118.ユアの様子の変化
翌朝
何だか胸辺りが温かいなぁ。と思って目を覚ますとユアが私に抱きついていた。
(そう言えば抱いたまま寝ていたかも)
そんなことを思いながらそっと起き上がろうと思ったけどユアは私の服をしっかりと握っていたため外すことを諦めてユアを撫でながら寝顔を見ていた。
「ん、っん」
と言ってユアは瞼を動かしたかと思ったら目を覚ましたようでゆっくりと瞼を上げた。
「おはよう」
「ん、おはよう……!」
と言って目を擦ったかと思ったら急に真っ赤な顔をして俯いた。急にどうしたのかな? と思ったけどどうしてそんな行動をとったのかわからなくて先ほどと同じようにユアを撫でていたらユアはそっと私の胸に顔を埋めていた。
それから少ししたらユアは顔を上げた。先程より赤くはないがまだほんのりと頬が赤い。
「そろそろご飯を食べに行こうか?」
「……うん」
そう言って私達はベッドから体を起こしブーツを履いて部屋を出ようとしたら私の左手が引っ張られたので後を振り返るとユアが左手で私の袖を掴んでいた。
「どうしたの?」
「え? あ、その……」
何かあったのかと思って聞いたら不思議そうな反応をしていたが自分の行動に気が付いてすぐに手を放してしどろもどろになりながら何か話そうとしたが上手く話せない感じになっていた。無意識に私の袖を掴んだのかな? でも、何か言いたいことでもあったのかな?
「どうかしたの?」
「その、レーナちゃんと別れたくなくて……」
「? また、すぐ会えるでしょ?」
「そ、そう、かもしれないけど、その……もう少し、一緒に居たい……です」
……もしかして私に甘えているのかな? そうだとしたらそれはそれで嬉しいけど、最近のユアは前と何だか違うよね? 何かこう……何というのかな? とにかく最初の頃と違う感じがする。心を開いてくれているような、何かを求めているような? でも、昨夜の事もあるし私にできることだから叶えてあげてもいいかな?
「わかった。ご飯食べてからでもいい?」
「うん!」
私がそう言うとユアはとても嬉しそうにしていた。そんなことでここまで喜んでくれるのは嬉しい。何だか可愛い妹ができたみたい。まぁ、私より3つ上みたいだけどね?
そんなことを思いながらユアの左手を掴むとユアは驚いていたが嬉しそうにしながら握り返してきた。
「行くよ」
そう言ってユアの手を引きながら食堂へと向かった。
食堂に行ってご飯を食べているときユアはおいしいと呟いてから黙々と食べていた。そう言えば昨日もそんなことを呟きながら食べていたかも。とそんなことを思いながらご飯を食べて食べ終わるとユアと一緒に部屋に戻った。




