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258 あたらしいおうち

お久しぶりです!

遅筆に磨きがかかっています(;'∀') すみません。。


いよいよ明後日、9月1日に『転生したら最愛の家族にもう一度出会えました』の二巻目が発売になります!

お家に迎え入れて頂けると嬉しいです!

よろしくお願いします(*^-^*)


「おっきい、おやしき」

 今日はリンクさんの新しいお家にやってきた。

 というのは、ローディン叔父様とリンクさんは戦争での功績で、伯爵に陞爵(しょうしゃく)され、新たに領地を賜ったのだ。

 本当はアンベール国との戦争が終結してから陞爵予定だったのだが、年明けからの不正貴族の爵位剥奪に伴い、国が管理する土地が多くなった為に管理に手が回らなくなったらしい。

 なので、以前より陞爵が決まっている者たちへ、時期を繰り上げ、爵位をあげて彼らに管理を任せることにしたということを、王妃様から聞いていた。

 リンクさんは陞爵を機にマリアおば様の実家であるフラウリン領を受け継ぎ、フラウリン伯爵となったのだ。

「お前たちの事情は分かっているから、少しの間はまだ(こちら)で管理することにしている」

 そう話すのは、クリスフィア公爵だ。

 二人の事情とは、私やローズ母様が関係している。

 アンベール国からアーシュさんが無事に戻り、反逆を企てたリヒャルトの粛清が終わって、危険性が取り払われた時に――私は、ローズ母様と共にクリステーア公爵家に行くことになっているのだが。

 戦争はまだ終結はしていないし、私とローズ母様をつけ狙うリヒャルトもまだ捕まってはいない。賜った領地の統治のために二人が私と母様の側を離れ隙を作ることは、リヒャルトに暗殺の機会を与えてしまうことになる為、二人の新たな領地の管理は条件が整う時まで、国が管理するとのことだった。


 ローディン叔父様が賜った領地は、以前リヒャルトが伯爵として統治していた土地。前クリステーア公爵からリヒャルトが受け継いだところだ。

 一年半ほど前、横領事件の主犯としてリヒャルトが爵位剥奪になった際に領地は国に返還され、実質的な管理は国とクリステーア公爵家がしていた。

 そこは、結晶石の鉱山もある豊かな土地だ。

 ローディン叔父様にとっては結晶石の鉱山が手に入り、魔法道具に必要な結晶石が潤沢に手に入る為、事業の幅も広がることだろう。


 けれど、陞爵によりローディン叔父様の領地になったが、もしかしたらリヒャルトが領地のどこかに潜伏している可能性もある。

 かつての自分の領地が他の貴族のものになったと知れば、怒り狂い、その相手に牙を剥く。しかもその相手は今までもずっと自分の思惑(ローズ母様の暗殺)を邪魔し続けてきたローディン叔父様なのだ。

 暗殺の魔の手は、これまで以上に執拗に私や母様、そしてローディン叔父様にも向くことが容易に推測できた。

 そのため、新たな伯爵領の名義はローディン叔父様のものとなったが、リヒャルトを捕まえるまでの間は、内情をよく知るクリステーア公爵家が管理をしてくれるとのことだ。


 一方、リンクさんが賜った領地は、大きな川につながる川があるところだ。後継者が途絶えてしまい、国に返還されていたという。

 内陸のフラウリン領とは違って、船着き場があるので陸路だけではなく水路も交通手段として使えるという利点がある。

 海に面しているデイン辺境伯領で育ったリンクさんにとって、水の豊かな土地は合っていると思う。

 何がそこにあるのかまだ詳しくは知らないけれど。


 そして、実は二人が賜った領地が、王都に近いクリステーア公爵領から遠くない場所にあるということが私にとっては嬉しいことだった。

 アースクリス国のほぼ中央に位置するバーティア領。

 フラウリン領はそこから東南、馬車で何日もかかる位置にある。

 私と母様がクリステーア公爵領に行ったら、――いくら転移門があったとしても、実際の距離はものすごく遠い。それがやはりさみしかった。

 だから地図で確認した時嬉しくて「ごきんじょさんだ!」と、声を上げて喜んだのだ。

 もちろん実際に移動にかかる時間は相当かかると思うけど、それでもすごく嬉しかった。


 今日はクリスフィア公爵の案内で、王都から大きな川を下り、リンクさんの所領に足を踏み入れた。

 船着き場には、国から任命され、屋敷と領地を管理している代官のメンデルさんが出迎えに来ていた。


 そして、リンクさんの新しいお屋敷に到着した。

「りんくおじしゃまのおうち!」

「ああ、そしてアーシェの家でもあるぞ」

 そうリンクさんが当たり前のように話す。

「あい! あーちぇのおうち!」

 リンクさんもローディン叔父様も、私の家族だ。

 二人ともバーティア邸やフラウリン邸はもちろん、新しいお屋敷も「アーシェの家だ」と言ってくれる。

 そして「いつでも帰ってきていい」のだと、私がクリステーア公爵家に行った後も、私が心を寄せることのできる場所をこうして用意してくれているのだ。とっても嬉しい!

 よし! じゃあ、新しい私のお家を探検といこう!


 お屋敷に入ると、見知った顔が何人かいて驚いた。

 リンクさんが伯爵に陞爵してすぐに、フラウリン邸やデイン邸から使用人が何人も新しいお屋敷に異動してきたらしい。

 新しい領地であるスフィア領は、二十数年前に後継者が途絶えた為、国に任命された代官が、領地と屋敷を守ってきていたのだ。

 屋敷はこれまで国の管理下にあったため、管理に最低限必要だと思われる人数しかいなかったという。

 なので、マリアおば様が新しいお屋敷に必要だと思われる人材を異動させたとのこと。それにリンクさんにとっても、見知った者が身近にいた方が気持ち的にも楽だろうとのことだ。確かにね。

 使用人たちはお屋敷を整えて、新しい領主であるリンクさんを出迎えた。

「できれば領民を何名か雇いたかったのですが」という、代官のメンデルさんだが、例によって私の身の安全が優先されるため、ここでもまた人選は慎重なのである。

 そういうメンデルさんも、このスフィア領出身の人ではない。

 国から派遣される代官は数年ごとに交代することになっている。その理由は、かつて長年同じ場所にいた代官が地位を悪用し、横領や搾取をするという事件が多発した為である。まあ、悪いことをする人は短い期間でもするとは思うけれど、国の管理下にある領地にはすぐに捜査の手が入る為、悪さをしにくい環境ではあるだろう。

 リンクさんが領主となったので、メンデルさんは本来であれば別の地に代官として任命されるはずなのだが、もうしばらくはこの地の管理をすることになっている。

 このスフィア領は、隣地であるローディン叔父様の新たな領地、ルクス領と同様に、良質な結晶石が採れる鉱脈がある。

 フラウリン領はバーティア領と同じで鉱脈が地下深くにあった為に、農業が主な収入源だったのだ。リンクさんはローディン叔父様同様に、陞爵によって、結晶石の鉱山を手に入れたのだった。



お読みいただきありがとうございます!


第二巻書影です!


挿絵(By みてみん)


活動報告に特典SSの紹介をしています。

どれもいい出来になったと思います。

是非SS付きをゲットしてくださいね!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 更新と2巻の表紙公開、有難う御座います!m(_ _)m(≧▽≦) アーシェ嬢、かーわーいーいーーー!!(絶叫) なんかもう、ひっさびさに心から癒やされました(≧▽≦) 有難う御座いますm(…
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