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ダークバトル・オブ・バック  作者: キハ&花浅葱
27/42

第27殺 ボス

 

「まさか、今日この時に来るとは...やっぱり、裏切り者はいたのか...」


 時間としては、カレンがバイブルに勝利した数分ほど前。『ジェネシス』のアジトに侵攻してきたのは『アビス・オブ・アビス』のアルファ・ロメオとトワイライト・アルカディアの2人だった。


『ジェネシス』のアジトのリビングに当たる所に待機をしていたのは、非戦闘員であるボスであった。

 ボスは、剣を振るうどころか剣を持てないほどの非力な男。しかし、彼は優れている頭のみでこれまでいつ暗殺されるかわからない現状を生き延びてきた。彼の体が、それほどまで貧弱な理由は───後で説明しようと思う。


「けどまぁ、お互い運の尽きだね。いや、君たちの目標が『ジェネシス』の壊滅ではなく僕の殺害ならば君達の任務は確実に成功するだろう。前者なら、確実に失敗するだろうけどね」

「なんですか!?その言い分は!私は怒りました!ぶち殺します!」


「おいおい、待て。アルファ、君の行動は短絡的だ。ここは、我が神から与えられた天啓に従うのが一番だ。まずは、漆黒の闇を纏いし剣を我が物にし、終焉を終焉に誘うことだな」

「私、トワイライトの言うことは難しくてよくわからないの!だから、まずはぶっ殺す!」


 そう言うと、彼女は自分の懐から糸を取り出す。

 だが、この糸は普通の糸とは違う。『ジェネシス』や『アビス・オブ・アビス』がある年よりも遥か西南に向かったところに生息している蜘蛛から吐き出される特殊な糸に鋼鉄を混ぜて生成している超絶硬い糸だ。


 この糸に当たれば、その部位はまるで刀で斬られたかのようにバッサリと真っ二つに切れてしまう。それほどまでに、硬く鋭い糸であった。


「僕の死に場所はここか...嬉しいような悲しいような...」

 そう言って、ニコリと微笑むボス。もう、ボスは死を受け入れているようだ。


「叫び喚け。そして、我が宝具に穿たれろ、悪鬼羅刹め!」

 トワイライトは、背中からキラキラと光るトライデントを取り出した。その三叉の槍は、しっかりとボスを捉えていた。


「これもお仕事なんです!死んでくーださい!」

「生贄の命、とくと頂戴する...絆せ、仁」


 直後、アルファとトワイライトは行動を開始する。ボスは、動くことなくいつも通り椅子に座ってニコニコしていた。


 アルファは、糸を鞭のように振るってボスに攻撃をして。トワイライトは、トライデントをボスに突き刺して。


「───」

 直後、アルファとトワイライトの2人の視界は白色に包まれる。


「爆発───だとッ」


 轟音。


 閃光。


 鳴動。


 トワイライトは、顔を守るようにして左手で覆う。右手は、トライデントをしっかりと握っていた。

 トワイライトの周りを覆う煙。


 ───ボスは、自分ごと自爆をしたのだ。


「───ふん、これで我を殺せるとでも思っているのか?愚かな者を...」

「なに、これ...モクモクして気持ち悪い...」

 煙の奥からは、アルファの声も聞こえてきた。至近距離で爆撃を受けたものの、アルファは運良く生き延びたようだ。


 ───どうやら、ボスの言っていた「運の尽き」はまだやってきていないらしい。


「愚かな統治者だったな。まさか、自爆で話を終わらせようとするとは...」

 トワイライトは、己の金髪を自らの指で梳かす。そして、煙で見えない辺りの警戒を怠らなかった。


 ───そして、煙がドンドン薄くなってくる。


 トワイライトは、その目でしっかりと生きているアルファを視認した。そして、焦げ死んでいる『ジェネシス』のボスも視認した。


「芸の無い男よ。お前の名など聞かないでやる」

「ねぇねぇ、トワイライトー。これで終わりなの?」

「あぁ...そうだと思うが...」

「えぇ〜!つまんないー!もっとお仕事したいよー!」


 そう言って、駄々をこねるアルファ。そのアルファの頬に、煤が付いていたのでトワイライトはそれを取ってやる。すると───


「───え?」

 アルファの頬ごと取れた。まるで、綿あめを千切るような感じで。


「何が───」

 トワイライトは、その現状に気付いていない。何が起こったのか。何が理由で、アルファの頬が取れたのか。


「どうしたの、トワイライト?」

 どうやら、頬を取られたアルファは、自分自身に何が起こっているのかわかっていないようだった。


 そして、トワイライトに歩み寄ってくるアルファ。すると───


 ”ボロボロボロ”


 そんな音を立てて、アルファは足から崩れていく。積み木が倒壊するような感じで、進むと同時に崩れていったのだった。しかも、体をこぶし大の肉片に変えて。


「これは...毒!」

 トワイライトは、アルファが突如として肉片に変貌したことで、それが「毒」による攻撃であることを自覚する。


 そして、トワイライトは自分の口と鼻を抑えた後、『ジェネシス』のアジトの奥に走っていった。



 ───アルファを殺害した毒は、どこから出ていたのか。


 答えは、ボスから───正確には、ボスの死体からだった。


 ボスの死体から毒が放たれた理由───それは、ボスの体が貧弱な理由と関係する。


 もう大方予想は付くだろうが、ボスは体に毒を溜め込んでいたのだった。そして、死ねば無差別に周りにばら撒くようにしていたのだ。毒を体に貯めるには、自分も毒に犯される必要があった。


 ボスは、自分のことなど気にせず、体に毒を溜め込み続けたのであった。それは、『ジェネシス』の皆を守るために。


「とりあえず、部屋に!」

 ボスに至近距離に近付いていたアルファよりも毒を吸い込む量が少なかったトワイライトは、『ジェネシス』の奥の部屋───ボスの部屋に到着する。そして、その部屋の中に入ると───


「なんだ...これ...」






 ───そこにあったのは、研究室のような施設と、ホルマリン漬けにされている銀髪の女性の死体であった。

アルファ・ロメオ、糸を武器にするし戦えば強いはずだったのに───、

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