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ダークバトル・オブ・バック  作者: キハ&花浅葱
32/42

第32殺 ステラ・クルセイダー

 

 お互いに銃を向け合うアルピナとステラ。ステラの表情は、余裕に満ち溢れていたがアルピナは肩で息をしながら少し苦痛を浮かべていた。


 アルピナは、そこまで動いたわけではなかったが、右肩を怪我してしまっていたために呼吸が浅くなっていたのであった。

 通常時は、ほとんど無言であることが多いのかステラは口数が少なかった。


 ───いや、もしかしたら通常時は饒舌だが戦闘になると一気に雰囲気が変わるパンダくんのようなタイプなのかもしれない。


「ステラさん───と、言いましたね。アナタ、お喋りはお好きで?」

「すまない、IQが20違うと会話が成り立たないらしい。だから、お喋りが好きだろうと嫌いだろうと君と話すことはできないよ」

「あら、謙遜しなくて大丈夫ですわ。ワタクシは、愚民との会話は慣れているのです」

「おいおい、君は僕の言葉をどう捉えているんだ?」

「え?そちらは、{僕は馬鹿だから、頭のいいアルピナさんとは話すことができない}って言っているのでは?」

「はぁ...これだからIQの低い馬鹿は...困るんだよな、馬鹿は自分こそが一番だと思い込むんだ...馬鹿と喋ると馬鹿が伝染る。だから、僕はチームでもほとんど喋らないと言うのに...」


 どうやら、ステラはチームのメンバーのことも見下しているようだった。チームのメンバーさえも「馬鹿」だと形容して侮辱する姿が、アルピナには納得できなかった。


「どうして、そのような言い方をするのでしょうか?」

「───」

「どうして、大切な仲間を侮辱するのですか?」

「どうしてって、僕よりも劣った雑魚ばかりだから───」


 ”パンッ”


「───ッ!」

 アルピナが、ステラの返答も程々に銃を放つ。ステラは目を見開き、その銃弾を体を動かすことで避けた。

「そんなことを言うのだから、アナタはワタクシに敗北するのですよ。敵どころか、味方にすら敬意を払えないような人物は、暗殺者以前の問題として人として恥ずかしいですよ。いくら頭がいいからって、驕り高ぶったアナタは出来損ないです」

「───死ね」


 ”パンッ”


 ”パンッ”


 ”パンッ”


 ステラの持つ銃から連続で放たれる、3発の銃弾。アルピナにその3発は迫るが、アルピナはそれらを楽々と回避する。


「恥ずかしい。ワタクシは恥ずかしいですよ、アナタのような人が同業者で───いや、アナタのような人と同じ生物で!」


 ”パンッ”


 ”パンッ”


 同時に放たれる銃弾。両者、相手に持つ感情は「怒り」であった。


 アルピナは、ステラの持つ腐った考えに対して。ステラは、自分を叱ってくる傲慢なアルピナに対して。


 ”パンッ”


 ”パンッ”


 先に撃たれた銃弾は、双方避けきることに成功した。だが、その避けた瞬間を狙って双方が放ったのだ。

 対角線上に存在する2人。銃弾がぶつかることはせず、すれ違うようにしてお互いの方へ向かっていった。


「───ッ!」


 ”パンッ”


 避けることを捨てて、アルピナはステラの足元を狙って発砲した。一方のステラは、空中を飛来してくる銃弾を避けるために一瞬しゃがむことを選択していた。


「───んなっ!」

 ステラは、アルピナが避けることを選択すると考えたのであろう。だから、しゃがむことを選択した。


 ───が、それは間違いであった。


 アルピナの腹を銃弾が貫くとほぼ同時に、しゃがんだステラの額に銃弾がぶつかった。


 そして、ステラの頭蓋を刺激させる。

「───あ、が...」

「───くぅ...あぁ!」


 お互いがお互い、藻掻くような声を出す。先に立ち上がったのはアルピナであった。ステラは、尻もちをついてからその場で藻掻き苦しんでいた。


「はぁ...はぁ...ワタクシの勝ちのようですね...ステラさん...」

「───」

 アルピナは、ゆっくりとステラに迫り銃を向ける。


「死力を尽くして戦いましたが...それもこれで終わりです。これ以上戦えませんが、ワタクシだって敵のリーダーを殺すくらいの活躍はしますわ」

 そして、アルピナはステラに銃を向ける。そして、銃弾は放たれ───








 ”カチッカチッ”


 ───ない。


「───ッ?!」

「残念...だな...お前は、ここに来て、6発撃ったんだよ...詰め込み直さねぇと、僕は殺せない...」

 額を撃たれたステラも、アルピナに向けて銃を向ける。ステラは、アルピナと違い銃の弾が1発残っている。


 アルピナは、すぐに銃に弾を再装填しようとする。が───


 ”パンッ”


「───ごふ...」

 アルピナの胸部に銃弾が入り込み、そのまま体を穿った。銃弾が通った軌跡が、アルピナの背面からでも見えるようになってしまった。


「こ...これ...は...」


 ”ドサッ”


 アルピナは、地面に膝を付いてその場に倒れ込んだ。そして、アルピナの口から血の塊が漏れ出る。

「ゴホッ、ゴホッ、ゴホッ」

「残念だね。君の負けだよ。やっぱり、僕には勝てな───」


 ”パンッ”


 直後、アルピナの銃口が再度火を吹いた。狙われたのは、ステラの心臓。見事、ステラの心臓を穿つことを成功し、ステラは一瞬、声にもならない悲鳴のようなものをあげた後に絶命した。


「これで、ワタクシの勝利、ですわね...」

 アルピナは、その場にうつ伏せで倒れ込む。もう直、アルピナの意識も落ちて絶命してしまうだろう。


「───後は、任せましたよ...カレンさん。メルセデスさん、シトロンさん...そして、ボス...」

 自分の死を悟ったアルピナは、仲間の名前を読んで残りを託す。そして───



「───カリファさん。どうか、皆を守ってあげてください。ワタクシの───いや、ワタクシ達の大切な仲間を勝利に導いてあげてください」

 4年前に死亡したカリファの名前を呼ぶ。そして、アルピナは優しくその瞳を閉じる。





 ───アルピナは、カリファの元へ旅立っていったのであった。

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