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留学生たち

船は、星の海の中を優雅に進んでいきます。


というよりも、さつきたちの住んでいた全うちゅうがビー玉くらいの大きさになって、

そんなうちゅうが、シャボン玉の泡のように無数に重なり合い影響し合いながら生成発展していくのです。


さつきは、うちゅうたちが、自分のことをお母さんのように抱きしめてくれているように感じて、

とてもリラックスしています。


「まだまだ、先は長いですよ。」


と紳士のかたから、

「こちらのキーをお渡ししておきます。」

と、鍵、というよりもタブレットを渡されました。


「このタブレットのメニューから、必要な機能をなんでも使っても構いません。

それこそ、素敵な機能は無数にあり、退屈することはないでしょう。


重力もオンにしたりオフにしたりできます。

船のものにはなんでもアクセスできます。

宝石でも乗り物でもなんでもあるので、御自由にお使いください。

食事もなんでも用意しておりますので、お好きなときにどうぞ。


「あの、そういえば、お金、、、とかって、必要なんですか?

こんなすごいサービス、ドリンク一つとっても、ちきゅうの家の一ヶ月くらいのお給料はこえると思うんですけれど。」


「典型的なちきゅう人の発想ですね。」

と紳士は笑いました。

「全部無償です。ただですよ。ご安心ください。

太陽が光と熱を与える代わりに人間にお金を要求しますか?

それと同じことです。」




「ただし、、、」


と、紳士は一瞬沈黙します。


「宇宙船の中央にある、〈知恵のアプリ〉だけは決して接続しないように。

もし、接続してしまったら、うちゅうのシークレットを知ってしまうことになるので。

危険です。そうしたら、とんでもないことになるので。」


「うん。〈知恵のアプリ〉だけでいいんだね。了解!

もちろん、さつきがそんなことするわけないじゃん。」



「ところで、、、


さつきさんが一人でいるのはよくないですね。


あなたとおなじちきゅう人の留学生が一緒にいた方がいいですね。」





さつきのタブレットにお知らせが入りました。


「ちきゅうからの留学生のさつきさん、

星ごとに留学生はいったん一つに集まってください。

部屋は・・・。」


「ええと・・・場所は・・・」


何しろ、ハチの巣みたいに上下左右部屋があって、壁と廊下と天井の違いがない船なものですから、すぐに方向感覚は狂ってしまいます。


さつきが廊下をまっすぐ歩いていたら、下から歩いてきた人にぶつかりました。


「はわっ!」

「うわっ!」


「あ、すみません。」

「こちらこそ。」


その人は、アンテナもはやしておらず、目の色肌の色も「普通」のお兄さんでした。

少し伸びた髪の毛に、ラフな格好。


「なんて、きれいな目をしているのだろう。」

さつきはそう思いました。


「あのお、ちきゅう人ですか?」

「そうだよ。名前は『そら』といいます。

君もちきゅう人?」


「うちゅうではじめてちきゅう人に出会えて感激!

さつきです!

にいちゃんはうちゅうじんです!」


「へえ、それは面白い!」



集合場所の部屋はすぐそばにありました。


球の形をした部屋には、

すでにひとりのちきゅう人の女の子が静かな笑みを浮かべて椅子に腰かけていました。

素敵な帽子と、白いワンピースが似合う清楚な女の子です。

手に握られた杖と、閉じられた瞳を見ると、その女の子は目が見えないのだとわかります。


女の子は、さつきたちが来たとわかると

「こんにちは、はじめまして。」

と笑顔であいさつをしてくれました。


「私は、『うみ』。

おふたりとも、素敵な声ね。

どんな顔をしてるか、触らせてくれるかしら。」


「ついでに・・・

なでなでもしてくれたらうれしいなぁー」

と調子にのってしまったさつきに対しても、うみちゃんは

「うふふ、いいわよ。なでなで。いいこいいこ。」

としてくれます。


これで、一気に距離が縮まりました。


ちきゅうからの留学生は、

さつき、そら君、うみちゃんの三人です。


「僕たちって、初めて会うのに、初めて会った気がしないね。

ずっとずっと長く友達だったのがものすごく久しぶりに再会したような。」


「うん、さつきもそんな気がしてる!」


すっかり、意気投合した三人でした。








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