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ダークバトル・オブ・バック  作者: キハ&花浅葱
24/42

第24殺 邂逅

 

 ───カレンとバイブルの再戦が始まろうとしていた時、アルピナは『アビス・オブ・アビス』のアジトの最奥を目指して走っていた。


 本来、アルピナが走ることは珍しいのだが、ここ数日でアルピナは2度も全力疾走をしていた。

 2度目が、『アビス・オブ・アビス』のアジトを駆け回る今であるならば、1度目はカレンがタイソン・バイソンにより深手を負った際にアジトまでカレンを走ったときである。


 アルピナは走りつつ、辺りを警戒していた。アジトの中で邂逅した敵の2人───ローランとバイソンの2人がゴミだめの中から攻撃してきたためだ。どこから攻撃してくるかわからない。


「敵のアジト、慎重かつ大胆に行動しなければならないですね...」

 思考を逡巡させながら、アルピナは最奥に向かった。そこには、一人の男性が存在した。


「いた」のでは言い表せないこの異質感。アルピナは存在している目の前の一人の男性に足を痺れさせた。

 アルピナの、初めて感じる恐怖に似た感情。


 ───これが、猛者を前にした強者の反応だった。


 弱者は、猛者の「強さ」を正確に見極められないから、その強さがわからない。だが、強者であるアルピナは、目の前にいる猛者の「強さ」を正確に理解できるから驚き恐れるのだ。


「───来たんだ」

 そう口を動かした猛者。名は確か───


「「───ステラ・クルセイダー」」


 アルピナと同時に、そこに存在していた猛者が自分の名を呟く。まるで、名を呼ばれることを予測していたように。


「やっぱり、僕の名前を知ってるんだ。きも」

「レディにキモいだなんて、下品ですわ」

「下劣な君の言う下品は、上品ってことだろう?裏の裏は表なんだし」

 アルピナを楽しそうな口調で挑発するも、その漆黒の瞳は一切笑っていない緑髪の青年───ステラ・クルセイダー。


「名乗れよ、ストーカー」

「アナタのストーカーと呼ばれるのは心外ですが、『アビス・オブ・アビス』を追っていたのも嘘ではない。ですので、その言葉は聞かなかったことにしておきます。ワタクシの名前はアルピナ・フェニーですわ」

 アルピナも、ステラの前で名乗る。そして、お互いに目を見合った。


「乗り気じゃないけど、勝負。するの?」

「ここまで来たんですもの。お手合わせ願いますわ」

「ブスの相手は気分が乗らないな...でも、可愛い子を殺したくはないし、丁度いいか」

「───」


 アルピナは、ステラの言葉に額に青筋立てるも、落ち着きを欠かさない。目の前にいるのは、『アビス・オブ・アビス』の中でも最強であり最恐であろう相手なのだ。感情に任せて動けば、すぐに負けてしまう。


「アナタの言葉に耳を傾けていると苛立ちを抑えられなさそうです。早く、死んでくださいませんか?」

 そう言って、アルピナはステラに銃筒を向けてそこから弾を放つ。


 ───『ジェネシス』アルピナ・フェニーvs『アビス・オブ・アビス』ステラ・クルセイダーの戦いが、始まる。




 ***



 カレンとバイブルの再戦が始まろうとしていて、アルピナがステラと邂逅した時とほぼ同刻。


『ジェネシス』のアジトに、2人の人影が迫っていた。


「ここが『ジェネシス』のアジトですか!とーっても楽しみです!」

「やれやれ、我がアルファとペアを組まされるなんて...災難なことだな。だが、これも神から与えられた使命...」


 そこにいたのは『アビス・オブ・アビス』の所属メンバーであるアルファ・ロメオとトワイライト・アルカディアの2人であった。


 カレンとアルピナが街の東側に行き、邂逅した3人の中にいたトワイライト・アルカディア。

 彼は、暗殺者であるのにも関わらず人目を引く金髪で一目惚れしそうな水色の瞳を持つ、ひと目見ただけで忘れないような格好───宝石を体中に身に付けて、右手に包帯を巻き片目に眼帯を付けていた。


 そして、そのトワイライトの隣にいるのが、胸と背が大きなふんわりといい匂いがしそうな桃色の髪を持つ美女───アルファ・ロメオであった。

 彼女は、チェックのスカートを履いており、上は返り血がついたらかなり目立ちそうな白いシャツを着ていた。


「さぁて、早速突入するぞぉ!」

「お、おい!待て!正面からだと───」

 隣で、変なポーズを決めていたトワイライトを無視して、『ジェネシス』の扉を迷いなく開けようとするアルファ。トワイライトは、その彼女の行動を止めようとしたが、失敗しアルファは正々堂々正面突破という選択肢を決行してしまったのだ。


「全く、神はなんてお転婆で能天気だと言うのか...我が右手に宿りし伝説の悪魔も、喫驚してしまっている...」

 トワイライトは、一人でそんなことをブツブツと呟いている。もちろん、トワイライトの右手に伝説の悪魔なんて宿ってはいない。彼が、勝手に創り出した厨二魂(フィクション)だ。


「君達は...『アビス・オブ・アビス』だね?」

 侵入した『ジェネシス』のアジトにいたのは、1人の男。


 その男性は、黒髪で黒スーツを着た武器を持っていない丸腰の優男であった。


 ───そう、トワイライトとアルファが『ジェネシス』に入って邂逅したのは完全に戦力外であるボスなのであった。

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