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間話 レイナの独り言






ここはザイードの街の冒険者ギルドの受付内


まだ勤めて1年の頃のレイナである



「はぁ」


「またため息ついて、レイナは冒険者をあしらうのがまだまだね」


そう言ったのはレイナの2年先輩


「強引な人が苦手なんです。断っても断っても何度もしつこいので…」


「男なんてそんなもんよ。都度断ることね」







夕方

「レイナちゃん今日こそはご飯を食べに行こーぜ」


今日も今日とて冒険者に誘われる


「いや、こんな奴じゃなく俺とこの前出来たお洒落な酒場に行こうぜ」


「あん?横槍かお前!」


「お前の方こそレイナは俺が目をつけていたんだぞ」


冒険者達が言い争う


「すみません。お誘いは嬉しいのですが、家が厳しいのでお断りします」


「またかよー」


「良いじゃん行こうぜ」


「申し訳ないですが…」







「ちっ!少し美人だからってお高くとまりやがって」


「おい」


「なんだよ?」

「いいな!そうしようぜ」







帰宅途中


(今日もしつこかったわ…

勤めた当初は怖かったけど…今は面倒という気持ちの方が強いわ)


今日は少し帰るのが遅くなったのと日が短い季節とが重なってすっかり暗くなってしまった帰り道


静かな住宅街との境目で


「動くな!騒いだら刺すぞ」


その声と共に口を押さえられ目の前にはナイフが


「ひっ!」


レイナは口を押さえられてくぐもった声をあげる


「いうこと聞いたら命までは取らないからこっちについてこい。騒いだらわかってるな?」


こくりと頷くレイナ





他の建物から離れた小屋の中


「あのあなた達は…」


「こいつ俺らの顔も覚えてないようだぞ!」


「ふざけやがって!」


バチンッ!


「きゃっ」


頬を叩かれた


「おい!調子に乗ってるレイナちゃんにはお仕置きが必要みたいだな?」


二人の男達は服を脱ぎながらレイナに近寄る


「やめて…」


蚊の鳴くような声で囁くのが今のレイナには精一杯だった





殴られ服を破られ、裸にさせられたレイナには逃げ場がなかった


「そこまでだ」


「「!!?!!?」」


そこに居たのは冒険者ギルドのギルド長と奥さんの事務長であった


「今日は久しぶりに早く帰れると喜んだのにな」


「でも、レイナちゃんに最悪が訪れる事が無くて良かったわ」


そう言うと男達を尻目にレイナに自分の上着をかける事務長


「対抗しても良いぞ?死にたいならな」


ギルド長は裸の男達に鞘に入ったままの剣を向ける


「くそがぁあ」「やっちまえ」








衛兵の詰所にて

「報告のあった通りの場所で男達を拘束してきた」


と、一人の壮年の衛兵がいった


「そうか、早い仕事で助かったぞ」


ギルド長が応える


「なにがあった?」


壮年の衛兵にギルド長が説明する


「なるほどな。後はこちらで処理する」


「助かった。では、失礼する」


ギルド長は帰路についた




ギルド長の家

「そっちはどうだった?」


「レイナちゃんの傷は大した事はなかったんだけど…3日ほど休暇を与えたわ」


「そうか。よそ様のお嬢さんを預かっている身としては申し訳ないばかりだ」


「あなたが悪いわけじゃないわ。アイツらと…

申し訳ないけどレイナちゃんね…」


「それは些か厳しすぎでは…」


「あのね!受付嬢は冒険者の荒くれどもを相手にする職業よ!あの子にはきっちり冒険者の扱いを教えてきたけどあの子の態度は変わらなかったわ。

あれでは冒険者の若手には舐められるわ。そうなるとこのような事件が起こる…だから受付嬢には高給と厳しい見習い期間と冒険者対応のマニュアルがあるのよ」


「そ、そうか…」


それは知っているが妻の圧力に負けて返事が吃るギルド長であった








3日後ギルドにて


「レイナちゃんもう大丈夫?」


唯一休んでいた理由を知っている事務長が声を掛けた


「はい。あれは私が蒔いた種でもあるので。お休みをいただきありがとうございました。またご迷惑をかけ申し訳ありません」


「えぇ…」


そこには氷の仮面をつけたレイナの姿が


これより後は冒険者に舐められる事はなく

むしろ

「私をお誘いする時間があるならあそこの新人冒険者の人にゴブリン狩りの基礎を教えてあげて下さい。その方が私はもちろんの事ギルドの評価も上がりますよ」


と氷の表情で言う事と的確なアドバイスもする事もあり冒険者はレイナに圧倒されていく

レイナに世話になった冒険者の数は増えていくと共にレイナに畏怖を感じる人も増えていく…






そんなレイナだが


「なんて呼べば良い?」


(久しぶりね…しかもこんな聞かれ方…)


「レイナです…」


「レイナさんか、知ってると思うがアキラだ、

これからよろしく頼む」


(さん!?冒険者に初めてさん付けされたわ…それに怒った時以外で初めて頭を下げられた…)


「さんはいらないですよ。こちらこそよろしくお願いします」


知らない間に微笑んでいたレイナ






それからレイナは強引でもなく軟派でもない初めてのタイプのこの男に惹かれていくのであった

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