24.冒険者学校へ2
女の人は男性に隠れるようにしながらやや俯いていて表情が見えなかった。でも、先ほど見せた様子と全然違っていたのが少し気になった。そんなことを思っていると私達の前にやってきた男の人が声を掛けてきた。
「君達が手紙に書いてあった冒険者なのか?」
「えっと内容は分かりませが、その手紙を持ってきたのは私達です」
「そうか……」
と言って男の人は手紙に視線を落とすとやや考えている素振りを見せていた。そんな様子をみてどうしたのかな? と思ったけど、先ほどの女の人の反応が気になったのでとりあえず、そのことから聞いてみようと思った。
「その、そこの女の人が手紙をみるなり驚いて中へ入って行きましたが何か問題でもありましたか?」
「あぁ、そのことか……」
そう言って男の人は後ろに隠れるように言た女の人に視線を向けるとおずおずした様子で私達の前に出てきた。
「そ、その、すいませんでした。昔、リンフレッドのギルドマスターといろいろあったので、何かあるのかもしれないと思い急いで伝えに行ってしまいました」
と言って頭を下げてきた。
「え、えっと、とりあえず、頭を上げてください」
そういうと女の人は頭を上げたのでよく分からなかったことを聞いてみることにした。
「リンフレッドのギルドマスターといろいろあったといいましたが、エミリアさんと何かあったのですか?」
「あぁ、彼女ではない。その前のギルドマスターだよ」
私がそう聞くと男の人は苦笑いをしながらそう言ってきた。
「前のギルドマスターですか?」
「そうだ。まぁ、その、いろいろあったんだよ。特にそこに居る彼女はその被害者の1人だから過剰に反応したわけだ。別に君達に何かあったわけじゃないから気にしないでくれ」
「……分かりました」
「さて、とりあえず、君達がリンフレッドから送られてきた若手の冒険者でいいのかな?」
「……一応そういうことになりますね」
「そうか。因みにギルドマスターからはどういう話を聞いた?」
「えっと、冒険者学校が設立10周年だから各街から若手で、有望そうな人を送るように言われたって聞きました」
「……まぁ、間違ってはいないな」
「だから少し顔を出して、冒険者学校においてある本とか専門分野の先生にいろいろ教わるといいよと言われました」
「……そう言った内容だったか?」
と男の人は女に人にそう聞いていた。もしかして、エミリアさんが言っていた内容と実際の内容は違ったのかな? まぁ、エミリアさんも最悪顔を出すだけでもいいみたいなことを言っていたからそこまで大した内容ではないのだろうとそんなことを思った。




