第2殺 次なる任務
第1殺の投稿時間を「9時」にしたら午前中で普通に投稿されました。
今度こそミスをしないように「21時」にしなければ。
シャワーを浴び終えて、カレンはボスやシトロンのいるアジトに戻った。
いや、シャワー室もアジトの一部であるので「アジトに戻る」という表現もおかしいのかもしれない。
リビングとしては利用されていないが、便宜上リビングと呼称することにしよう。
リビングに戻ると、殺しのバックアップとして働いていた2人が戻ってきていた。
1人は、スラッとした体だが、出るところは出ている美を追求した女性の完全体と言ってもいいほどに素晴らしい体つきの女性。そして、金の長髪に蒼色の瞳。そして、その体を纏う服は貴族のお嬢様のようにキラキラしたものであった。もちろん、血一つつけていない。
───そんな、彼女の名前はアルピナ・フェニーであった。
そして、もう一人。服の上から見ると、痩せているように見えるが脱ぐとガッチリとしっかり引き締まったボディを持っている空のような淡い水色の髪をした男。髪は男らしく短く切られており、目は二重でしっかりと大きかった。その瞳は、ルビーのような色をした右目とトパーズのような色をした左目であり、所謂オッドアイと言われるものであった。
───そんな、彼の名前はメルセデス・カルガンであった。
「俺様をバックアップにするなど傲慢甚だぜ?俺様は、縛られることなく人が殺せるからこそ『ジェネシス』に所属しているというのによぉ、近頃はバックアップばかりで飽き飽きしてんだ。暗殺者専門の暗殺者集団を暗殺するよう、暗殺者に頼むのも時間の問題だぜ?」
「全くですわ。ワタクシをメルセデスと共にバックアップにするなんて、判断を間違えているとしか思えませんもの。こーんな、天上天下唯我独尊を体現したような男と行動していては、ワタクシも嫌気が差してしまいますの。バックアップをするとしても、せめてカレンと共にしたいと思っていますわ」
「───んだとっ!アルピナ、お前俺様のことが嫌だって言うのか?」
「まぁまぁ、2人共。今回もバックアップにしてしまったのは謝るよ」
ボスはそう言うと、申し訳無さそうな顔をしつつも、ニコリと少し微笑んだ。
「全く、ボスにそう言われてしまったら赦すしかありませんの」
「あぁ、全くだぜ。逆らえない自分が嫌になるぜ」
2人は、そう言うと静かになった。アルピナは、テーブルを囲うようにある椅子の一つに丁寧に座り、メルセデスは、シトロンが横になっていない方のソファにドスリと座り込んだ。
「カレンも座ってくれ。次の依頼が来た」
「今度は、俺様が殺すからな」
「ワタクシも殺しに参加したいですわ。長く動かないと、腕が鈍ってしまいますし」
2人はそう意見した。カレンとシトロンは、無言を貫く。カレンは、開いている一人がけの椅子に座る。
───いや、シトロンは眠っているのでたまにいびきをかいている。
「今回は、全員に動いてもらうよ。全員、殺しの仕事だ」
「本当か?」
「本当ですか?」
2人が、嬉しそうな顔をする。お互いが顔を見合わせて、喜びの表情を浮かべた。
「今回、殺してもらうのは『アビス・オブ・アビス』というグループだ」
ボスが、ボス専用の椅子から歩いて、皆の囲んでいる机の前に移動する。そして、写真を置いた。
その写真には、合計8人の男女が写っていた。
メガネをかけたいかにも理系ですという男・パンダの着ぐるみを来た人物・まだ15歳にも満たなそうな幼女・太刀を持った目鼻立ちのいい男・右目に眼帯をつけて、左腕に包帯を巻いた男・そして、特徴の無い美女が3人。
「ここに映っているのは8人だが、情報によるともう一人いるらしい」
「なら、合計して9人ってことか?」
「あぁ、そうだ。残りの一人は、最後の暗部としているようだ。それは男らしいので、気をつけてほしい」
「わかったぜ!」
「了解しましたわ」
「わかりました」
カレンを含めた3人が、三者三様の返事をする。シトロンはまだ寝ている。
「それと『アビス・オブ・アビス』は皆、殺す際はバディを組んで行動している。尚且つ、全員が全員殺しのプロであるから油断は禁物だ。これまでの仕事よりも、難易度は高いぞ」
「ま、俺様に勝てるような敵はいないから大丈夫だろ!」
「メルセデス、油断は禁物だと言ったばかりだぞ?そんな油断が、命を奪うのだから」
「そうかいそうかい、すまなかったなボス」
メルセデスはそう言うと、首を回して骨をポキポキと鳴らした。
「それで、最初は誰が出るのですの?それに、9人いるのなら一気に殲滅する───と言うのは無理でしょうし...」
「そうだね、アルピナの言う通りだ。だから、一人二人と潰していく作戦を取ろうと思っているよ」
「そうは言っても、誰がどう行動するかとかわかってんのか?依頼主はそこまでの情報をくれてんのかよ?」
「あぁ、行動範囲はある程度絞れている。もっとも、敵のアジトはわかっていないけれどね」
そう言うと、ボスは何やら地図を取り出してきた。そして、アジトがある建物から少し離れた建物群に広く丸をつける。
「ここらで、行動が確認されている。だから、ここらで張って敵を見つける。一人倒せば、相手から来てくれるだろうしね。それに、普通に行動している時はバディを組んでいない可能性もある。だから、そこを狙う」
「了解しましたわ」
「俺も問題ねぇ。だが、アルピナの質問に答えてねぇだろ?誰が、最初に出動すんだ?」
「最初は、カレンとメルセデスに任せようと思っているよ」
「ぃよしっ!」
「ワタクシではありませんの?」
メルセデスは狂喜乱舞、アルピナは不服そうな目でボスのことを見ている。
「アルピナは、また別の任務をこなしてもらおうと思ってね。別に、任務は『アビス・オブ・アビス』だけではないのだから」
「了解しましたわ。強敵と戦うは少し羨ましいですが、最初を譲るのはノブレス・オブリージュですの」
───こうして、『ジェネシス』と『アビス・オブ・アビス』との戦いは始まったのであった。
不定期投稿となります。
できる限り早めに投稿しようと思いますのでよろしくお願いいたします。