表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダークバトル・オブ・バック  作者: キハ&花浅葱
20/42

第20殺 ゴミ溜まり

 

『アビス・オブ・アビス』のアジトは、まるでスクラップのようだった。実際、近くに魚の骨や葉物野菜の切れ端なのがそこら中に捨ててある。他にも、もう使用できなさそうな棚などもあった。


「こんなに汚いところだとは...ワタクシ、入りたくありませんわ」

「アルピナ、文句を言ってる場合じゃねぇぜ。ここは敵のアジトなんだからよ」

「わかっていますわ。ワタクシが『ジェネシス』アジトに帰るのは、『アビス・オブ・アビス』のアジトを完全に乗っ取り、ここにいる全員を暗殺し終わった時ですから」


 アルピナも、文句を言うが任務は遂行するようだった。カレンは、2人の会話には入らず辺りの警戒を続けていた。


「それにしても、汚え場所ってところは俺様も同意すんぜ。まさか、こんなゴミ溜まりに暗殺者がいるとは思いたくねぇよな」

 メルセデスは「いると思えない」ではなく「いると思いたくない」と言った。


 いる可能性というのはあったが、スクラップの中は誰も捜索したくなかったのだ。

 誰が、スクラップの奥に入って暗殺者のアジトがあるかどうか確認しなければならないのだろうか。


 そんな仕事が与えられても、表面上だけ探すふりをしてからそこら編でパーッと遊んで「いませんでした」と報告するだろう。と───


「───誰かいるようです」

 カレンが、警戒したようにしてメリケンサックをギュッと握る。鉄でできているメリケンサックが、ヒンヤリと冷たく感じたのは、早朝でまだ空気が冷たいからであろうか。


「そのようですわね」

 カレン達が、辺りを見回す。だが、左右にはゴミが山のように積もっているだけで人影は見えない。前後には道が続いているだけだし、地面は強固な土だ。掘られた形跡もないし、空気を通すような穴もない。

 上空に、人が潜めることのできるような屋根もない。


「───ゴミの中ですわね」


 ”パンッ”


 ”パンッ”


 カレンが敵に気付いてから2.1秒後。アルピナが、カレンの言葉に賛同して0.8秒後。


 アルピナは、銃をゴミの中に銃弾を放っていた。左右に1発ずつ。すると───


「───後ろにッ!」

 アルピナの声と、既に後ろに下がっていたアルピナを見聞きし、直様後退するカレン・メルセデスの2人。


 避けた数瞬後には、先程までいた場所に文字通りの一閃が通った。直線的な光が、ゴミ溜まりの中から出てきたのだ。


「うーん、避けられてしまいましたか...ですが、この攻撃を避けられる確率は50%でしたからしょうがないでしょう」

 そして、ゴミの中から出てきたのは白衣を着て丸い黒縁のメガネを付けた男性であった。


 彼も、森の中にあった『アビス・オブ・アビス』のデータの中に入っていた。彼の名前はローランであった。


「あなた方が、インフェルノとジェヘナにタイソン・バイソン及びパンダくんの4人を殺害し、バイブルを怪我させた『ジェネシス』のカレン・マクローレンさんにアルピナ・フェニーさん。そして、メルセデス・カルガンさんですね?」

「───どうやら、こちらのことはバレているようですわ」


「そのようだな、面倒だ...」

「えぇと、3人を相手して勝てる確率は5.23%で...アルピナ・フェニーさん単体を相手して勝てる確率は33%くらいでしょうか。そして、カレン・マクローレンさん単体を相手して勝てる確率は12%で...」

 そんなことをブツブツとローランは呟いていた。


「───メルセデス・カルガンさん単体を相手して勝てる確率は99.99%です!」

 ローランは、嬉々としてメルセデスのことを指差した。


「メルセデス・カルガンさん!僕が相手になりましょう!さぁ、他のお二方はお先に行ってどうぞどうぞ!僕はメルセデス・カルガンさん一人を相手しますので!」

 ローランは、そう言うと他の2人だけは通れるように道を開けた。


「黙って聞いていたが、俺様が弱いって言いたいのか?」

「メルセデス、相手の挑発に乗らないでください。ここは、カレンさんに相手をさせます」

「了解しました。ここは私に───」


「いいや、駄目だね!ここは俺様が相手をする!2人は先に行っておけや!」

 メルセデスは、ローランの挑発に乗った。


「ですが...」

「心配はいらねぇ。絶対、目の前の眼鏡クソを追いかけて先に行く」

「───わかりました。では、ここはメルセデスに任せます。その代わり、死なないでくださいよ?」

「メルセデス、待ってるから」


「あいよ。『ジェネシス』自慢の可愛い2人に自慢されちゃ、負けるわけにはいかねぇな。目の前の眼鏡クソが俺に勝つ確率が99.99%なら、俺が0.01%を引き当ててやるよ」


「カレンさん、先を急ぎましょう」

「わかりました」

 カレンとアルピナの2人は、ローランの横を走って通り抜けていく。


「んじゃ、早速始めようじゃねぇか眼鏡クソ」

「僕のことを眼鏡クソと呼ぶのはやめてください。それに、僕は眼鏡ですが、クソではありません。罵倒するなら眼鏡クソではなくクソ眼鏡が正しいと思われます」


「何言ってんだ。数字に拘ってるお前の性格がクソっつってんだよ。理系が偉そうに、言葉を話すんじゃねぇ。理系は全員数字でものを話しとけや!」

「では、あなたは理系でも文系でもなく体育会系であるでしょうから、筋肉と対話でもしておいてくださいよ」


「うっせぇな!チェックのシャツ、ダセェから着てんじゃねぇよ!」


 そして、メルセデスは魔法の詠唱を開始する。


 ───そんなこんなで、『ジェネシス』メルセデス・カルガンvs『アビス・オブ・アビス』ローランの戦いが、始まる。

眼鏡クソ→眼鏡のクソ(本体はクソ)

クソ眼鏡→クソの眼鏡(本体は眼鏡)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ