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300 おはなみにはやっぱりこれ

今話で300話となりました!

皆様いつも応援してくださりありがとうございます(≧▽≦)

これからもよろしくお願いします!


そして、著書のレーベルであるアース・スタールナが創刊3周年となりました!

3周年記念で異世界おみくじが引けますよ(*^-^*)

アーシェラとアーシュが参加していますので是非やってみてくださいね(≧▽≦)

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 そしてお待ちかねのデザートは、これまた久遠国大使館の料理人さんから食材をもらって作ってきたものである。

 せっかくなので、桜の模様が施された漆器の半月皿に載せて出す。

「これも可愛いピンク色なのね。でも、周りに付いているこれって葉っぱなのかしら?」

「こりぇ! さくらのはっぱをちゅかった、さくらもちでしゅ!」

「まあ、これは桜の葉なのね」

 そう、お花見をすると言ったら、久遠国大使館の料理人さんが桜でんぶと一緒に桜餅も用意してくれたのだ。

 前世で桜餅の葉に使われるのは、オオシマザクラの葉や八重桜の若い葉っぱだった。ソメイヨシノより芳香成分が多く柔らかく口当たりも良いからだ。

 桜の葉っぱを塩漬けにすると、生の状態ではほとんど香ることのない芳香成分が出てくる。その独特な風味が味覚を通して春を感じさせてくれる。

 久遠国の桜の木は、花は前世のソメイヨシノと同じ一重咲きで花びらは五枚、葉っぱは花が終わってから大きくなり、その葉は塩漬けにされてこうやって桜餅などに活用されているのだそうだ。前世ではソメイヨシノの葉は使われてこなかったのに。

 やっぱり世界が違うと桜の特徴も違うみたいだね。

 久遠国の料理人さんが用意してくれた桜餅は、前世の道明寺粉で作られたつぶつぶの質感のものではなく、白玉粉を使った大福餅に食紅でピンクに色をつけたものに、桜の葉っぱの塩漬けを巻いたものだった。

 前世、桜の咲く時期になると、スーパーに並んでいた桜餅。私はこの桜餅が好きだった。塩漬けにした桜の葉が持つ独特な香りと、小豆餡の甘さ、そして桜の葉っぱの塩味が絶妙なバランスですごく好きだったのだ。

 前世の桜餅は地域によって餡を挟む外側の部分が小麦粉の薄焼き生地だったり、蒸したもち米を干して砕いた道明寺粉を使った餅の二つに大きく分かれていたけど、幼い頃食べていたのは大福タイプだった。成長してから道明寺粉タイプや薄焼き生地タイプが売り場に並んでいたのを見て、桜餅に色んなバージョンがあるのを初めて知り驚いたものだ。

 それでも、三種類並んだ桜餅の中から選ぶのは、いつも大福餅バージョンだった。

 やっぱり幼い頃に慣れ親しんた味って記憶にインプットされているものだよね。

 私の好きな大福餅バージョンは桜餅の二大勢力に属していなかったけど、美味しければそれでいいのだ。

 というわけで、久遠国で主流の大福餅バージョンの桜餅は私の心にジャストフィットだったのである。

 ああ、懐かしい~~!

 桜餅は春を感じることのできる一品だった。

「この塩気が甘い大福を引き立てているのね。とっても美味しいわ!」

「この葉は独特な香りがしますわね。甘くて爽やかですわ」

「久遠国では毎年桜が咲く頃に、前の年に塩漬けしておいた桜の葉を使って桜餅を作るそうですわ」

 感動の声を上げる王妃様とレイチェルお祖母様にローズ母様がそう答える。

「なるほど、イチゴ大福はイチゴの酸味とジューシーさが大福の旨味と合っていて美味かったが、桜餅は桜の葉の独特な香りと塩気が大福ととても合うのだな。うむ、癖になる味だ」

 そう言いつつ、アーネストお祖父様も二つ目の桜餅を手にしている。うん、桜餅の風味って後を引くよね!

「おじいしゃま! あーちぇ、ここのさくらのはっぱほちいでしゅ!」

 現在私の行動範囲の中で桜の葉が手に入るのはここの桜の木だけだ。

 久遠国大使館の料理人さんが桜の葉の塩漬けを分けてくれると話していたけど、やっぱり自分で作ってみたいもの!

「よしよし。では桜の葉が出たら摘むことにしよう」

 その日はローディン叔父様とリンクさんも一緒に来て良いと言ってもらった。やった! 来年の桜餅に使う桜の葉をゲットできる!

 ここには立派なキッチンもあるから、作業もできるしね!


 さて。桜餅の後は、締めのクリームソーダである。

「私、バタフライピーをベースにしたレモンソーダがいいわ!」

 はいはい! と一番に手を挙げたのは王妃様である。

 先日バーティア伯爵領にある炭酸泉で汲んできた炭酸水で、ハニーレモンソーダを披露したら『喉越しがすごくいいわ!』と炭酸水にハマった王妃様。

 バーティア伯爵領の炭酸水は他の所より炭酸が強い。いわゆる強炭酸水である。

 クリスウィン公爵領の山にある炭酸泉の水は、炭酸がとても弱くてあまり好みではなかったんだって。まあ、自然が作り出すものだから仕方ないよね。王妃様と、王妃様の兄君であるリュードベリー侯爵は、ブルーベリーシロップやバタフライピーの青から、レモンを落としてルビー色やピンク色になる瞬間をエンドレスで楽しんでいた。『エンドレス』――そう、用意していった炭酸水とアイスクリームが無くなるまで。

 相変わらずの大食漢で笑っちゃったよ。

 そして二人は、ブルーベリーやバタフライピーに『色の変わる瞬間が楽しい』と、自分でレモンを絞って楽しんでいた。

 その時に驚いたのは王妃様の握力である。

 最初はローズ母様がレモンを絞って用意していたのだけど、レモンが硬くて苦戦していたら王妃様が自分でやり始めて、硬いレモンを軽々と絞っていたのだ。

 レイチェルお祖母様が、『クリスウィン公爵家は握力が強い方が多いのよ』と言っていたから、たぶんそれも家系の特徴なんだろうね。

「ソーダのシュワシュワと、滑らかなアイスって相性抜群なのよね~」

 と美味しそうにきっちり三杯のクリームソーダを堪能した王妃様。

 今回は時間的にエンドレスにできなかったので、カレン神官長の時と同様に『おかわりは二度まで』にしていたのだ。王妃様もいつも差し入れのお弁当は三個だったので、自然と納得してくれていた。

 でも、王妃様の重箱は普通サイズではなく、大きいサイズのものを用意していたので実際は五人前くらいはあったと思うけどね。

「! この炭酸泉の水はいいですね。炭酸が強くてのど越しがとても良い」

 レモンソーダを初めて飲んだフィールさんが大きく頷く。

「こうやってソーダにして飲むのもいいですが、酒で割ってもいけますよ」

 とリンクさんが言う。

「この前の獣討伐の後で、初めてクリスティア公爵とお酒を飲んだんです」

「彼は際限なく飲むからな。驚いたろう」

 ローディン叔父様の言葉にアーネストお祖父様が苦笑する。

 うん、この前の山の視察の時にブランデーケーキをはじめ、ラム酒とか久遠国のお酒とかで酒ケーキを作ったら、お酒スイッチが入ったらしく、ずーっと飲んでいた。

 それでも翌朝二日酔いもせずケロッとしていたから、アルコールに強い体質なのだろう。

 そしてアーネストお祖父様から聞くに、どうやら公爵たちはあまり悪酔いしないのだとか。おおう、二日酔いしないなんて不思議だね。

 ローディン叔父様とリンクさんはクリスティア公爵が飲んでいる間、ずっとお付き合いしていた。

「はい。さすがにクリスティア公爵と同じ飲み方はできなかったので、ソーダで割ったら味わいが爽やかでした」

 二人は酒に弱いわけではないけれど、私とローズ母様を護るために、いつも深酒するのを避けている。酩酊すると襲い来る暗殺者への対応が遅くなるからで、それがすでに彼らの習慣になっている。

 アースクリス国での主流はワインで、ブランデーやラム酒などいろいろなお酒があるけれど、これまでの飲み方はストレートで飲むのが主流。これまで蒸留酒の水割りとかはなかったらしい。

 うーん、ストレート飲みはきついよね……。

 なので、蒸留酒を炭酸水で割ってレモンを絞った、いわゆるレモンサワーを提案したら、『さっぱりして飲みやすい!』『炭酸水で割ってもいけるな!』と好評だった。

 うん、私も前世ではワインや蒸留酒より、サワーの方をよく飲んでいたものだ。

 前世での私はあまりアルコールに強くなく、ワイン二杯飲むだけで笑い上戸となり、パタンと寝落ちしていた。でも、お酒の濃度を薄めたサワーは何杯もいけた記憶がある。

 クリスティア公爵は、『これもいいが私はやはりストレートが一番だな!』と言っていた。

 まあ、お酒好きはそうなのかもね。

 ローディン叔父様とリンクさんは初めてのお酒の飲み方にワクワクしたらしく、ベースとなるお酒をウイスキーやラム酒などいろいろ変えながらレモンサワーやオレンジサワーを楽しんでいた。

 割り方で度数を調整することもできるため『何杯飲んでも酔わなかった!』と感動していたっけ。

 そしてその日、バーティア伯爵領のレストランでお昼はソーダやクリームソーダ、夜は炭酸水を使ったサワーがメニューにラインナップされることに決まった。

 炭酸水は珍しい。そしてその炭酸水は特産物としてバーティア伯爵領でのみ店頭販売するのが基本となるので、その水を使ったサワーやカクテルはお酒好きのお客様を呼び寄せることになるんじゃないかな。他から人が訪れてバーティア領でお金を使ってくれると領地も潤う。良いと思う。

 そんなことを話していると、ルイドさんとフィールさんも「その飲み方はいいですね」と声を揃えた。

「私は仕事でお酒の付き合いもよくありますが、たまに酒豪の方とご一緒することがあるんですよね」

 ルイドさんとフィールさんは、酒豪で、さらに断れない相手の時は大変だとこぼしていた。これまでもそんなことがあったらしい。その一人は絶対にクリスティア公爵だよね。さっきローディン叔父様たちの言葉に「ああ~」って思いっきり同意していたし。

「この飲み方なら酒に弱くてもいけますね」

「炭酸水は珍しいので、試してみたい人もたくさんいると思います」

 炭酸水の中でも強炭酸水はさらに珍しいので、新しいものをいち早く取り入れたい貴族やストレート飲みが苦手な人にも受け入れられるだろう。

 お酒の濃度の好みは人それぞれだし。一つの酒を一緒に飲むことで相手の好みを知ることもできるし、より親睦を深めることもできるんじゃないかな。

 バーティア伯爵領の炭酸水事業はまだ始まったばかりだけど、一番初めのお客様はクリスティア公爵、そして王室や他の三公爵家が購入に手を挙げている。

 バーティア商会の炭酸水はこれからどんどん広がり、事業としても大きくなっていくだろうね。



お読みいただきありがとうございます!

前書きに書いた異世界おみくじですが、なかなかアーシェラが出なくて、

スマホで50回以上、パソコンでは40回目でやっと出てきました……(^-^;

他のキャラクターは何度も出てくるのに。

アーシェラはレアキャラなのでしょうか。うーん(^-^;

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― 新着の感想 ―
前書きにあるURLに飛んで引いたところ。アーシェラちゃんの中吉でした。 おいしい料理との出会いがあるでしょう。いつもと違う調味料を加えることで意外な相性を発見できるかもしれません。ラッキーカラーは黄色…
自分も子供の時は大福バージョンだったんでめっちゃ分かります!途中で米米した桜餅に浮気もしましたが....
大福版があるなんて知らなかったです……だ
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