学校の七不思議その二
学校の七不思議。
其れを全て知ると呪われてしまうという。
その話を校内を徘徊中に思い出しました。
相棒と。
「「今更だな」」
僕と相棒の言葉が重なる。
「相棒が側に居た段階で既に呪いだし」
「そうそう~~なんでやねんっ!」
相棒のツッコミがっ炸裂する。
いや良いけど。
「だってさ~~相棒幽霊じゃんラジオに取り憑いた」
「鉱石ラジオな」
「そうだな~~普通じゃないけど」
「あ……気がついてた?」
相棒。
腕。
腕。
当たってる。
「鉱石ラジオは電源を使わず、アンテナとアース線の間を流れる微弱な電流で音が出るやん」
「く……詳しいな」
「本来は、イアホンで聞くのが普通ぐらいは」
「通常はな私たちは霊界ラジオだから違う」
「霊界ラジオ?」
はて?
「かの発明王が作った最後の発明が霊界ラジオさ」
と言いながら詳しく話してくれた。
トーマス・エジソン。
世界中で知らぬものは居ない傑出した発明家だ。
生涯におよそ1,300もの発明と技術革新を行った人物でもある。
たとえば蓄音器、白熱電球、活動写真である。
エジソンは様々の異名を持つ。
その一つが「発明王」と呼ばれている。
電話、蓄音機、白熱電球
1877年に蓄音機の実用化(商品化)で名声を得た。
ニュージャージー州にメンロパーク研究室を設立。
研究所では電話、蓄音器、電気鉄道、鉱石分離装置、電灯照明などを商品化。
中でも注力したのは白熱電球である。
数多い先行の白熱電球を実用的に改良した。
晩年
鉱山経営などにも手を出すが失敗。
高齢となって会社経営からは身を引く。
だが研究所にこもり死者との交信の実験(霊界との通信機の研究)を続ける。
其の際黒魔術等研究。
1914年12月に研究所が火事で全焼して約200万ドルの損害を被った。
だが臆せずまるで何かに取り憑かれたようにその後も死者との交信について関心を持ち研究を続けた。
1930年11月18日、死者との交信が出来る霊界ラジオ完成。
1931年10月18日、ニュージャージー州ウェストオレンジの自宅で死去(満84歳没)。
死去する前に発明された霊界ラジオは忽然として消えた。
其の行方は誰も知らない。
其の筈だった。
そう其の筈だった。
遠く離れた此の極東の地。
日本の片田舎に流れ着いた。
霊界ラジオが。
見た目は鉱石ラジオのナニカが。
其れは死者を宿し異形と化した。
異形と化したナニカ。
異形と化した霊界ラジオは同族を増やし片田舎を支配。
其処を足がかりに片田舎を支配。
次々と犠牲者を出し続けた。
最後は相棒が破壊し尽くしたらしい。
片田舎の村ごと霊界ラジオ達を。
「相棒は違うんやろ」
「普通に聞こえるし」
「他にも出来るだろう」
「まあね」
そんな感じで駄弁っていた。
そんなときだった。
其れがあらわれた
上半身しかない幽霊。
其れは猛スピードで走ってくる。
テケテケ。
テケテケ。
上半身なのに走るとはおかしい。
だがまさしくそうとしか言えない。
恐らく此れは「テケテケ」。
学校の七不思議の一つだろう。
夕暮れどきの学校の廊下を猛スピードで走ってくる七不思議。
この亡霊は両腕を使い移動する七不思議だ。
其れが僕たちに向かってくるっ!
テケテケ。
テケテケ。
恐ろしく速い。
というか此れは走るというより匍匐前進では?
ゴスッ!
其の「テケテケ」の頭を僕は踏みつける。
台所の黒い虫のごとく。
バッチイ奴だ。
ジタバタと動こうとするが全然動かない。
「え~~唯の人間が都市伝説の頭を踏みつけてるんだが……」
僕の行動に脱力する相棒。
「人に害を成そうとする都市伝説は其の瞬間無防備に成る」
「つまり?」
「物理的に干渉出来るということ」
「普通は躊躇うんだが……恐怖で」
「気にしない」
ガンガン蹴る。
それはもうっ!
思いっきり。
「此の太え野郎だっ! 相棒のスカートの中を見ようとするなんてっ!」
「え~~」
僕の言葉に唖然とする相棒。
というか脱力してます。
「痴漢の犯人を捕まえたので警察に連絡を」
「都市伝説を捕まえられる警察なんて無いわ~~」
何処か呆れた相棒はスマホを取り出して警察に連絡した。
一応聞いてくれるらしい。
後日談。
都市伝説専門の部署が警察に有りました。
本当に。