140字小説26.27.『カプチーノ』『演技』
『カプチーノ』
「カプチーノって、人生なんだよね」
マスターが唐突にいった。
「どういう事?」
「濃くて苦い人生の上に、それを包み込むように儚く優しい
思い出がのっている。それがまるで、
エスプレッソとスチームミルクのようでな」
普段頼りないマスターが今日は少しだけカッコイイ。
優しい思い出は儚いか…
『演技』
人は皆、演技をする。
それがたとえ、
親に対してであろうと、社会に対してであろうと。
そして己に対してであろうと。
素の自分という言葉があるが、
演技をしていなければ成り立たない。
役者は大変だと思う。
演技の上に演技をするのだから。
己を見失わないようにすることが役者の基礎なのだろう。
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最後まで読んで頂きありがとうございます。
演技は皆さん、したことありますよね。
役者の演技が下手とか上手いとか色々あるんですが、
私は役者が演技をしているだけで凄いという感情が出てきます。
何故なら、まるでマトリョーシカのように演技に演技を被せられてるから。
普通の人だったら一つ演技を被るだけで精一杯なんだから。
ではでは。
泉ふく