62.ルミア達のバイトについて
ローラが呆然としてしばらく経つと意識が戻ったようでルミアに恐る恐る尋ねた。
「多分、試験の中で計算問題が一番難しかったと思うけど、どうやって覚えたの?」
「え、えっと……」
ルミアはそう言うと私の方を見てきた。どうして私の方をみるのだろう? と思ったがそう言えば計算に関しては私のやり方を教えたけど、他の人には秘密って教えたかも……。
「計算に関しては私が教えたわ」
「え? レーナが?」
「そうよ。ただ、変わった解き方だったみたいだから秘密にするように伝えているから」
「もしかして、ルミアが急に計算するのが早くなったのって……」
「多分、私が教えたからかも」
「「是非、知りたいです」」
と2人からそう言われたので、必ず秘密にすることという約束をして、後で教えることになった。
「それで、ルミア達のバイトに関してはどうなったの?」
「それについてはおじいちゃん達に許可をもらったよ。ただ、最初は片付けなどからだけど、ルミアは経験があるみたいだからやったことある業務は担当の人と一緒に様子をみて決める感じかな?」
「そういうことなら大丈夫そうだね」
「「はい」」
「それで、いつから働くの?」
「その辺りは直接おじいちゃん達と相談してもらうよ。ただ、お仕事より、学業が優先だからその辺りの調整とかもあるよ」
「それはルミア達にはちょうどいいね」
「あと、学生寮の入寮は4月3日までに決めないといけないけど、ここで働くなら、入寮しないでここから通うことになるわ。もちろん朝食と夕食、寝床まで大丈夫よ」
と思っていた以上に好条件で働けるみたいでかなり安心だ。それからローラはルミア達と話ながら、ある程度の話を決めて、後はおじいちゃん達の時間が空いたらさらに条件を詰めることになった。その話し合いが終わるとローラはお仕事があるからと言って部屋を出て行った。
「とりあえず、気になっていた問題は片付いたと思ってもいいわね」
「うん!」
「はい!」
そういう訳で私達は、夕食までまったり過ごしてから、お風呂やら夕食をとってしばらくたった頃、ローラが部屋を尋ねてきたのだった。




