第三話 Let's Play!
投稿するのが遅れてすみませんm(._.)m
仮想身体について、こういうのはどうですか、というのがありましたら教えてください。
それ以外でもこうした方がいいのでは、というのがありましたら教えてください。
無知ゆえ……。
ソフトを購入し、チーム全員でシェアハウス的に使っている家で、ゲームを起動した。
他のゲームと変わらず、最初はキャラクリだ。
ボクは毎回使用している身体をコピー機能でペーストし、手早く終わらせようとして、そこで思いとどまった。
初めて発売されたMMO版。少しは外見を変えてみようと思った。
ここはみんなに言われているように思い切って女性に変えるか? うーん、でも現実に影響が出たら嫌だし……、まな板ならセーフかな?
そういう問題じゃない気がするけど……。
髪色を変えてみるか? 黒だから、赤、青、どっちかの系統にしようか……。それか白? それでいいや。
髪色は白っと。
次は、目かな?
今のところ深海色にしているけど、これはこれで気に入っているんだよなー……。いいや。次いこ。
えっと、筋肉量? 何それ? おいしいの? お肉ったって硬いお肉じゃないの?
というわけで何も変わらずもやしにしておいた。
体型は細めにしておいて……、変化が少ない……。
ボクは目を瞑り、適当にどれかのボタンを押した。
あとは自分の運に任せようと、画面が開かれた音がした。そのまま、もう一度、どこかを適当に触る。どうやらきちんと押せたようだ。
画面の方は、十五秒以上触らないと元の選択画面に戻る仕組みらしいので、十五秒放置。
何でこんな機能あるんだろう? と思ったが、今はそれがありがたい。
さて、これでスキンの完成だー。
ボチッとな。
§
あー、盛大にやらかした気分です。
ある程度最終確認はしておくべきだった。最低でも体型画面は……。
そう嘆いても後の祭りである。
このゲームにはボイス選択がない。探してもほんの僅かに加工、それこそ本当に少しの、もはや誤差五ミリの次元での加工だ。それでも意味はあるのだが……。
ゲーム特有のちょっとしたノイズ? というかラグかな? あれは……。まあそれのおかげで、声での個人特定は難しくなっているらしい。
まあそれもどれほどやら……。
ボクは、もう一度自分の体、スキンをみる。
眼下にあるのは、どう考えても現実のボクでは持つことのできないものがある。
…………、現在進行形で、ボクのスキンは女性スキンにであった。
といっても、貧乳、というかまな板で、顔もどっちかというと男性? いや、女性か、となるような風貌で、ひとまずは安心した。
このゲームは下着までしか脱げないから、本当によかった……。あれ? 下着までなのか? 初期服って外せたんだ……。そこは初期服までにして欲しかった……。
このゲームのキャラクリエイト は完全オーダーメイド。
キャラクリエイトの完成を押してもなかなか進まないのはそれが理由だ。押した瞬間に、AIがフル稼働で身体を一から作成してくれる。言うなれば、今までなかった新たなNPCをAIが要望通りに作っているようなものだ。
うわー、どうしよう……。
外面も内面も落ち着きまくっていた。焦りはゼロ。身体が女性の感覚になったのに、何故か違和感は一切ない。そういえば、他のゲームで男性スキンの時は少し違和感を感じたような……? いや、勘違いだろう。
「あ! いたいた! おーい、リー……ダ……、? あ、すみません、人違いでした……」
あれぇ? おかしいなー。ここにいるはずなのに……、と呟く女性スキン。
PLNは 戦場賭博。「チーム」生粋の策略家にして、博打の天才。先読みのような、まるで一流の剣術士を相手にしているようで、やりづらい。
「あの、戦場さん。ここにいますよ……」
「…………、え? リ、リーダー……、ついに……。大丈夫です、私はいつでもリーダーの意見を尊重しますよ……」
うわぁ、やっちゃたな感が半端じゃない。
え? 軽蔑されてないよね? 本当にたまたまなんだよ?
「戦場さん、そういえば『チーム』以外のPLって見ました? 初期ログイン場所にしては誰もいないような……」
「そういえばそうですね。ここに来るまで、一応初期ログイン場所を限界までグルリと見て回ったけど、他のPLは見てないですね」
「不自然……、極まりない、です……」
「…………、ビックリしたぁ……」
「急にこられるとびっくりしますので、やめてください」
「……う……。ごめんな、さい、です……」
「平定」の二つ名で知られる暗殺者。レムゥ=ロヴェーナ。
世界でも名の売れた暗殺者であるにも関わらず、その実態はプロゲーマーにしてゲーヲタ。そして、何よりもまだ年端も行かぬ少女である点。
まあ、暗殺者といっても、あくまで『ロヴェーナ』という名が売れているだけだそう。
暗殺教育は十二分以上に教育を施されているし、レムゥの父親、ミハイル曰く、最高傑作らしい。何が傑作なのかはわからないが……。
「ああ、でも全員いるわけじゃなかったですよ。確か二十人くらいしか出会っていませんね。一応、他に見かけたら言伝して欲しいとはいっておきましたし、ここに集れともいっていルカら、そろそろ……」
「うん、丁度きたねー」
「ん? 戦場さん、その人は?」
「うわっ、何このロリッ娘……。めっちゃ可愛いんですけど」
「読書をしてもいいんでしょうね? あ、本なかったわ……」
散々な言われようだ。
だが、一つだけ聞き逃したらボクに破滅フラグが立ちそうなものがあった。
「ロリじゃないですよ」
「「「「……ん?」」」
あ、気づいたのね。
「え? リーダー? え、でも? え?」
もう、このくだりを繰り返すのは嫌だ……。
ボクが男性じゃなくてボクっ娘になってしまう……。もうなってるかもだけど……。
§
「ん? 何このタイマー」
世界三位のPLはステータス画面を開いた状態で呟いた。
「タイマーというよりは砂時計でしょうか?」
どこかで、クラン「チーム」で第一位と呼ばれる、現実世界での超能力者、『第一位』は、呟いた。
「いやぁ、異世界に転移でもしたのかな?」
〝狂乱に踊る道化〟と呼ばれたプレイヤーキラー、『NONAME』は、静かに嗤っていた。
隠して、世界第三位から世界第一位の、この世界への転移が、確定した。
§
「なぁ、このタイマーって何を示してるんだろうな」
一人が、そう呟いた時だった。
全員が、画面端にあると気付き、そして、その砂時計を模したタイマーの上部から砂が落ちきったのは……。
その直後の出来事であった。
除夜の鐘のような、遠くまで響き渡る鐘の音が聞こえた。どこからなど、誰にもわかりはしない。
そして、転移エフェクトが発生し、その場にいた全員が淡い光に包まれた。
その先に待ち受けていたのは、Lv.26の、階層ボスであった。
始めたばかりの彼らでは、敵うわけがない、絶望の強敵。その目の前に……。
最も近くで呆然としていたプレイヤーが、片っ端から吹き飛ばされ、エフェクトではなく、鮮血が撒き散らされる。
え? という誰かの間の抜けた声がその空間に響き、直後、恐慌が巻き起こる。
まるで、集団の中に、突如爆弾を落としたかのように……。蜘蛛の子を蹴散らすように……。
そして、「チーム」以外も含めた、全てのプレイヤーを、いや、全ての人間を巻き込んだ、絶望の戦いが始まった。
他に書いてる作品との繋がりがあります。探して見てください。まあ、現時点では一つあるかないかですが……。
一部飛ばしたいと思ったのは内緒です。
【評価・ブックマークへの登録をお願いします】