表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダークバトル・オブ・バック  作者: キハ&花浅葱
16/42

第16殺 『アビス・オブ・アビス』

 

 ───その日の夜。


 長かったその日も幕を閉じようとしていた。夜遅くまで、『アビス・オブ・アビス』の小さなアジトであった森の中の小屋を探索していたアルピナとメルセデスは『ジェネシス』のアジトに帰っていた。


「はぁ...ここまで帰ってくんのにかなり時間がかかった気がしたぜ...」

「アジトに包帯が用意されていたからよかったけれど、無かったらメルセデスは死んでいたのかもしれませんね」

 そう言って、アルピナは目を細めて笑う。


「んで、色々と情報は手に入ったことだし、懸念材料としてはカレンだよな...」

 カレンは、タイソン・バイソンとの戦いで胸の傷が開いてしまっていたのだ。一度、アジトに返したが今も治療を受けているだろう。そう、思い2人はアジトの扉を開ける。すると───


 ”ズルズルズルズルズル”

「あ、おかへりなはい」


 アジトのリビングで、カレーうどんを力強く食べていたのは、胸の傷が開いていたはずのカレンだった。

「おい、怪我...大丈夫なのかよ...」


 メルセデスが、カレンの傷を心配すると、カレンは口に含んでいたカレーうどんを飲み込んでからこう答える。

「ご心配ありがとうございます。ですが、私はもう大丈夫です。傷もボスにしっかり治療して頂きましたので」

「はぁ...」

「全く、心配しただけ杞憂でしたわ...まぁ、元気なのなら何よりです」


「おかえり、2人共」

 ボスが、リビングの奥の部屋から出てきた。きっと、ボスの部屋から出てきたのだろう。

 ボスの部屋に何があるのかは、カレンとメルセデスは知らなかった。


「ボス、カレンは大丈夫なのか?」

「あぁ、問題ないよ。僕がなんとかしたからね」


「それで、報告を聞こうじゃないか。何かいい情報はあったかい?」

「ボス、それなのですが...」

 アルピナが少し口ごもる。そして、チラリとメルセデスの方を見る。何かを察したのか、メルセデスは口を開く。


「敵のアジトがわかった」

「───ほう」

 ボスが、メルセデスの方を見てニコリと笑う。


「よくやった、2人共。君たち2人の成果には驚かされてばっかりだよ。あ、もちろんカレンの協力もあったからだとは思ってるよ」

「───いえ、そんな。私はまだまだで...」


「本当、カレン。お前はまだまだだよな。前の野郎はお前なんかより全然強かった」

 そう、急に口を開くのはいつも通りソファに寝ていたシトロンだった。もう、ソファで寝ているのが当たり前過ぎて誰も触れることはなかった。


「───あの、その前の野郎がどちらかそろそろ気になるんですけれど...」

 カレンがシトロンに向けてそう問う。


「気になるったって、前の野郎は前の野郎だよ。説明はダリィからパス」

「───」

 カレンが少し不服そうな顔をする。


「───それでは、ワタクシから少し。シトロンさんの言っている前の野郎───という人物の名前はカリファと言うのです。その人は、カレンさんと同じ銀髪だったんですよ。それに、暗殺の技術も凄かったのです」

「───そうなんですか。名前は初めて知ることができました」


「ワタクシも、共に過ごしたのは少しだけですしあまり多くは語れないんですけどね...詳しいことはボスとシトロンさんの方が多く知っていますが...」

「僕は、あまり話したくないかな。昔の話は少し苦手なんだ...」


「───ですので、あまり話すことはありませんわ。ですが、カレンさん。あなたの使っているメリケンサックはカリファさんが愛用していたものなんですよ」

「そうなんですか...」

 カレンは、自分の懐からメリケンサックを取り出し、それをマジマジと見つめる。


「───んで、俺様達の報告はまだ残ってるんだが...話していいか?」

「あぁ、すまない。話が横道に逸れてしまったね。申し訳ない。それで、お願いできる?」


「敵9人の名前がわかった。顔写真も付いてたしな」

 そして、メルセデスが懐から数枚の紙を取り出し、それをボスに渡す。


「バイブルにインフェルノ。タイソン・バイソンか...確かにこの情報は正しいみたいだね」

「パンダくんの中身はゲインと言うらしいですの。あまり興味はないですけれどね」


 ───そして、敵の全貌が明らかになった。


 もう殺害が完了した3人を省くと、残りの敵は6人。


 眼鏡をかけたいかにも理系っぽい男性であるローラン。

 外人であり、カレン達とは違った国の言語を話す太刀を武器に戦う男性のバイブル。

 胸とタッパがでかい女性で、桃色の髪を持つアルファ・ロメオ。

 体中を宝石で装飾していて、金髪で水色の瞳を持ち眼帯を付けた男性であるトワイライト・アルカディア。

 昔は、アイドルとして活躍したが今は暗殺業に身を染めている女性であるジェヘナ。


 そして、最初の情報ではわかっていなかった全てを飲み込んでしまいそうな深淵より黒い瞳を持ち、緑髪の男性であるステラ・クルセイダー。


 その情報に書かれているのは、この6人であった。

「残りは6人...」

「まだ3人しか倒せていないことに驚きだぜ...」

「そうですね。私とメルセデスが2人がかりで挑んだのに、バイブルを倒せなかったのもマイナスでしょうし...」

「全くその通りだ。カレン、お前は弱い」


「───すみません」

 カレンは、全く戦った姿を見たことがないただ部屋でゴロゴロと寝ているだけのシトロンに文句を言われたくはなかったが、嫌味を言うとまた面倒くさそうだったので謝罪だけで終わらせた。


「───じゃあ、アジトもわかったことだし。敵のアジトに乗り込む作戦を考えないとね」

「えぇ、そうですね」


「それじゃ、今日はもう遅いし就寝にしようか。皆、今日一日もお疲れ様───」

 ボスが、就寝の挨拶をしようとしたその時だった。『ジェネシス』のアジトの扉が開く。そこにいたのは───



「えへへ、ここからお姉ちゃんの匂いがする。ねぇ...お姉ちゃん。そこに、そこにいるんでしょ?ねぇ?」


 そこに現れたのは、アルピナとメルセデスの持って帰ってきた紙に情報が書いてあった少女───ジェヘナであった。

カレンがカレーうどんが好きな理由は


「カレ」ーうど「ん」

と、カレーうどんにカレンが含まれているからという言葉遊びです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ