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23.邂逅果たす時(中)



帰魂祭が終われば、季節は夏から秋へと移り変わる。

日中の蒸し暑さが薄れ、朝晩の風に肌寒さを感じ始めた。いつの間にか蝉の鳴き声は聞こえなくなり、秋の虫の響きが目立つようになった。



帰魂祭の御社参りに行ってからというもの、宮城さんは時間を見つけてはわたしを呼び出した。

奥園や、奥園を蝕む病巣について尋問されるが、わたしに話せることなどあるはずもなく。



「——……っ、お答えする義務はありません」


「あるだろう。お前も日の元の民だ」



毎回、口答えしては鼻で笑われた。



『こっちは勝手にやるから黙秘で耐えろ。やつが聞き耳を立てていると感じた時だけ、反抗的な態度を取ればいい』



宮城さんは余裕の態度を崩さない。

内心冷や汗をかきながら言われた通りにしているわたしとは対照的に、彼はこの状況を楽しんでいた。


明将さんと雪根さん。二人とわたしの関係性にも変化があった。

奥園の立場を貫き、有益な情報を何ひとつ落とさないわたしに彼らは苛立ち、日を追うごとに会話が減っていく。寂しいけれど、意図して作られた重い空気に逆らってはいけない。


甘えは油断に繋がる。

終わりは見えているのだ。それまでの辛抱だから、迂闊な真似は避けなければいけない。


何度もその時を頭の中で思い描く。わたしのすべき行動はわかっていた。

怖いなんて言ってられない。失敗して大切な人たちを失う方が、もっと怖い。




新学期前日の夜。

深くて濃い闇の気配に包まれながら、紙切れに言葉をしたためた。

それを小さく折りたたみ、制服のスカートの内袋に入れる。機会があれば、いつでもあの人に渡せるように。


勉強机の上に制服一式を用意して、深く息を吸い込み、覚悟を決めてゆっくりと吐き出した。







      *






長月の初日は早朝から雨が降っていた。

空が分厚い雲に覆われているのは、わたしにとってありがたい。部屋の明るさを徐々に強くして体を光に慣らしてきたとはいえ、燦々と降り注ぐ太陽の下に立つのは不安があった。


とうとうこの日が来てしまった。

今日から学校に行かなければならない。


一学期中は学校内も赤兎本部も……自分の家にさえわたしに居場所がなく、どこへ行っても孤独は同じだった。

だから学校自体を強く拒絶することもなかった。


それが今はどうだろう。

敵ばかりのあの場所へ行きたくない。恐怖と嫌悪が先走り、ずっと赤兎本部にいたいとわたしは望んでしまっている。


留美香と会うのが気まずい。

須藤雷也は顔も見たくない。


そんなわがままが通用するはずもないのはわかりきっていて、ひとり黙々と制服に着替えた。


いつまでもくよくよしてはいられない。

この事態の早期収束は、わたしにかかっている。


覚悟は、ある。

それでも緊張でシャツの釦をはめる手が震えた。




朝食はほとんど手がつけられなかった。

花歩さんが渡してくれたお昼のお弁当も、今日ばかりは食べられそうにない。


始業式後に行われる主要科目の学力考査も、このままいくと悲惨な結果になりそうだ。夏休みの課題より出題されるので勉強は済んでいるけれど、問題に集中できるかは別の話である。



「よし……」



自分を鼓舞しようとしたが、声が震えてしまい失敗に終わる。結局天井を仰いで大きなため息を吐き出し、部屋をあとにした。



階段を下りて一階へ。

赤兎班の人たちが慌ただしく動く間を通り、玄関へと急いだ。事情を把握している彼らはわたしに対して見向きもしない。

それが嬉しくて、ありがたかった。


廊下の角を曲がると、前方から歩いてくる宮城さんが見えた。近づいた際に投げかけられた視線に、小さく首を横に振って否と返す。


宮城さんの視線が意味するのは問いかけだ。


目配せ、目を泳がす、睨む、見つめる——。言葉を使用せずに大まかな意図を伝える手段として、目はとても役に立つ。

あんなに苦手だった人とも、連日探り合いをしているとこれぐらいの意思疎通はできるようになった。



「焦るなよ」


「……はい」



互いにしか聞き取れない声音で短く交わし、廊下をすれ違う。そのまま玄関へと直行した。



「すみません。お待たせしました」



玄関前で待機していた雪根さんと明将さんに駆け寄る。



「慌てなくていいよ。お俺たちも今来たところ」



にこやかな雪根さんを、明将さんがひと睨み。雪根さんは気にせずわたしにおはようと告げた。



「おはよう、ございます」



たじたじになって挨拶を返すと、うんと満足そうに頷かれた。この人は緊張感がまるでないというか、どんな状況でも自分を変えようとしない。


明将さんもわたしと同じく毒気を抜かれて脱力しかかる。気を取り直すように咳払いをして、明将さんは駐車場へと目を向けた。



「行くか」


「……はい。よろしくお願いします」



雪根さんの運転で、車は久しぶりの通い慣れた道を走る。学校が近づくにつれて膝の上に置いた鞄を抱く手に力がこもった。


現在、通学鞄の中には新品の携帯電話が入っている。もともとわたしが持っていた携帯電話は盗聴の危険から返してもらえず、その代わりにと渡されたものだ。

——渡されたというよりも、知らないうちに手紙と一緒に鞄の中に入れられていたというのが正解か。

なんとなく、これを準備したのは穂高さんだと予想できた。


本当、いつから鞄にあったのか。昨日登校の準備をするまで全く気づかなかった。


携帯電話は非常事態が起こった際の連絡用と、赤兎班からの合図をわたしに知らせる目的がある。

怪しまれないためにも、頻繁に鞄から出すことはできないし、人前で触ってはいけない。



「昼には雨が上がるらしい」



車窓越しに空を見上げ、明将さんはさらに続けた。



「体に不調を感じたらすぐに連絡を入れろ。これは奥園云々関係ないことだ」


「……はい。気をつけます」



緊張のためお決まり言葉しか出ないわたしに、明将さんが険しい表情で「本当にわかってんだろうな」と念を押す。



「これぐらい大丈夫だと強がる奴が一番危ないんだ。……篤志も結局、最後まで俺たちの忠告を聞き入れやがらなかったからな」



吐き捨てられた言葉には、後悔と憤りの念が強く感じられた。

車内の空気が重くなる。



「人じゃなくなる覚悟なんて、朔にはしてほしくないよ」



運転席の雪根さんが前方を見ながら呟いた。


わかりましたと、上辺だけの約束はできそうにない。頷いて返すのがわたしの精一杯だった。






校舎の裏側で車を降りた。ここからはわたしひとりの判断で動くことになる。

学校の敷地に沿って歩道を進み、正門から校庭に入った。

場合によってはわたしがこの学校へ登校するのも今日が最後になるかもしれない。


昇降口で靴を履き替え、階段を上る。在籍する教室に到着した。

自分の席に鞄を置いて再び廊下に出ようとした寸前で、振り返って机に戻った。

この教室にもわたしに害意を持つ生徒はいる。

財布や他の私物はともかく、目を話した隙に携帯電話を盗られるのだけは避けなければいけない。

見えるところに人がいないのを確認して、携帯電話をスカートの内袋に移動させた。


気を取り直して廊下へ移動し、隣の教室を覗く。何人か生徒はいた。しかし目的の人物の姿はない。

廊下に立って留美香が来るのをひたすら待った。


登校してくる生徒に注目されるのは承知のうえだ。目立つのを嫌がって機会を逃すわけにはいかない。なんとしてでも朝礼が始まる前に留美香と話をしないと。




やがて留美香は須藤雷也と共に現れた。樋渡さんとは一緒に登校しなかったらしい。

姿勢を正し、二人の前に立ったわたしに須藤雷也がひらりと手を振る。



「おはよう朔ちゃん、元気そうでよかった。久しぶりのはずなのに、不思議とそんな感じがしないね」



わたしを見た途端に憮然とした留美香が、その表情のまま須藤雷也を睨んだ。



「なにそれ。ちょっと雷也、あんたわたしの知らないところでこいつと会ってたの」


「まさか。俺が夏休み中誰とどこにいたのかは、留美香が一番知っているはずだろ」



留美香の頬が朱に染まる。



「そ……う、だけどっ。だったらあんな思わせぶりなこと、言わなくていいじゃないの……」


「ははっ、やきもちか。その顔も可愛いな」


「ばっか! もう知らない!!」



しばらく二人のやりとりを見届け、落ち着いた頃合いで口を開く。



「……須藤さんに、折り入ってお話があります。二人きりで話せませんか?」



須藤雷也はこてんと首を傾げた。



「ん、俺と? どうしたの? 別に構わないよ」



いいわけないわ! と留美香が須藤雷也の腕を引っ張る。



「なによ急に、駄目に決まってるでしょう。わたしの雷也よ」


「留美香には聞いてない。わたしは須藤さんと話がしたいの」


「は? 訳わかんない。行くわよ、雷也」



教室へと連れられる須藤雷也の手を、意を決して掴んだ。



「待って! お願いします。一度でいいから母に会わせてください!」



ぎょっとした留美香が須藤雷也から離れてわたしへと迫る。

須藤雷也に触れた手は引っ叩くように引き剥がされ、そのまま留美香に空き教室まで連れて行かれた。



「……あんた、それ以上家のことを学校で漏らすとただじゃおかないわよ」



睨んでくる留美香に、焦りはあっても嘘は感じられなかった。



「一学期からずっと……夏休みも、わたしは我慢したわ。もう限界なの。お母さんに会いたいと望むのは、そんなにいけないことなの?」


「お母さんって、ばっかじゃないの。母様を亡くしたわたしへの当て付け? そんなに母親が恋しい? あんたいくつよ。いつまでも親に甘えてんじゃないわよ」



教室内にはじっとりとした嫌な気配が漂っている。緊張感から背中に汗が伝った。

留美香をじっと見つめて、聞き耳を立てている者への恐怖を誤魔化した。



「何よその目。連れ子の分際で偉そうにしてんじゃないわよ」


「……留美香に言って叶わないなら、彼に頼むしかないじゃない」


「雷也は渡さないわ!」



留美香にしてみれば、婚約者候補にちょっかいをかけるわたしはさぞ目障りなことだろう。

わたしだって、二人の仲を邪魔するつもりはなかった。

でももう後には引けない。



「あなたに頼んでも、わたしの望みは叶わないでしょう」


「だから雷也に縋ろうっての? 筋金入りの愚か者ね。雷也が聞き入れるはずがないわ」


「……それは本気で言っているの?」



少しだけ、探りを入れた。

もしも留美香が脅されてその立場を演じているなら、なにかしらの反応を返してほしい。

微かな挙動や感情の変化も見逃すまいと凝視していたが、留美香に一切の揺らぎは見られなかった。



「当たり前じゃない。確かに雷也は誰に対しても優しいけれど、最後は絶対にわたしを選んでくれるわ」



断言に嘘はない。

そっか、本気なんだ。留美香は須藤雷也に、絶対の信頼を寄せている。


朝礼五分前を知らせる予鈴が校舎に響く。



「とにかく、あんたはこれ以上雷也に近づくんじゃないわよ」


「……聞けない」


「なによ生意気。次があったら容赦しないから」



言い捨てて留美香は去っていった。

しばらくするとどんよりとした嫌な空気も消えてなくなる。


ほっと一息ついて、わたしも教室へと足を進めた。



二年の教室が並ぶ廊下を歩いていると、見知った人物の後ろ姿を見つけた。樋渡さんだ。

樋渡さんはひとりで登校したようで、朝礼が始まる寸前で留美香たちの在籍する教室へと入っていった。


その教室を通り過ぎる際に開かれた扉から、ちらりと中の様子を窺う。

樋渡さんの机は扉から近い位置にあった。彼は痛みに耐えるような、余裕のない表情で俯き気味に席につく。


具合が悪いのだろうか。襟元に見える、首に巻かれた包帯が気になった。






夏休み期間、しばらく会わないうちに留美香と須藤雷也の関係はより親密になり、樋渡さんとは距離ができたようだ。

留美香の婚約者は須藤雷也に決まったのだろうか。



「留美香さんの前で須藤君に迫ったらしいわよ」


「うわ、きつい。今時略奪愛なんて流行らないってのに。あの顔でいけると思ったのかしら」


「留美香さんも付き纏われてかわいそう」



校内で何かと目立つ留美香の話はすぐに広がる。

噂話を聞きつけた生徒がわたしの学級にもいたらしい。


始業式が終了するころには、周囲がわたしに寄せる感情はこれまで以上にぎすぎすしたものに変わっていた。


人の波に紛れながら教室へと戻る。講堂と校舎を繋ぐ渡り廊下で、斜め前を歩いていた留美香にふと目が向いた。

視線に気づいたのか、留美香が後ろを振り返る。互いが互いを意識した途端、強く睨まれた。勢いよく顔を背けた留美香は隣にいた須藤雷也の腕にぎゅっと抱きついた。


須藤雷也は驚きながらも留美香を難なく支え、自由な手で彼女の頭を撫でてあやす。歩きながら器用なことだ。


距離があるから二人の会話は聞き取れない。ただ、須藤雷也が一瞬こちらを向いて意味深に笑ったのだけは人混みの中でも見えた。


心臓がどくどくとうるさい。

心がどろどろに歪みそうになるのを、深い呼吸を繰り返して我慢した。


スカートの生地越しに携帯電話をぎゅっと握る。

大丈夫。わたしはひとりじゃない。




渡り廊下から校舎に入ると、生徒たちは散り散りになる。

教室が隣同士だから、前を歩く留美香たちとわたしの進行方向は同じだ。

人の数が減った廊下にて、ちらちらと何度も不安そうに後ろ——つまりわたしを見てくる留美香。

二年の教室が近くなるにつれて、周りの生徒のわたしに対する眼差しがきつくなった。



「待って」



留美香と須藤雷也が自身の所属教室へ入ろうとしたところを呼び止めた。



「いい加減にして」



苛立ちをにじませて、留美香が唸る。その間も彼女は須藤雷也を離そうとしない。

廊下にいた生徒たちが関心を示して立ち止まる。集まってくる人の多さに足が震えた。



「彼と、話がしたいだけなの」



声も、弱々しくて頼りないものしか出せそうにない。



「あんたが雷也と話すことなんてないでしょう!!」


「まいったなぁ。俺は別にいいんだけど」


「よくないわよ! どうしてそうなるの!」



留美香が須藤雷也の隣に立って、わたしと対峙する。二人の手は互いに強く握られたままだった。



「何なのよもう、しつこいわね。いつもおとなしいくせに。さっさと諦めなさいよ」



廊下で聞き耳を立てる生徒たちがひそひそと囁き合う。内容は主にわたしへの非難だ。


感情の波に押されて涙腺が緩む。

もうどうにでもなれとやけになる一方で、この抑えきれない鬱憤を利用すればいいのだと思い至る。表に出てくる感情とは裏腹に、頭の中は意外と冷静でいられた。



「諦められるわけないじゃないっ。わたしだって、本当は死にたくないもの!」


「はあ? わけのわかんないこと言ってんじゃないわよ」


「あなたに言ってもわからないわ。だから、わたしは須藤さんと話がしたいの!」


「嫌に決まってるじゃない! なんであんたと雷也を二人きりにしなきゃいけないのよ!」



言い合いに熱がこもる。感情的になるほど留美香が乗ってくれるのは助かった。


須藤雷也がにやりと笑う。足元から這い上がる悪寒に口を閉ざした。

引き時だ。調子に乗って踏み込みすぎてはいけない。



「辛いことがいっぱいあって、ちょっとおかしくなっちゃったかな」



楽しそうに言ってくれる。誰のせいだと思っているの。

憤りはひた隠し、押し黙った。留美香はともかく、この男に直接逆らってはいけない。



「同情なんてしないでよ。こいつが弱いのが悪いんだから。雷也はわたしだけ見ていてくれたらいいの」


「へーえ。そんな直球で来られると照れるな」


「……べっ、別に嫉妬したわけじゃないわよ! だいたいねえ」



周囲に集まる人だかりを見渡し、こほんと、留美香がわざとらしく咳払いをする。彼女はわたしへと向き直り、諭すように口を開いた。



「この学校、皇立院に通う人たちはみんな、将来の日の元を背負って立つ、義務と重責と一緒に生きているの。ちょっと苦しいことがあっただけで弱音を吐いてはいられないのよ」



おぉ……と。留美香の堂々とした態度に見物人から歓声が上がる。

改まった講釈に思わず吹き出してしまった。



「ちょっと苦しい? ……笑わせないで」



こっちはあなたの隣に立つ男のおかげで、この短期間に何度も死にかけてるのよ。

それに留美香、あなたがいつ、日の元のために命をかけたというの。


国を守るというのがどういうことなのか、本当にわかっているの?


日の元を背負うだなんて、口先だけとしか思えない。

出かかった反論は必死に抑える。ここで「彼ら」を擁護する言葉をぶつけるのは得策じゃない。


見物人のわたしに向けてくる怒りが強くなる。構うものか。

眉を寄せた留美香を無視し、真っ直ぐに須藤雷也を見た。



「……ただでとはさすがに思ってません。望みを叶えるために、わたしは何をすればいいですか?」


「へえ、その気はあるんだ」


「あんた、勝手に話し進めてんじゃないわよ!」



わたしと須藤雷也の意思疎通に入れないのが、留美香にとっては耐えられないらしい。婚約者候補が別の女と意味深にわかり合っているのだから無理もないか。


留美香がさらに捲し立てようとしたところで、止めにかかる人物が現れた。



「いい加減にしろ。学校で揉めるな」



わたしと留美香の間に、樋渡さんが入る。すると留美香は顔をしかめて一歩後ろに身を引いた。



「人前でする話ではないだろう」


「わ、わたしじゃなくてそいつに言ってよ。こっちだってこんな話みんなの前でしたくないわよ」



留美香の声音に若干の怯えが混じる。

樋渡さんの動きは緩慢だった。朝と同様に顔色が悪く、表情も険しい。



「それよりも佐、あまりわたしには近づかないで」



明らかな拒絶に、言われた側は呆れた様子でため息を漏らす。



「これは感染るものではないと言っただろう」


「……でも、お医者様でも治せないのでしょう? おじさまだってそれで……。原因がはっきりしないなら、もしものことだってあるじゃない」



言いながら留美香は須藤雷也の陰に隠れた。



「わたしは奥園唯一の跡取りよ。万が一があったら、佐ひとりの責任では済まされないのよ」



樋渡さんは沈黙を選んでかぶりを振った。



「と、とにかく、早くそれを治しなさいよ。行きましょう、雷也」



留美香に強引に引っ張られる須藤雷也は、わたしと樋渡さんを見て最後まで笑っていた。







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