41.冒険者学校の見学? 8
「それでは双方とも準備はいいか?」
「はい」
「問題ないです」
私達がそう答えるとザックさんは頷いた。
「それでは、始め!」
とザックさんに言われたが彼は動くことはなく剣を構えていた。
「……さっきも話したけど、最初の一撃は君に譲るよ? 何も気にしないで全力で来てもいいよ?」
と彼は余裕の表情を見せていた。まぁ、小娘に負けるわけないと思っているのかもしれないけど、ザックさんにも言われたので、さっさと終わらせようと思った。
「……分かりました。それでは遠慮なく」
そう言って軽く走りながら彼の方に近づいた。一方、彼は私の様子をしっかりと観察しているようだったが、やや困惑というか戸惑っているようにも見えた。
(まぁ、彼がどう思おうが私には関係ないけど)
とそんなことを思いながら刀身を地面の方に向けて、彼との距離が10メートルを切ったところで力強く地面を蹴った。すると彼は上段に剣を構えて振り下ろしてきたので、私は体勢を低くしながら地面から切り上げるように思いっきり振り抜いた。
「な!?」
ただ、彼が振り下ろした剣はタイミングが良かったように見えたが私の剣とぶつかると弾かれていた。そのことに驚いて彼は声を上げたのだが私が切り上げた剣の勢いは止まらず剣ごと彼のお腹へと叩き込んだ。
「ぐふぉ!?」
すると彼は呻き声を上げながらそのまま数メートル以上飛ばされて、地面に転がったのだった。
(ちょっと変な音がしたけど、気のせいだよね?)
とそんなことを思いながら彼の様子を窺ったのだが、その場でお腹を押さえて蹲っているだけで立ち上がることはなかった。その様子をみたザックさんは頷いてからこう言った。
「勝者レーナ」
そうして、あっけなく彼との模擬戦が終わたのだった。




