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「準備万端!!っていっても剣くらいしか持ち物ないけど…」


よく晴れた早朝にそんな腑抜けた声が響いた


『ギャーギャーギャー』


「この声を聞くのも今日が最後かもな」


少し感傷的になっているアキラ

最初はこの声にビビっていたのに…





「ひとまずここから南の方に向かえば森を抜けられる筈だ」


ひとつ意気込んで


「2日くらいの距離だといいなぁ…

それ以上だと諦めそう…」


また情緒不安定がやってきた


「よし!それじゃあ行くか!」


気合いを新たに旅立った








森の中

「雑魚がぁぁ!!」


そこにはオークに再び無双するアキラの姿があった


「いくらでもいるなゴ◯ブリとオーク」


何かの標語みたくぼやく


「今日はこの辺にして水源の近くで休むか」


夜が更けていく





そして…

「今日こそは第一村人を発見するぞ!」


意気揚々と森を駆けていく


「あれ?ここ1時間オークを見ていないぞ

もしかして人里が近いか?」


森の木々の間隔が開けていっている

「竹の水筒にまだ水はあるからこの辺の木の上で今日は寝るか


それで明日早めに行動しよう」


森の端に差し掛かったところで今日人里に出る目標は脆くも崩れ去り次の日に持ち越した



翌朝

「この2日、碌なもの食べてないから村に着いたらオークの魔石を換金して美味いもの食べるぞぉ!」


気合い十分に森を行く




暫く後

「ん?あれは…」


森の中で切り株を見つけた


「これは確実に人工的なもの

人里が近くにあるってことだな…」


すぐに森が終わった

「あれは人の村か?」


目の前にはゴブリンの拠点のように丸太の柵があり堀が掘ってある囲いがあった


「とりあえず入り口を探して中に入ってみるか」

ドキドキ


反対に回ると道があり入り口に人がいる


「ヤバいヤバいヤバい

むっちゃドキドキして来た…

何て話そう…

初めまして村のな『おい!村に用か?』ひっ」


緊張のあまり逃げ出したくなったが何とか堪えて

近づきながら深呼吸の後、返事をした


ふぅーー


「初めまして、オークを狩って来たから魔石を換金したいんだけどここで出来るか?」


精一杯考えた挨拶が出来た


「なにっ!?本当か!?すぐ来てくれ」


「えっ?何かヤバいこと言ったのか?

まぁ簡単に入れそうだから良かったけど」


「何ぶつぶつ言ってんだ?こっちに来てくれ」


(ヤバっ!独り言出ちゃった)


「わかった、着いていく」


着いていくこと数分


「ここは?」


「ここはこの村の村長の家だ」


「え?なんで…?換金してくれるのは村長さん?」


「まぁ村長でも換金出来るがオークを狩ったんだ

ろ?話しを聞きたいだろうから聞かせてやってくれ」


(なんだ?まぁ換金出来るならいいか!)


「わかった」




そこには威厳はないが人の良さそうな老人がいた


「旅の方、オークを狩ったと言う話だが魔石を見せてくれんか?」


「ああこれだ」


腰に下げた鱗族の女性に作って貰った袋から魔石を取り出す


「こ、こんなに?」


村長の顔が青くなる


「まずいか?今、手持ちがなくて換金出来る分だけで構わないから換金して欲しいのだけど」


「いや、そうでは…これは何処で?」


村長の顔が白くなる


(事実は言えないけど嘘もバレたらヤバいし…半々で行くか…)


「この村の裏に森があるだろ?その森の中だ」


「なんと…

オークがそんなにもこの村の近くに居たとは…」


(あれ?ますますやばい?何とかしなきゃ!!)


「この村の近くにいたオークは根こそぎ倒したから大丈夫だ」


「え?」


「心配なら2日ほどこの付近を見回ろう」


「え?」


「ただ文無しで宿代もないから村の中で野宿でもさせて貰えたら助かる…魔石を換金してくれたら宿を取りたいが…」




村長の血色が良くなってきた

「!いやいや、儂の家の客間を使ってくだされ

飯も朝晩用意する」


村長

(こやつは田舎の出か?可哀想だがこの村は豊かではあるが裕福ではないからな上手く使わんとな)


「客人の部屋を用意しなさい」


村長が扉の向こうに声をかけた


「はぁい、わかりましたよ」


老婆の声が返ってきた


(村長の奥さんかな?)


「お客人、名乗りが遅れた無礼を許して欲しい、

私の名は『ウィルキン・メッツ』。ウィルとでも呼んでくだされ。妻はマーガレットだ」


「俺は『アキラ・トードー』だ。好きに呼んでくれ」


そう名乗り合い2人は握手した



「話しは戻るが、今日から村の周りを回ってはくれぬか?オークの魔石はあるだけ買い取ろう」


「宿を提供してもらえるんだ。かまわない。

それに魔石を、買い取ってもらえるなら助かる」


「オークの魔石の値段はみな9等級のようだから

一つ10ルークで買い取ろう」


(9等級?よくわからんがまぁいいか)


「よろしく頼む」


「では、金を用意するでな。暫し待ってくだされ」






村長

(魔石の値段は通常通りだが…

普通は討伐費用も諸経費もギルドの手数料もかかるから負担が少なくて助かるわい

それに魔石は納税の時に金のかわりに役人にそのまま渡すから実質、飯代だけで賄えた…)


村長夫人

「あなた良かったわね」小声

「助かったわい」小声





こうして俺つぇぇえみたいなノリになりそうな所を搾取される側にまわり回避したアキラだった







はじめてのむらびと(・・・・・・・・・)に無意識に威嚇されたオークキラー

沢山のいいねもありがとうございます。


今日で第一章完結です。


明日から二章です。

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