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ダークバトル・オブ・バック  作者: キハ&花浅葱
13/42

第13殺 パンダくん

 

「ガガガガガガ」と荒い音を立てながらチェンソーの刃は回転している。


 木の上で、『アビス・オブ・アビス』の森の中にあるアジトの1つであろう小屋を監視している───と思ったら、監視している自分自身達を監視している人物がいたのだ。


 そして、仲間が出たタイミングで敵の後ろに迫る───そんな戦法だったのだろう。


「メルセデス!」

「すまん!もう、氷塊は全部撃っちまった!」


 2人は、別々の方向にジャンプし、木の上から飛び降りる。2人が乗っていた枝は、ポッキリとジャンプの衝撃で折れてしまった。


 小屋の回りには、木が生えておらずそこが主戦場になることはすぐに予測がついた。


 2人の後ろに現れたチェンソーを持った人物───パンダくんは、2人を負うことなくそのまま木の下にチェンソーを持ったまま落下していった。すると───


「───ッ!」

 チェンソーをまるで剣のように振るい、先程まで2人を乗っていた木を倒壊させた。


「危なすぎるだろッ!」

 そう言いつつ、メルセデスは空中でチラ見で、小屋の外に出てきていた金髪のトワイライトは姿をくらましていた。

 先程、メルセデスが放った魔法を避けるか弾くかして耐えきったようであった。


「やっぱし、魔法1回で殺せるような相手じゃ───ッ!」

 メルセデスの着地と同時に、迫ってきたのはパンダくんであった。


「【極より冷えた謙虚なる弾丸を呈す永劫の魔法よ、顕現せよ!

 『ブラックホワイト』】」


 必要最低限の詠唱で、メルセデスは先程よりも二回りほど小さな氷塊を、パンダくんに向かって放つ。


 剣ではないのに関わらず、氷塊とチェンソーの刃がぶつかり「キンッ」という金属音が聞こえてきた。

「アルピナ!」

「言われなくてもわかっていますわ!」

 ノーマークであった、アルピナがパンダくん向けて銃弾を放つ。


「───」

 パンダくんは、静かにチェンソーの刃を銃弾の方に向けて、銃弾を凌いだ。

 アルピナが初めて邂逅した時とは違い、沈黙を貫いきながら戦闘をしているパンダくん。


 アルピナは、初めて邂逅した時とは違うオーラを、パンダくんから感じていた。

「戦う時と平常時でオーラが変わる人ですか...ここで仕留め損ねたら面倒ですわ」


 アルピナは、そう呟いた。もちろん、その声はメルセデスにも届いていた。

 パンダくんの強みは、他にもあった。中の人物の姿が見えていないことだ。最悪、着ぐるみを脱いで行動すれば、奇襲もできるのだ。


 ───そして、場は膠着状態に。


 アルピナもメルセデスもパンダくんも攻撃を仕掛けようとしない守りの状態に入っていた。


 アルピナとメルセデスは、姿が見えなくなった『アビス・オブ・アビス』のトワイライトに警戒しているから。


 ───もっとも、トワイライトはもう既に『アビス・オブ・アビス』のアジトに帰っているので、その場に現れることは無いのだけれども。


 ともかく、3人が3人睨み合っている状態が続いている。そして、戦いの中では珍しい静寂が訪れた。


 ───否、チェンソーの刃が回転する音が響いているので静寂とは言えないだろう。


 そして、十数秒が経つ。ついに、その時はやって来た。最初に動いたのは、メルセデス。


「【銀河渦巻く魂の波動を網羅し、

 氷の結晶の奥深くに宿る恒久の冷気を呼び覚まし、

 空虚な次元を彷徨う精神の螺旋を辿りながら、

 氷雪の領域を切り拓く闇の魔力を解き放つ!

 極より冷えた謙虚なる弾丸を呈す永劫の魔法よ、顕現せよ!

 『ブラックホワイト』】」


 メルセデスは、最高の大きさの氷塊を最大限に顕現させた。そして、すぐに氷解を放つ。


「───」

 パンダくんはチェンソーを使い、メルセデスの放った氷塊を弾く。


 ”パンッ”


 アルピナが、パンダくんに向けて銃弾を放つ。


「───」

 銃弾が、チェンソーの刃に当たり、それが、アルピナの方へ跳ね返る。


「んな───ッ!」

 アルピナは、銃弾の進行方向を全く逆に変えたパンダくんに驚く。銃弾の進む方法に反対側に弾き飛ばしたのだから、単純計算で銃弾の推進力の2倍以上の力が込められていただろう。


「アルピナ!」

「うるさいですわよ」


 メルセデスの言葉に返事をしアルピナは、跳ね返された銃弾を避ける。


「そのチェンソーが邪魔ですわね...どうにかして無力化できればいいのですが」

「そいつは俺も同感だ。だが、それをさせてくれねぇから面倒なんだよな...」

 アルピナとメルセデスは、パンダくんを起点として対称的な位置にいる。


「行きますわよ」

「おう!」


「【銀河渦巻く魂の波動を網羅し、

 氷の結晶の奥深くに宿る恒久の冷気を呼び覚まし、

 空虚な次元を彷徨う精神の螺旋を辿りながら、

 氷雪の領域を切り拓く闇の魔力を解き放つ!

 寒気を放ちし剣となり、敵を凍てつかせ絶望に陥れよ!

 『フロストブレード』】」


 メルセデスの両手に握られるのは、冷気を放つ透明の氷でできた剣。


「───」

 パンダくんは、メルセデスの両手に氷の剣が顕現されたことを確認して、木の生えている方へ走っていく。そして───


 パンダくんは、チェンソーで木を切り倒すと、右手にチェンソー、左手に倒木とメルセデスと同じ二刀流になった。

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