第二話 ゲームスタート(GOHOME)
あの『GOHOME』と思った人ってボク以外にいます?
とりあえず、おバカなことをしてくれた征妹が同伴していたボクを除く六人、星野結由、アルティマ、リョナ……は違うか……、猫法、ホロ、みねあの五人(訂正)にぎゃあぎゃあと騒がれている。
正直いってしまうと、近所迷惑なのでやめて欲しい。まあ、ここら辺はボク等チームの人たちが住む家が殆どなので、そこまでの迷惑にはならないかも……? いや、でも個人個人では迷惑になるから、やっぱダメか……。
そんな風にほんわかな状態で帰路に着く。
が、それでもハプニングは起こるものだ。
それに、つい先ほど、ボク等は残っていたソフトの大半を買い占めしたのと同義のことをした。
不満を持って、強襲、襲撃でもしようとやってきたのだろう。
もちろん、ボクしか気づいていないから、ボクがここで散歩して帰ってくる、といって話をつけてきても構わない。
でも、それはバレた時に後がない。ボクは「チーム」のクランリーダーをしているのとは全く無関係なところで、みんなから重宝されている。なんというか、過保護だ。
ボクがこの前、学校でいじめにあって、少し怪我したら、それだけで総力を持ってその生徒の家に押しかけたほどだ。
その時はボクがみんなの後を追って、やめてくださいと土下座しようとしたら止められて収束したけど……。
それだけボクの身体……、なんか変態要素が出てないかな? この言い回し……。
コホン。ま、まあ、それだけボクは重要視されているんだろう。
でも、背に腹は変えられない。
例えここで怪我しようとも、みんなを危険に晒すよりはマシだろう。
「みんな、ボク散歩してかえっt
「それなら私が行くわ」
…………、え?
〜約十秒後〜
付けてきたらしい不良っぽくて不良じゃないけどやっぱ不良だなと言いたくなる見た目の実は超優等生でした君たち五人を捕らえた星野結由さんこと結由様が帰ってきた。
「それにしても、この人たち、本当に優等生なの? 私を見たらゲスい目で見てきたんだけど。体を差し出せば許してくれる的なことも言ってきたわ。さすがは塚原のフラグ制イベントね」
そんなイベントありませんし、フラグも立ててません。
「ああ、勘違いしないで。あなたが立ち向かってボコボコにされる、というフラグイベントよ」
ごめんなさい……、弱くて。
でも、回避能力は高いからボコボコにされる心配はないと思うんだけどな……。
もしかして、この前虐められて、怪我したから余計に過保護になっちゃったのかな?
これは訂正してもらわないと……。
「随分と散財したようね、塚原ちゃん☆」
「そ、そうですね〜……」
少し悲しいと思っている。
思っているがしかし! リーダーとしてここは貢献しなくてはと思い、つい手が滑ってしまったのです!
ボクに向かって散財したね、とドロッとした笑みを向けてくるのは、総体今日過という先輩で、後輩系少女である。
首にあるチョーカーと、そのチョーカーから出ている機材とのワイヤレスヘッドフォンだ。機材との、であり、チョーカーと繋がっているので、完全なワイヤレスではないそうだ。
この人だけはボクのことをちゃん付けで呼ぶのだ。
何度も言うが、ボクは男子だ。女子じゃない。声こそ女子だが、生まれた時からずっと男子だった、はず……。生まれた時の記憶なんてないから、何も言えないけど……。
「それで、このゴミはなんなのかな、結由さん」
本を片手に、言葉通り連行された不良くんをゴミを見るような目、ではなく、ゴミを見る目で蔑んでいる彼は通称ドンキー。鈍器使いとかけているのだろう。それと、彼がゲームで使っている武器迷彩が完全に巨大な鍵だからだろう。鈍器+キーでドンキーらしい。いつしかドンキー・コ○グにならないことを願おう。
「あら、気になるの? ちょっと私たちに不満があるそうよ。そうね、レムゥか断罪にでも任せたらどう? 拷問させたっていいわ」
珍しくやる気に満ち溢れた声ですね……。
なんて思ってたらギロリと睨まれたが、すぐに柔らかい笑みに切り替わった。絶対本心隠しましたよねっ!?
そんなこんなで、ボク等はソフト七十八個の納品を終えたのだった。
一つは自分のだけど……。
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