6
「ふぁあ」
洞窟に朝が来た
『ガバッ』
(っ!あっぶねぇ!
異世界じゃん!忘れてたわ!)
眠気と喉の渇きを潤すために滝の近くで水を飲み顔を洗った
(あぁ、さっぱりしたぁ)
『ぐぅー』
(さっぱりしたら腹減ってたの思い出したな
一先ず洞窟に戻ってステータス確認と決意を固めるとするか)
洞窟とは名ばかりの穴にて
(名前はこの世界では苗字が後なんだな
能力値やスキルの伸びはこれからの節目で確認するしかないな
後は……)
深呼吸の後
(若返ってるぅぅう!!
よかったぁぁあ!!
おかしいと思ったもん!森を歩いてもあんまり疲れないし
痩せてたし……ゲームみたいな異世界にこれて感謝してたけど
最大の贈り物です………)
どうやらこの情緒不安定さは実年齢【元の世界】が若い肉体に引っ張られている事が多少なり影響しているようだ…たぶん
(元の世界に未練はないけど悔いはある)
真面目な顔つきになると
(この世界では
自分の事では自分の意見を主張・尊重して周りの顔色を伺わない
ヒーローになるつもりもダークにもなるつもりもない
自分が必要だと思わない限りな
他人は関係ない、わざわざ迷惑になる事をするつもりはないがやりたいようにやるのみ
この世界が仮に前の世界より高度な文明・文化であろうと前の世界のヨーロッパ中世の価値観であろうとなんであろうと
俺は俺のやりたいようにやり、したいようにする
そしてなりたい自分になる
その代償がなんであれな)
決意を新たにし息を吸い込んだ
そして…
「自由だぁぁぁああああ!!!」
魂の叫びを上げた
この時ばかりはゴブリンなどは関係ないと魂を震えさせた
決意表明をした後、今後の、いや、今したい事を練る
(とりあえずRPGゲームのようにゴブリン、モンスターや生き物を殺せばLevelが上がるか試したい
色々検証したい)
『うずうず』
そんな擬音が聞こえてきそうなほど興奮している
善は急げと武器になりそうなもの武器に加工出来そうなものを探しに洞窟を飛び出した
(あれは…)
よくみれば竹のような木が生えている
(これを斜めに切断できれば竹槍が作れるな)
(河原で尖ってる石を持ってきたからこいつでなんとかしてみるか)
意外にも飛び出した割に冷静だった
決意表明をしたことにより覚悟が決まった事が良いように作用してるようだ
20分後・・・
(良し、もうちょい)
『カッカッカッカッパキッ』
(よーし!尖った石を鑿作戦成功!!)
その手には文明人が持つには頼りない
しかし、今のアキラには何よりも心強い相棒となる
「武器があればゴブリン程度…」
アキラは竹槍を装備した
(『ステータス・オープン』)
・
・
(ちっ、竹槍を持ってもステータスに変動はなし
か…
特殊武器のみステータスが上がったりするのか
どうなのか…)
「ふぅ」
(楽しみは取っておくか)ニチャア
本人はニヤリのつもりです。決して変質者ではありません。そもそも取っておくもなにもわからないですから。
少し厨二が発動したアキラはゴブリンを探しに歩み始めた
30分後・・・
(いた!)
森の中から沢の方角へアキラの左前方を横切る形でゴブリンが歩いている
3匹…
はじめてのけついは自由の香りがした