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「とんでもない事になったな…」
森にいるアキラは当然戦争を経験したことがない。だがその凄惨さは前世のニュースや学生の頃の授業で知識として知っている。
「とにかくレイナやミーナと合流しよう。誰からの手紙かわからないけど合流すればわかることもあるしな。
後純粋に寂しいし…」
アキラは森を出る
拠点を立って翌日の昼過ぎ
「ようやく森を抜けたな…
ここはどこだ?」
アキラはまた迷ってしまった。
「おかしいな…森の旅人の項目になってからは森では迷わなかったのに…」
森じゃないから迷っている
「とりあえず街道を探すか」
アキラは道無き道を行く
「あった…暗くなる前に見つかったけど…今日はここで野宿かな?」
辺りは暗闇に支配されつつある
「とりあえず明日だな…」
翌朝
「さて…どちらに行くかな…」
もはや運ゲーである
「右だな…わからんから間違っていたら引き返せばいいし」
暫く進むと
「人だ…聞いてみるか」
前方に荷車を押す3人組の男達がいた
「すまない。王都に行きたいのだがどちらだろうか?」
一人の男が振り返り
「あん?王都?王都ならこの先をずっと行ったところにあるらしいが遠過ぎていった事ないからわからんなぁ」
「ありがとう。これは少ないが取っておいてくれ」
アキラは巾着袋から硬貨を取り出して男に渡した
「おお!あんた御大臣様だな!またなんかあったら聞いてくれ!」
男は気前のいいアキラをわかりやすくヨイショした
「ははは。じゃあな」
苦笑いのアキラはその場を去った
「街があるな…今日はあそこに泊まるか」
アキラの視線の先にはそこそこの街があった
「身分証を見せてくれ」
アキラは冒険者ギルドカードを見せる
「金!?あんた凄腕なんだな!」
カードを見た門番に心良く入門を許可された
街の中
「ギルドを探すか宿を探すか…宿だな」
門近くの宿
「いらっしゃいませ!お一人様ですか?」
「ああ。一泊お願いしたいが空いてるか?」
「はい!夕食付きで50ルークになります」
「じゃあこれで」
「ありがとうございます。部屋は2階になります。どうぞこちらへ」
案内に従い部屋へと通される
「夕食の準備ができたらまた声を掛けますね」
看板娘なのか笑顔が似合う18歳くらいの女性に言われた
「ああ。頼む」
翌朝
「ここから王都はどれくらいある?」
「そうですね…」
考え込む看板娘
「馬車で4日程だと思います」
「わかった。ありがとう」
「またのお越しを」
お辞儀に手をあげて応えたアキラは道を行く
「走れば2日くらいかな?」
そう街道で独り言ちたアキラはステータスに任せて走り出す
「あれは…馬車が襲われている?」
暫く走ったアキラは人気のない山間の道で馬車とそれを囲む野盗たちを見つけた
「まあ、助かるよな」
誰に言うでもないセリフを口にして馬車へと駆ける
「おらぁ!出てこい!」
「馭者は死んだぞ!早く出ないと火をつけるぞ」
野盗たちは馬車から人が出てくるように脅している
「ぐぇっ!?」
「あへっ!?」
「ブハッ!?」
その他諸々「「「ガハッ」」」
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「もう、野盗は始末したから出てきて大丈夫だ。
縛るのを手伝ってくれ」
そう声を掛けると
「本当ですか?」
と1人の男性が応えた
「本当だ。見てみろ」
すると扉が開き40歳前後の男性が馬車から現れた
「ホントだ…お前達も出てきて手伝いなさい」
男性が馬車の中に声を掛けると2人の女性が降りてきた
「本当ですね…」
「すごーい!死んでるの?」
「死んでたら縛る必要がないでしょ?」
と、少しズレた感想が出てきた
「すみません。妻と娘です」
「そうか。女性は危険だから馬車に乗っていてくれ」
アキラが声を掛けると二人は渋々、馬車に戻る
「すみません。ロープはこちらを使ってください」
男性に渡されたロープで手分けして野盗を縛っていく
「そうか。王都の商人だったのか」
「はい。妻の両親に娘を合わせたくて…その帰りに野盗に…」
「馭者は残念だったな」
「はい…。よく働く従業員だったのに…
しかし、アキラさんに手厚く葬って頂けたのが手向けになったと思います」
「それならいいが…
それでこの後は大丈夫か?」
「はい!私も馬車を操れますのでこのまま王都に帰ります!」
「盗賊はどうする?」
「近くに町があるのでそこまで一緒に連れて行っては貰えませんか?」
アキラは少し考えたが
「いいぞ。少し急いでいるから叩き起こそう」
「はい!ありがとうございます!ロープの端を馬車に結んでおきます!」
「ああ。頼んだ」
野盗を起こした後
「俺が後ろから見張りながらついていくから」
「はい!よろしくお願いします!」
馬車が動き出した
「お前たち。立ち止まると引き摺られて死ぬからちゃんと歩けよ。死んだら知らんし他の奴も死ぬからみんなでみんなを見張っていろよ」
野盗たちは顔を青ざめて激しく頷き歩き出す
アキラはまた寄り道している




