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ダークバトル・オブ・バック  作者: キハ&花浅葱
40/42

第40殺 傀儡

 

 カレンとシトロンの目の前に現れた生神は、白皙且つ白髪の少年だった。


 ───そして、シトロンは気付く。


「お前、メルセデスを操っていたのか?」の答えとして死神の言った発言「半分正解で半分不正解です。仲間を操られて嬉しい───いや、悔しいですか?」の真意を。


「カレン、アイツは死神を体の内側から操っていたであろう人物だ。だから、油断をしちゃいけないぜ?」

「まぁ、彼の身長を考えてもそれが正しいかもしれないわね。彼なら、あの骨の中に入って操作することができる。傀儡師なら、尚更よね」


「おっと、僕の正体がバレてるみたいだ。まぁ、いいよ。もうあの傀儡(フィクション)ももう使い物にはならない。僕は死神だったし、僕はメルセデスだった。そう、メルセデスを裏切らせるよう操っていたのは僕だよ。もちろん、本人には気付かないようにしてね」

「お前が黒幕なのかよ...」


「そうだね。『ジェネシス』と『アビス・オブ・アビス』の双方を潰そうと貴族を操ったのも僕さ。黒幕の自白ほど、冷めるものはないだろう?」

「黒幕の自白より、ぽっと出のラスボスの方が冷めるわよ。見た感じ、アナタが『アビス・オブ・アビス』の最後の敵になりそうだし」


「おっと、僕に気付いていないの?一度、僕と君は遭遇している。それなのに、覚えていないの?」

「───え?」

 カレンは、目の前の少年と会ったことがあるかどうかと考えて記憶を逡巡する。


「カレン、敵の戯言には気をつけろよ?」

「私には、生神の言葉が戯言にも戯言にも聞こえないわ。本当のような気がするの...」

「そうかよ、じゃあいつだって言うんだ?」


「どうせ、わからないだろうから僕が解説してやるよ。あの傀儡(ドール)ももう死んでしまったし。僕は、タイソン・バイソン達と一緒に行動していたパンダくんの中にいたのさ。そして、森の中にあった小屋で本物のパンダくんの中身───ゲインに着ぐるみを明け渡して僕はアジトに一人で戻ったってわけさ」

「そうだったのね...」


 アルピナは、パンダくんの戦闘時と平常時のオーラが違うことについて言及していた。だが、それは中身が変わっていたことを示唆していたようだった。アルピナ自身、そのことに気付かなかったので誰も知る由はなかったのだ。


「そこにいようがいまいが、気付くことはできないわよ...」

「まぁ、いい。僕はぽっと出だけど。僕の、傀儡(ペット)はぽっと出じゃない。言うならば、模倣さ」


「───ッ!」

 そう言って、ゆっくりと操り人形のように腕をダランと垂らしながら立ち上がるのはアルピナの死体や、ステラの死体だった。


「───まさか...」

 そして、これまで進んできた道のりから進軍してくるのは死んだはずの───否、生神に操られている死体のバイブルやローラン。そして、パンダくんの本当の中身であったゲインや、タイソン・バイソンに、最初にカレンが殺害したインフェルノであった。


 殺害後、即座に燃やしたジェヘナと、本日死亡したアルファとトワイライトの姿は確認できなかった。


「さぁ、僕を殺すまで死体殺しを続けなよ。僕は、死体に偽りの生を与える傀儡師───人呼んで『凄惨者(ライフクリエーター)』さ」

 死体を操り、兵にさせるという生命への侮辱。それを、楽しそうに生神は行っていた。


「赦せないわね...いくら敵であろうと、それを侮辱してはならないわ。私達が弔っている意味が無くなってしまうもの」

「だが、俺は思うんだがこうやって死体を一気に使用しているってことは十分生神も危機なんじゃないか?それに、死神の時は体の中に入っていたのに、今回は入っていない。多分、中に入って直接操っていたからこそ強かったんだろうよ」


「私は死神の強さは知らないし、シトロンの強さも知らないけれど...まぁ、これ以上死者の侮辱をさせないためにも生神に勝つわよ」

「もちろん、そのつもりだ。最後の一仕事、いっちょやりまっか!」


 そう言って、シトロンは行動を開始する。『ジェネシス』と『アビス・オブ・アビス』の崩壊を目論んでここまで行った生神。それに、対抗するのは今しかない。


「俺の仲間を侮辱すんなや!」

 そう言って、自らが持つトンファーでアルピナのことを殴る。まずは、遠距離攻撃を持っているガンマンを倒すという作戦だろう。


 シトロンに向けて、ステラの持つ銃から銃弾が放たれる。カレンは、それに気付き「シトロン!」と名前を呼んだ後に、ステラのことを持っている弓矢で撃ち抜いた。


「これだけの量を操るって...どういうことだよ...どんなギミックだ?」

「君達には気付かないよ」


「───いや、どうかしらね?」

 そう言って、アルピナはメリケンサックですぐ後ろに迫ってきていたインフェルノの頭上にメリケンサックで攻撃をする。すると、インフェルノは操られていたのがなかったかのようにその場に倒れた。


「やっぱり。シトロン!この傀儡の頭に糸が引っかかっているわ!そこさえ狙えば、皆死体に戻る!」

「そんなの、言われねぇでもとっくのとうに気付いてるちゅうの!」


 そう言って、シトロンはアルピナとステラの頭上をトンファーで攻撃して2人の死体に繋がっていた糸を引きちぎった。


 ───そして、生神に何をさせることもなく糸を外して生神の手持ちの傀儡をゼロにしたのであった。

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