34(3-16)
とても短いですが、今回も、読んでくださってありがとうございます。
それぞれの剣の鑑定結果は以下のようなものだった。
名称 無銘
種別 ミスリル剣
材質 ミスリル
攻撃力 150
状態 良好
・聖属性
・魔族、アンデッドに攻撃力二倍
・自動修復
名称 無銘
種別 オリハルコン剣
材質 オリハルコン
攻撃力 250
状態 良好
・雷属性
・魔族、アンデッドに攻撃力五倍
・自動修復
・不壊
名称 無銘
種別 ヒヒイロカネ剣
材質 ヒヒイロカネ
攻撃力 250
状態 良好
・火・氷属性
・自動修復
・不壊
とんでもねぇ逸品だ。しかも良く眺めていると、素材の詳細まで目に入って来た。
名称 ミスリル
種別 金属
状態 良好
聖銀と呼ばれる。銀の電子が霊子に置き換わったもの。聖属性。重さは軽銀程度、剛性は鋼と同等。靭性にも優れる。
名称 オリハルコン
種別 金属
状態 良好
真鍮の電子が霊子に置き換わったもの。雷属性。重さも剛性も鋼と同等。靭性にも優れる。
名称 ヒヒイロカネ
種別 金属
状態 良好
磁鉄鉱の電子が霊子に置き換わったもの。火・氷属性で熱伝導に優れる。重さは鋼より軽く、剛性と靭性に優れる。
えっ。霊子って何。
名称 霊子
種別 素粒子
状態 良好
素粒子の一種。原子の構成要素の一つ。原子核の周りに分布して原子を構成している、魔力素量をもつ素粒子のことである。
電子の代わりに魔素が入ってるってこと?
「坊主、何をブツブツ言うておるんじゃ」
親方の声ではっと気づいた。最近鑑定のレベルが上がって、材質や属性、隠し要素まで見られるようになってきた。その上、記憶水晶のタブレットを作り始めて得たスキル「アカシックレコード」が、自分の知らないことまで教えてくれたりする。まるで○ィキペディアのようだ。
「あまりにすごい剣なので、魅入ってしまいました」
適当に誤魔化すと、親方は「そうだろうそうだろう」と頷いていた。
「コイツらを見て魅入られたモンは、鍛治神から呼ばれたヤツらよ。坊主、うちの門下に入らねぇか」
あれ、今スカウトされました?
「僕の進路については、アルブレヒト伯爵の了承を得ないといけませんので、即答はできませんが、鍛治についてはいつか学びたいと思っています」
「そうかそうか!よっしゃよっしゃ!」
ドワーフの親方は破顔し、すごい勢いでバシバシと背中を叩いてくる。いや、俺8歳児なんだけど。武術スキルを持ってなかったら、どっか骨折でもしてたんじゃないだろうか。
善は急げと、親方は俺を引っ張って店先に戻って行った。お爺様は「早速あの地下に連れて行かれたんかい」と呆れていた。エーミール様はきょとんとしている。
「じゃあ坊主、明日から来い!今日今からでもいいぞ!」
「いやいや親方、ですからアルブレヒト伯爵と」
「孫は孫で忙しいんじゃ」
お爺様と親方で「ならこれはどうだ」みたいな感じで話し合われ、授業が空いた時に工房にお邪魔して、見習いの見習いをさせてもらうことになった。てっきりお爺様は俺に武術の訓練をつけることを主張するかと思ったが、俺の鍛治見習いにかこつけて、工房や街に繰り出したいようだ。どうも公爵邸で執務をするのが嫌で、早々に息子に爵位を譲り、そして大人しく隠居生活するのが嫌で、武術に勤しんでいるようだ。困った56歳児である。
体調不良でお休みしておりました。
不定期更新となりますが、頑張って更新して行きたいと思います。
今回も、読んでくださってありがとうございます。
評価、ブックマーク、いいね、とても励みになります。
温かい応援、心から感謝いたします。