第一部 最終章 最終話
大会当日
「本当に王子がいう様にアキラさんが負ける事があり得るのでしょうか?」
「あの馬鹿王子にアキラの強さがわかるわけないじゃない!」
「そうだといいのだけど…」
大会場にて
「迷いそうだな…」
アキラのバッドステータスが効力を発揮する
「あれ?アキラじゃないか?」
「うん?あぁ、近衛騎士の人か」
「この辺りは出場者は来る意味がないけど…」
「迷子です…」
アキラの精神値は瀕死になった
「君がそうか」
威厳のある声が聞こえた
声の方を向くと30代くらいの筋骨隆々の男がいた
「?」
「ああ、申し遅れた。
畏れ多くも皇帝陛下から承った二つ名
レイジェルド帝国の拳帝と言われている
フェルディナンドと言うものだ」
「アキラだ。よろしく」
そう言って踵を返した
「皆のものよく集まった。
この大会は建国の王が始めたもので今まで続いている由緒ある大会だ。
その大会に恥じない様、精一杯闘うことを願う。
優勝者には賞金と名誉を私が授けよう。
皆の健闘を祈る」
観客席から万雷の拍手が送られる
「これより一回戦を開始します」
実況だか、審判だかが進める
「俺は何番目だ?」
アキラは出場者のボードを見ていると
「一回戦はこの国最強の冒険者、アキラ・トードー選手対ダムトレイル・ガーディム選手です!」
「!一回戦初戦かよ!!」
出場者控え室から急いで闘技場へ向かう
「ふう。間に合った…」
「貴様がアキラか…」
「ああ。始めよう」
「最強だなんだといわれているが…
「あいつ何ていってたっけ?」
秒殺で初戦を終えたアキラは控え室で観戦していた
『本日の2試合目第一試合を行います。
出場選手、アキラ…』
「おっ!俺の出番か」
その後も勝負にならずアキラは順当に本日の試合を終えた
「「お疲れ様」でした」
「ありがとう」
二人から労われたアキラは朝あった男について聞いた
「そんなに強かったのか?」
「見てなかったの?」
「いや、見ようと思ったんだけど他の試合が退屈で…」
「寝てたのね…」
アキラは反省していない
どうせ明日見えるしと
夜
「今日も美味かったぁ!」
「ふふっ。ありがとうございますね」
「大会もアキラは明日の3試合で終わりね」
「そうだな3位決定戦を合わせても大会の残りの試合数は8試合だな」
「また明日も頑張って応援しますので優勝して下さいね」
「出来たらな」
「武器も魔法も禁止でもアキラと
あの男はぶっちぎりの強さね」
「元々あいつは武器を持たないスタイルらしいぞ」
「あら?負けた時の言い訳かしら?」
「俺は剣聖だが向こうは拳帝らしいからな。
案外勝負にならずに負けるかもな」
「不甲斐ない負け方したら
これからは3人で寝ることにしようかしら?」
安眠の為に気合いを入れるアキラだった
翌朝試合会場にて
「控え室も人が少なくて良いな」
「あんたがアキラか?」
ムキムキの男が話しかけてきた
「ああ、そうだがなんか用か?」
剣呑な空気が流れる
「サインをくれ」
「は?」
「だからサインをくれ」
「あんたに?」
「娘がアンタのファンで必ず貰ってこいと…」
「…わかった」
カキカキ
「助かった!頑張れよ!」
そう言って男はサインを仕舞うと自分の席へと戻っていった
「まだ優勝してもいないのに…」
腑に落ちないアキラだがこの大会は純粋な殴り合いということで
ムキムキの男ばかりのところアキラは細マッチョ体型でさらに若く顔も悪くないので
女性人気が高いのだ
いつの時代もやりすぎマッチョは女性から敬遠される事が多いのだ
『本日の第一試合を始めます。
最初の選手はアキラ…」
「よし!行くか!」
自身の安眠の為、やる気は十分だ
決勝戦前控え室
「先程のあいつの動きは凄かったな…
ステータス任せの俺とは違い洗練されていた」
この後すぐの決勝戦へ向けて対策を考えていたが
どうも向こうが強そうだと結論付けてしまったアキラ
『これより最終試合、武闘会決勝戦を行います…』
「泣いても笑っても最後だ!
全力でやるしかないな!」
スキルも魔法も魔剣も使えないが
漸く全力を出せる事に少しワクワクしていた
「再び会えたな」
「あんた強いな。お手柔らかに頼むよ」
「アキラの戦闘スタイルは聞いている。今回は俺に有利な条件だが
国の威信を背負っているのでな。
手加減は出来ん」
「もとよりそんな事頼むつもりはない」
「ならいい」
『両者よろしいでしょうか?
では、始め!!』
結論から言おう善戦はしたがアキラは負けた
アキラは速さで上回っていたがその他の項目で軒並み負けていた
だがアキラは楽しかった
命の奪い合い以外で身体が動かせる事
それも自分より技術が上の相手
ずっと闘っていたかったくらいだろう
魔法もスキルも使えないが自分がこれまでこの世界で積み上げてきたもの
そのすべてを出し切って
負けた
そう。アキラはこの世界で初めて敗北した
「命の掛かっていない場面でよかったぁ」
「衆人の前だけどね」
「あの時は凄い悲鳴でしたね…
あんなに女性ファンが…気をつけなくては…」
こんなアキラの事を本当に好きなのかわからない発言をしてくれる仲間もいる
この世界で鱗族の女性たちからコミュニケーションの在り方を教わった
初めての村では生活していく為の手段を教わった
次の街では掛け替えない家族を手に入れた
王都ではそれら全てを成長させてくれた
アキラはあのボス戦で気付いていた
自分が前世で死んでいる事を
あの光はそういうモノだった
死を連れてくる光だった
この世界には転移ではなく転生したんだ
「さようなら前世。これからはこの世界で生きていくよ」
アキラの初めての異世界転生から一年が経っていた
さようならぜんせ。
第一部最終話までお付き合いくださいましてありがとうございます。
ここまで続けれたのは見てくださいました
読み手の方達のお陰です。
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全てに助けられました
ただ物語は終わりません
宜しければこの後のまとめ
その後の二部も楽しんで頂けたら幸いです
拙い文章は中々変わりませんが
今後ともよろしくお願いします




