3
(あれは…洞窟かな?)
滝に辿り着いた?俺は視界の端に崖に穴が空いている部分が映った
(ゴブリン(仮)がいたんだ…まさかダンジョンの入り口って事もあるかも・・
じっとしてても何も解決しないしとりあえず向かってみるか)
穴の前に辿り着いた俺は恐る恐る覗き込んでみる
(…!)
・
・
・
・
(…何も無い…)
そこは夕日?が差し込んで奥まで照らされた洞窟…
というのは烏滸がましい奥行き5メートル程の穴だ
った
(ダンジョンでは無かったが何もいないし入口は高さが1メートルほどしか無いから大型の動物も入れそうに無いし
何より入り口の前に腰丈の草が生えてるから見つけ辛い
とりあえずの拠点にはもってこいだな)
一先ず息を整えた俺はお腹が空いてない事もあって考えをまとめる事にした
(飲み水はある、食べ物はいる、安全性が高そうな場所も見つけた、
そろそろ覚悟を決めないとな…)
俺は一つ深呼吸をすると
(異世界か……
ラノベは見ないから詳しくないけど…
最低でもゴブリンがいる世界に来てしまったのは間違いない
母は小学生の頃に、父は社会人一年目に亡くした
元々親戚付き合いなどなかったし
会社でも当たり障りない付き合いしかしていない
しもちろん彼女はいない…
一先ず帰らなくても心配する人はいないな
考えて悲しくなってきた…
会社には迷惑をかけるけど不可抗力だし
つ・ま・り!
元の場所に帰れなくても大丈夫じゃね?)
考えが纏まる?と人はお腹が空きます
(腹減ったな…魚食うか
…あれ?
魚ってどうやって獲るの?)
考えても良い案が思い浮かばないのでとりあえず水辺に行ってみる事にしたが
「ぜっんぜん捕まえられねぇ!!
あっ!?」
また独り言…
(ヤバい…緊張感が続かない…
みんな捕まえられるの???
どうやってやるの???
釣りはした事あるけど…釣り堀で道具も全部人任せだったし…)
結局この日食べ物にはありつけなかった…
(暗くなってきたし洞窟に戻ろ…)
・
・
・
「あぁ灯がない…」
情けなさもあり独り言ちる
(このままだと明日の朝まで暗いまま…
この世界の夜も明けるよね!?
お願いします神様…)
はじめてのどうくつは失敗の連続であった