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ダークバトル・オブ・バック  作者: キハ&花浅葱
39/42

第39殺 『ジェネシス』

 

「まさか生き返ったとは...私も驚きが隠せませんね...」

 声が聴こえてくるのは、死神の取れた頭蓋骨ではなく、胴からであった。体に、声が出る場所があったというのだろうか。まぁ、そんな些細な問題は、死神をボコボコにして黙らせた後に確認すれば全く問題はない。


「死んでるから死なねぇんだろ?なら、死ねない苦しみを味わいな」

「シトロンはどうしてそうもイキイキとしているの。とどめを刺すは私なのよ?あなたは、はたして『アビス・オブ・アビス』のアジトに来て役に立ったのかしら?」

「裏切ったメルセデスを殺した。まぁ、お前の仇を取ったって感じだな」


「まぁ、なんでもいいわ。私が生き返ったってのなら万々歳よ。人造人間だったってのは驚きが隠せないけれどね」

 そう言って、カレンは自分の武器である───元々はカリファが使用していたメリケンサックで死神の胴体を殴ろうとした。すると───


「これ以上は駄目ですかね...これ以下の状況はなさそうですが」

 死神がそう口に出すと途端に静かになった。カレンは、そんなことも気にせずに死神の胴体を殴って殴って殴り続けた。


 ───そして、死神のローブが剥がされて、明らかになったのはバラバラの骨だった。


 骨一つ一つが離れてしまっており、どうしてこれまでくっついていたのか全くわからないほどにバラバラだった。どのような原理で動いていたのだろうか。


 これにて、カレンとシトロンは死神に勝利した。死神は、皮肉にも昔殺したカリファを元に作られた人造人間であるカレンに殺されたのであった。


「───まぁ、これにて一件落着ね。それで、シトロンはどうしてここに?」

「ボスが死んだ。ボス自身が自爆を選択したんだ。だから、俺が責められても困るぜ?」

 カレンがシトロンを糾弾する未来が、シトロンには見えたのかすぐに言い逃れをする。カレンは、シトロンをジッと睨むが、何も言わなかった。


「ボスは死んでしまったのね。それで、さっきの口調から言うとメルセデスも死んでいるし...アルピナは...」

「今から行くぞ」


 そう言って、カレンとシトロンはアルピナを捜しに『アビス・オブ・アビス』のアジトの最奥へと向かった。


 ───そこで、アルピナとステラの死体を見つけたのであった。


「相討ちか...」

「そんな、アルピナ...アルピナ!」

 カレンは、悲しみを口にする。シトロンは、泣くこともできずにただそれを呆然と見ていた。


「人の死も碌に悲しめない、最低な男になっちまったな...」

 シトロンは、小さくそう呟いた。そして、シトロンは死んだアルピナの顔に自分が着ていたシャツを上からかけた。それにより、シトロンの筋骨隆々とした腹筋が明らかになった。これまでずっと寝ていただけなのにも関わらず、これほどまでの腹筋ができていたとは。


「───カレン、話がある」

「何かしら...」


「少し、俺の昔話を...カレンが作られるまでの話を聞いてくれないか?」

「───いいわよ。長くなりそうなレクイエムね」

「あぁ、そうだな。だが、これはロアじゃねぇ。リアルだ」

「そう。それじゃあ、話して頂戴...」


 そうして、シトロンはカレンにこれまでの物語を話す。そして、カレンはその全てを受け止めた。

「カレン、ここからは完全に俺の戯言だ。恥ずかしいから聞かないでくれ」

「わかったわ」

 カレンはそう言うも、耳を塞ぐ様子は見せない。カレンは、アルピナの死体の隣にゆっくりと座り込んだ。


「───俺は、カリファが好きだった。だけど、俺が好きなカリファは4年前に死神に殺されたんだ。そこから、俺は何もできなかった。ただ人生を怠惰に過ごしていた。カリファを元に作られたお前に文句を言って過ごしてきた。お前は俺の好きなカリファじゃねぇ。偽物なんだ。だから、俺は嫌いだった」

「───」


「でも...もう、俺の仲間はお前しかいないんだ...カレン。好きなカリファを失って、好きな仲間をたくさん失って...もう、お前しかいないんだ...」

 シトロンの手が、わなわなと震える。カレンは、指一つ動かさない。


「カレン、もう暗殺業からは手を引こう。そして、今日からはどこか遠い国で平穏に暮らそう。もう...俺は仲間を失いたくないんだ...」

「───話の始まりから聞いてると、てっきり告白されるかと思っていたのだけれど、私は自意識過剰だったみたいね。まぁ、シトロンなんてタイプじゃないし振っていたからよかったけれど。それと、私も答えは出しておくわ。私もアナタことは大嫌いよ。でも...一緒に暮らすのはいいかもしれないわ。新しく暗殺業の仲間を増やす気にも、誰かを殺す気にもならないわ」


「そうか...ありがとう。そう言ってくれると俺も嬉しいよ。じゃあ、アジトに戻ろう。それで、死んでった皆に別れを告げよう。余生を、どこか遠い国で過ごそう」

 そう言って、シトロンはカレンの方に手を伸ばす。カレンは、シトロンの方を見てゆっくりと立ち上がった。そして───


「えぇ、わかったわ」


 カレンがそう言うと、シトロンの手を優しく握る。



 こうして、『ジェネシス』と『アビス・オブ・アビス』による壮絶な戦いは両方が壊滅することにより幕を閉じたのであ───





「───数十分ぶりだね、カレン。今度こそ、君を殺しに来た」

「「───ッ!」」


 突如として、そこに現れたのは死神と同じ声を持つまだ幼い男子であった。白髪の髪と、白い肌・白を基調にした服を着ているところを見ると、先程までの死神とは全く正反対な印象を受ける。


「お前は───ッ!」

「僕は生神。名無しの傀儡師さ」


 ───その少年は、生神と名乗った。



 ───こうして、『ジェネシス』カレン・マクローレン&シトロンvs生神という、『ジェネシス』の2人にとって、正真正銘のラストバトルが今、始まる。

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