表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スキルが生えてくる異世界に転生したっぽい話  作者: 明和里苳


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

35/37

35(3-17)

更新が大変遅れました。

今回も、読んでくださってありがとうございます。

 その夜、早速錬金術でミスリルやオリハルコンが作れないか、試してみた。結果は散々だった。まず、土魔法で適当な形の粘土を作り、いつものように他の物質に変えようとしたのだが、手始めにミスリルに変換しようとすると、膨大な魔力を吸い取られ、魔力が足りずに失敗した。数え7歳の時に自分のステータスが見られるようになって、当時既に2,000万を超える最大MP値を叩き出していたのだが、それでもまだ足りない。この年になって初めて、魔力切れでダウンした。たったコイン1枚分のミスリルも作れなかった。


 粘土をミスリルに変換しようとした時、錬金術は確かに発動したし、途中まで金属に置き換わる手応えはあったので、錬金術で作成可能なのは間違いないだろう。試しに、銀にしてからミスリルに変換しようとしたが、同じように魔力切れで失敗した。そもそも、原子の中の電子が霊子れいし、つまり魔素に置き換える必要があるのだが、これが一体どういう仕組みなのか分からない。どうも、ザルに水を注いでいるような感覚がある。


 そもそも、土や銀から電子を置き換えるのは難しいのかも知れない。元の材質の電子を霊子(魔素)に置き換えるのではなく、最初から魔素がたっぷり含まれていて、魔素と親和性の高いものをミスリルに変えるのはどうだろうか。


 アレクシス様とディートリント様、ベルント様の三人は、学園に戻る子弟と一緒に王都に戻ることになっている。実際は転移陣からいつでも王都に帰れるので、頻繁に往復しているようだけど。デルブリュックさん家にいると、お酒いっぱい飲まされるんだよなぁ。みんなお酒に弱いわけじゃないけど、ああいう濃い付き合いは三人とも苦手っぽい。


 そんなアレクシス様に、「魔素と親和性の高い物質はありますか」と聞いたところ、いきさつの説明を求められた。「というわけでミスリルが作れないかなと」と言うと、頭を抱えてつぶやいた。


「君ねぇ…。いろいろやらかすとは思ってたけど、ミスリルかぁ…」


 呆れながらも、


「それならほら、こないだ散々作ってたじゃないか、記憶水晶」


 なるほど記憶水晶か。


「一般的に、宝石類は魔素と相性がいいよね。ほら、僕の杖にも水晶が仕込まれてるじゃない?」


 アレクシス様が指揮棒のような杖を懐から出してくる。この杖が、某魔法使い映画に出て来そうで、ついワクワクしちゃうんだよな。あ、その魔法使い映画も既にアレクシス様たちと王家に献上してある。


「水晶は魔法を正確に撃ち出す指向性と制御力があるんだよ。光の屈折と関わっているのかもしれないけど。そして君が記憶水晶を作る時に失敗作として生み出した赤い紅玉ルビー、あれは火の魔力と相性がいいし、蒼玉サファイアは水魔法と相性がいい。ミスリルが聖属性を帯びているなら、聖属性を込めやすい宝石がいいんじゃないかな。一般的には金剛石ダイヤモンドとかだね」


 というわけで、まず錬金術でダイヤを作ってみた。ソイルで土を出し、粘土状にして固めて、錬金術でダイヤに変換。記憶水晶を作りまくった俺は、これをものの秒でこなす。アレクシス様は「君ねぇ…」とため息をついている。そういえば、自動でタブレットもどきをインベントリに作る仕組み、ずっとオンにしたままだった。インベントリを開いてみると、「タブレット(仮)」のところに「9,999+」と表示されている。見なかったことにしよう。


 さて、手の中に出来たダイヤモンドだが、主に炭素で出来ているので、思ったよりも魔力の消費が少ない。ここに聖属性の魔力を込めていく。記憶水晶に魔力を通して映像や音声を込めるのと同じ要領だ。はたから見ると、手で石ころを温めているようにしか見えない。


 やがてダイヤの結晶が光を帯び、これ以上聖属性の魔力が入らない感覚がする。容量いっぱいになったのだろう。これでようやく、ここからミスリルに加工できるだろうか。出来上がった結晶に鑑定をかけてみる。




種別 アダマンタイト

材質 アダマンタイト

状態 良好


・聖属性

・自動修復

・不壊




 俺は頭を抱えた。頭を抱えた俺に何事かと尋ねたアレクシス様、「アダマンタイトが出来ました」というと頭を抱えた。とかくこの世はままならぬ。

更新が大変遅くなり申し訳ありません。

これからも不定期になるかと思いますが、マイペースで頑張ります。

鍛治の話はそんなに長くするつもりはなかったのに…(´Д⊂ヽ


今回も、読んでくださってありがとうございます。

評価、ブックマーク、いいね、とても励みになります。

温かい応援、心から感謝いたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ