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「お待たせしました」
「ありがとう」
アキラは銀のカードを受け取った
「あなたは…」
後ろから声が聞こえてそっちに振り向く
「誰だ?」
「ミーナちゃんの元臨時パーティメンバーです」
「ああ、あの時の!
何かようか?」
「たまたまここで見かけただけですが、
ミーナちゃんは元気ですか?」
「ああ、昨日までダンジョンに潜ってて、今日は休みで買い物に出掛けている」
「そうですか…」
何か言いたそうだが自分には関係ないし
二人との待ち合わせに遅れるわけにはいかないアキラは挨拶をして踵を返す
「じゃあな」
待ち合わせの食事処
「監視されている?」
いきなりそんな事を言われたアキラは周囲に強めに気配察知を使用した
「そうなのよ。何か視線を感じると言うか…見られている気がして…」
「私は何も感じませんでしたが、
お洋服屋さんを出てから王都を散歩している時かららしいのです」
「そうか。とりあえず今はこちらを伺っている者はいないようだが、まだ感じるか?」
「ううん。この店に入ってからは感じないわね」
「そうか。用心に越した事はないからみんな気をつけてくれ」
「多分レイナじゃなく私の方を見ていたと思うわ」
「そうか…犯人は少女趣味と…」
「殺すわよ?」
「ごめんなさい…」
素直に謝るアキラとそれを見て笑うレイナを見て
安心した顔をするミーナ
食事を満喫した御一行はその後王都を散策した
もとろん気配察知は使用していたが気配は感じられなかった
家にて
「今日は楽しかったですね!」
「えぇ!いっぱい服も買えたわ!」
「…」
昼までに服屋を回ってもらって後は散歩くらいだ
と策士のようなことを考えて予定を組んでいたアキラだが
女性の買い物好きは異世界でも共通であった
「なによ!だらしないわね!」
「アキラさん大丈夫ですか?」
「大丈夫だ。疲れていたのもそうだけが少し考え事をな…」
「何かあったんですか?」
「何も無いが俺とみんなの違いについて考えてたんだ」
「何よそれ?」
「これはレイナの筋トレが失敗した場合の話しだが
みんなは12歳でステータスが固定されるだろ?
俺がレベルアップの恩恵が多いのはステータスが固定されたのがこの世界に来た時だとしたら?
と考えていたら辻褄が合うんだ」
「アキラがこの世界に来たのは最近なのよね?」
「そうだ。まだ一年もたっていない。
元の世界では12歳と18歳では力に差がかなりある。
特に筋力では差が顕著だ。足の速さもかなり違う。
魔力に関しては元の世界に魔法がなかったのでわからないままだが
魔法の要素の一つの想像力はこの世界の追随を許さないくらいには豊かだ」
「アキラのステータスは18歳…
仮にこの世界の12歳がアキラの元の世界の12歳より力があってもアキラの元の世界の18歳には遠く及ばないって事?」
「そうだ。もちろん12歳でも凄いやつは18歳に勝てるかもしれないが
少し運動が出来れば12歳に戦いでは負けない。
基本はそんな感じだ」
「確かに辻褄は合いそうね」
「そうですね。18歳でステータスが固定された事がアキラさんの強さの秘密であれば納得出来ます」
「まぁ、俺は運動、力は普通か良くても少しいい程度だったから
この世界の12歳で強かった奴には勝てるか怪しいが…まぁ、これが今の予想だな」
「もう確定でいいんじゃない?
調べようがないし、強さのルーツには意味がないわ。
自分がどうあるべきかの方が大切よ」
物事の本質を年下に突かれた
こう言う事を考えるのが好きな年上の二人は口を噤んだ
寝る前
「明日からはまたダンジョンに潜る。
多分前回よりは長く、少なくとも5日くらいは潜る事になる。
レイナにはまた留守を頼むな」
「はい!お任せください!筋トレも続けますよ!」
「あの視線も気になるからレイナさんは外出時は特に気をつけてよね!」
「うん!ありがとうミーナちゃん!」
「そろそろ休もう。
おやすみ」
「おやすみ(なさい)」
女性陣がうるさくなる前に就寝を促すアキラだった
さようならおれのきゅうじつ。休みは休めよ




