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「ご馳走様!!」
アキラは久しぶりのレイナの手料理に満足した
「久しぶりに食べたけど記憶より美味いな!」
「ありがとうございます!」
頬を染めるレイナ
「私も頑張ったんだから褒めなさいよ!」
皿を並べたミーナが主張する
「いや…うん。頑張ったな」
とりあえず褒めておけばいいとアキラは知っている
「そうでしょ!やれば出来るのよ!」
「何か帰ってきた実感が今更湧いてきた」
「?良かったじゃないの!」
「ふふっ」
感情を出すのが苦手なアキラと常にうるさいミーナと臨機応変なレイナ。3人が久しぶりに揃った。
このままの幸せが当たり前だと思っていた。
2ヶ月後
「どうなったのよ?」
ミーナがアキラに聞いてくる
「負けたらしい」
アキラはローランドから聞いた事を端的に話す
「どうなるのよ?」
「まだわからないらしい」
「そう…」
「ここまで進軍する事はあるのでしょうか?」
アキラはローランドから聞いたことを頭の中で精査する
「ローランドは言及しなかったが…」
長い前置きの後
「これは共和国の方から一方的に仕掛けた戦争だ」
「そうね」
「じゃあ、目的は?」
「お金とか土地とかじゃない?」
「それって侵略を受けた側なのに負けたから許してもらう為に差し出すって事だよな?」
「…」
「認められる筈はないよな?
何か理由があって攻めてきた事は確かだけどこっちの国民感情とか貴族達が納得出来る理由じゃないから戦争って手段なんだと思う」
「…」
「質問の答えに戻るけど
それをふまえたらどこまで戦えば国や貴族が負けを認めるかって事だと思う」
「…」
「ネオアトランタが勝てば終わるかもしれない。そうでないなら敵はここが本命だと思っている」
「それって…」
「国がなくなる…」
「ああ。王侯貴族の命が向こうの狙いだと思っている」
しばし沈黙の時が流れる
「アキラ…助けないの?」
ミーナは言いづらそうにアキラに問う
「ミーナちゃん…ダメよ…」
「俺は…国の為には戦えない…済まない」
「そうよね…アキラは冒険者なんだもの。仕方ないわ!」
「いや、そうじゃない。俺は過去に人族じゃないが鱗族の女性達をこの手にかけた事がある。
でもそれはどうしてもそうしないといけない理由があったんだ」
「そんな事が…」
「…」
ミーナは声すら出ない
「幻滅しただろ?
でもそれについては後悔はない。
その時は他に守らなければならないものがあったからな。
でも、戦争は嫌なんだ…どちらが勝ってもどちらが負けても苦しむのは自分達で決めた、覚悟をしている王侯貴族ではなく俺たちと同じ平民だ。
中には例外もいるが、向こうの兵士だって上からの命令で逆らえず戦争をしている人だ」
二人は黙っている
「俺は弱いんだ…多分人が敵対してきても殺せない程度には…」
沈黙は破られる
「弱いんじゃないわ!アキラは人の痛みがわかるから…だから弱さじゃないわ!それは優しさよ!
私が好きなアキラは世界一優しいのよ!!」
「そうです!それにアキラさんは自分の為には戦えなくても私たち家族の為には戦えます!
それは弱さじゃないですよ!
私も大好きです!」
レイナはシリアスな場面でも主張はやめない
「ありがとう二人とも…
鱗族の女性の事だけど…」
アキラは今話してしまおうとあの時の出来事を語った
「それは…ぐすっ」
レイナは涙で言葉が詰まる
「やっぱりアキラは損ばかりじゃない…」
泣いている二人をいつまでも抱きしめるのであった
アキラは離さない




