18
朝日が照らすのは新たに焼け落ちた小屋であった
その前に佇むアキラ
(昨晩命を絶った後、どう埋葬するのか聞いたら
お別れの後みんなですると言われたので小屋でやすんでたんだけど…豪快だな…不謹慎だから言えないけど)
『ギャーギャーギャー』
(ゴブリンは昨日の昼から崖に運んだからってのもあるけど閑散としてるな…)
その時、肩を叩かれた
「あぁ、おはよう」
頭を下げて挨拶とする女性
そしてしゃがんで文字を書く
『これから朝食の準備をするので出来たらお呼びします』
「もう体調は大丈夫だから俺も手伝うよ
手伝うといっても魚取りくらいしか出来んが…」
『では、私と共に行きましょう』
「ああ」
近くの川にて
「え?なにそれ?」
目の前の川の中にいる魚が水の塊に包まれてこちらに引き寄せられて行く
『水魔法ですが…まさか見るのは初めてですか?』
「あぁ…というか魔法は見たことない…」
女性は訝しげな顔をする
「いや、俺は特殊な生い立ちで、人と関わらなく育ったんだ」
苦し紛れについた嘘だが前世の環境そのままだったりもする
『そうでしたか。私たちの種族は水魔法に適性が高いものが多く、殆どのものがこの程度の事は出来ます』
(異世界パネェっす。ゴブリン無双して調子に乗り掛けてたけど折れたっす。)
「手伝うって言って何だけど荷物だけは持たせてね」
情緒不安定がやってきた
食後のテーブルにて
『アキラさんには大変お世話になりました』
皆がまた頭を下げる
『ここでは感謝しようがないのでここを出る時には是非とも私たちと一緒に集落までお越しください』
(その言葉待ってました!)
「いや、礼には及ばない。ただ皆がここから出るまで空いた時間で構わないから魔法と文字を教えてくれないか?」
『そのような事であれば是非教えさせてください』
こうして授業が始まった
「この言葉のスペルはなんだっけ?」
「魔法は魔力が使えないとダメなのかぁ」
独り言ではない!決して独り言ではないのだ!
返事は地面に返ってくるが…
地面と会話してる…前世より酷くなってないか?
『では、魔力操作の儀式をしましょう』
そう書いて手のひらをこちらに向けて来た
『手を繋いで下さい。魔力を操作できない者には先達が身を持って伝えるのが一番早いですから』
生まれて初めて女性の手を握った
別の女性が地面に
『痛くはないので緊張しなくて大丈夫ですよ』
(まさか手を繋いでドキドキしてるとは思わないよな)
手のひらから暖かい何かが流れ込んでくる
そして反対の手のひらから暖かい何が出て行く
それを何度も繰り返していた
はじめてのてつなぎは魔力以外の温もりが大きかった




