍している街の名は「アイザロンス」と呼ばれている。

 その街の中心には巨大な時計台があり、そこを中心に街が形成されている。ちなみに、その時計台は「アイザロンスの時計台」と呼ばれている。


 街の東には森が広がっており、西と南は他の街に繋がる道と草原が広がっている。そして、北には都市が広がっており、『ジェネシス』の依頼は北の方から来る事が多い。


 なので、今回カレンとアルピナは森の方にやってきていたのであった。


「本当にこっちで合っていますの?」

「ボスから貰った地図ではここらに印がありました」

「ここらには、キラキラしたものが売っているお店がありませんわ!自分が住んでいるところが都会だとは思いませんが、ここは流石に田舎すぎますわ!」

 アルピナはそう言って、森には到底似合わないような綺羅びやかなワンピースの裾を翻してハイヒールをわざとカツカツと鳴らしながら歩いていった。


「ワタクシをこんな田舎に連れてきて、『アビス・オブ・アビス』のメンバーがいなければ、カレンさん。アナタに香水を買っていただきますからね!」

「えぇ...」

 アルピナが振り向いて、蒼色の瞳でカレンのことを見ながら八つ当たりに近いようなことをカレンに言う。


「あひゃひゃひゃひゃひゃ!よかったね、カレンさん!アンタはそこの金髪の女性に何も奢る必要はないわね!」

「「───ッ!」


 カレンとアルピナが、同時に声がした方向を見る。そこにいたのは、3人の男女。

 声をかけた女性は、茶髪であり桃色の瞳をした背の低い少女。

 そして、その右斜め後ろに立っているのは、全身パンダの被り物に身を包んだ人物。

 そのパンダの左隣───背の低い少女の左斜め後ろにいたのは、全身を宝石に包まれていて右手には包帯をつけていて、片目に眼帯をつけている金髪で水色の瞳の男性であった。


「お前はッ!」

「名乗るほどの者じゃないけど、勿体ぶるほどの者でもないわ!アチシの名前はタイソン・バイソン!『アビス・オブ・アビス』で最小最優最凶なの!」


「やっほー、僕の名前はパンダくんさ。パンダくんって呼んでくれると嬉しいから、僕のことはパンダくんって呼んでくれ!」


「神に導かれし愚物よ、我の美しさの前に平伏すがいい。貴様らは、我に逆らうことはできない。なにせ我は、神が憑依しているのだからな。聞いて驚け見て驚け。三度驚きくたばりやがれ!我の名はトワイライト・アルカディア!悪鬼羅刹を噛み殺す最強の勇者とは我のことだ!」


 カレンとアルピナの目の前に現れたのは『アビス・オブ・アビス』に所属する3人の暗殺者───タイソン・バイソンとパンダくんとトワイライト・アルカディアであった。


 暗殺者なのにパンダの着ぐるみを着ていて、暗殺者なのに体中にジャラジャラと宝石を付けていていかがなものかとも思うが、暗殺者なのに暗殺対象の目の前に出てきている時点でもう間違いなので何もツッコんではいけないだろう。それが礼儀と言うものだ。それが道理と言うものだ。


「パンダくんとトワイライトは、そのまま目的地に直行して!アチシはこいつらの相手をする!」

「わかった、ここはタイソンに任せるよ!」

「ここは任せたぞ、タイソン。我は腹の底から湧き上がるインフェルノを殺されたという憤怒を抑えて先を急ぐことにする。死ぬなよ?」

「あひゃひゃひゃひゃひゃ!面白い冗談を言うねぇ、トワイライト!アチシは死なないよ!」


「素直に行かせるとでも思っているのですか?ワタクシの前に現れておいて逃亡できるとか、随分と頭が高いですわよ?それに、ワタクシと金髪と言う点でキャラ被りをしていますわ。似合わない金髪なんか、さっさと燃やしてしまったらどうですの?」


「今、我のことを馬鹿にしたな?貴様には天罰をくれてやろうではないか。地獄の業火に燃えて苦しめ!」

「はいはーい、そういうのいいから。僕達は急ぐよーん!」


「待ちなさい!」


 ”パンッ”


 ”パンッ”


 アルピナが、トワイライトを担いでどこかに走り去っていったパンダくんに照準を合わせて銃を発砲するも、それを避けられて逃げられてしまう。


「あひゃひゃひゃひゃひゃ!アンタの相手はこのアチシ!いくらでも相手してあげるわよ!」

「あらそうですか、では遠慮なく!」


 ”パンッ”


 ”パンッ”


 再度、2発発砲する。その銃弾は、タイソンのことを見後に捉えている。が───


 ”バサッ”


「───」

 銃弾は、タイソンには当たらずに2つが4つに分裂して変な方向に飛んでいった。


「何を...」

「アチシの武器に決まってるじゃん!」


 そう言って、タイソンが開いたのは鉄の扇であった。彼女は、鉄の扇で縦断を真っ二つにしたのであった。


 剣のような切れ味の鉄扇を武器にした少女───タイソン・バイソン。




 ───『ジェネシス』カレン・マクローレン&アルピナ・フェニーvs『アビス・オブ・アビス』タイソン・バイソンの戦いが、始まる。

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