32.ルミア達の試験当日
夕食後、ルミア達は勉強をし出したので、私達はユアと軽く訓練を行ってからお風呂に入って床に就いたのだった。
それから試験当日まで、ルミア達は勉強、私達は冒険者学校で本を読み漁って、夕食後に軽く訓練を行うといった時間を過ごして、ルミア達の試験当日の朝を迎えた。
私が起きて部屋を出るとルミア達は少しそわそわした様子で勉強をしていた。
「おはよう。2人とも早いね。もう起きたの?」
そう声を掛けると2人とも顔を上げた。
「おはよう。私はちょっと落ち着かなくて」
「レーナお姉ちゃん、おはよう。わ、私も落ち着かなくて……」
と2人共今日が本番だから緊張しているようだった。
「まぁ、私から何か言えることはないけど、変に気を張り過ぎないようにね?」
「うん」
「はい」
とそう言って2人共勉強を再開したので私は少し離れたところで彼女達の様子を見守っていた。
それからしばらくして、ユアとアルさんが起きてきたので朝食を食べてからルミア達の準備を見守っていたのだが……。
「筆記用具よし。先生からもらった受験票もある。念の為の水分ある。……多分準備は大丈夫」
とルミアは何度も持ち物を確認しては不安そうにしていた。
「そんなに確認しなくても大丈夫だともうよ?」
「そ、そうかもしれないけど、これから試験だと思うといろいろと不安になって……」
「わ、私も不安だよ? でも、持ち物を確認するよりは勉強してきた内容を再度確認した方がちょっと落ち着くよ?」
「や、やってみる」
と言った感じでルミアは復習をし始めたが、勉強に集中をすると先ほどのような不安そうな感じが無くなった。この状態なら特に心配はなさそうね。とそんなことを思いながらアルさんの準備が終わったようでルミア達は学園の試験に向かうことになった。
「そ、それじゃあ、レーナお姉ちゃん、ユアお姉ちゃん行ってきます!」
「行ってきます」
「2人共頑張ってね?」
「うん」
「はい」
「ルミアはあんまり緊張しないように。それと今まで勉強してきたことを信じて試験に臨んでね? そうすれば合格できると思うから」
「は、はい」
「フローラは落ち着いて取り組むことができれば合格できると思うから頑張ってね?」
「はい!」
「じゃあ、2人共落ち着いて試験に臨んできて」
「「行ってきます」」
ルミア達はそう言うとアルさんの後について移動を始めた。それから彼女達の背中が見えなくなるまで見送ると私達は王都に来てから日課にしている冒険者学校の図書室に向かうのだった。




