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意味のない星

星々の間を泳いで歩いてしているさつきのもとに、急にこんぺいとうほどの小さな星がぶつかってきました。


「いてっ」


まったく、このうちゅうというところは、一体どこで何があるか分からないものです。

すべてのことが全く無秩序で行き当たりばったりで、いったいどこからそんなことが起こり、そこからどうなっていくのかなんていうわかりきった流れがほぼないに等しいのです。


いわば、瞬間瞬間、いたるところで、創造が繰り返されては、火花のように散っては消え、また次の火花が生み出されるといった具合です。


そして、さつきは、一応のこと、その瞬間瞬間の創造に身を任せて、それに乗っかることを楽しむことにしました。


さつきは、なまずのことも、ドロドロした星のことも、その前のうちゅうせんのことも、そら君にうみちゃんのことも、いったんそばにおいておきながら、この不思議なこんぺいとうのような星を捕まえて、聞いてみることにしました。


「痛いでしょう!なんで私にぶつかってきたの?」


そのこんぺいとうのような星は、口もないのにそのない口を開いて言いました。


「お嬢さん、そんなこと言ったって、しかたがないよ。

こちとら急いでるんだもの。」


「急ぐ?

急ぐって?

何を?どこに急いでいるの?」


「わからないよ。

とにかく、おいら、急がなきゃいけないんだ。急がなきゃいけないんだ。」


「急がないとどうなるの?ねえ、ねえってば。」


「急がないと、急がないと。」


こんぺいとうのような小さな星は、一目散にどこへ行く当てもなくうちゅうをかけていく様子なのですが、さつきはそれを追いかけて話しかけます。


「そっちからぶつかっておいて、急いでいるはないでしょう。

何のために急いでいるの?

急いだ先に何があるの?」


その先には何もありません。


そのこんぺいとうのような星は、いそいでいそいでもっといそいでいるうちに次第に溶けてきて小さく小さくなっていきました。


「ちょっとあなた、小さくなっているわよ。

小さく小さくなっているわよ。

ねえ、どうするの?

このままじゃ溶けちゃうよ?

どうするの?」


そういいましたが、そのこんぺいとうのような星は、

「ああーー!急がなきゃ急がなきゃ!」

とますます焦った様子で、自分自身をすり減らし溶かしていきます。


しまいに、その大きさはもう、砂粒くらいの目に見えないくらいにまでなりました。


動きはみるみるうちに遅くなっていき、

その場でグルグルと回った挙句、「しゅっ」と消えていきました。


「もともと小さいのに、

ほんのわずかな時間、

いそいで、いそいで、いそいで、

小さくなって小さくなって小さくなって

それで消えていっただけの存在だったのね、あなたは。」


とさつきは、消えていったその粒があった場所に向かっていいました。


そこには、何の意味もなく、目的もありませんでした。


さつきは、そのことを覚えようとしましたが、本当に全く無意味なことのように思われたので、きっともうすぐに、さつきはどうでもいいものとして、何の意味もないものとして忘れ去っていくでしょう。


そして、事実、この世界には、かぞえきれないほど無数の「なにも意味も目的もないこと」で溢れかえっているのです。





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