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30.冒険者学校へ8



「ユアは気になる授業とかあった?」


「う~ん。採取系の授業かな? 私の知らないものがあったら知りたいかな?」


 と言ったのでザックさんにその辺りの話を聞いたのだが、どうやらどれも知っている者しかなかったそうで残念そうにしていた。


「……まぁ、なんだ。知らないことを知ろうとすることは大切なことだ。その辺りのことを忘れないで取り組んでくれ」


「はい」


「分かりました」


「とりあえず、受けたい授業はしばらく先みたいだし、卒業生とかの訓練やそれを教えている先生の様子を見たりしてくれ。それとここの利用に関しては、職員に声をかけてから使用することと、閉まる際には速やかに指示に従ってくれ」


「分かりました」


「それじゃあ、俺は仕事に戻るから自由に過ごしてくれ」


 そう言ってザックさんは去っていたので私達は本の続きを読みだしたのだった。


 それから夕方まで読んでいたが初めて知る内容は発見することができなかった。どうやら、私が元々暮らしていた場所の書庫は思っていた以上に本が充実していたみたいだった。


「新しく知れたことは何もなかったわね……」


「え? 私は初めて知ったことがたくさんあったよ? レーナちゃんはそんなにたくさんの本に目を通したようだけど本当に新しく知れたことがなかったの?」


「うん。知っていることか間違えじゃないかな? と思うことを見つけただけだよ」


「……本に書かれていることが間違っていることがあるの?」


「そうね。たまに反対のことを書いてある本があったり、実際に試してみて違ったものもあったわ」


「そ、そうなんだ……。私は新しいことを知れていいけど、読むのに時間が掛かるの……」


「まぁ、それはそのうち慣れるよ。とりあえず、今日はここまでにして戻ろうか?」


「うん」


 ということで、エルサさんに声をかけて冒険者学校を後にしたのだった。



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