12.出発2
「それにしても、レーナちゃん達が護衛をしてくれるなんて道中楽しくなりそう」
とフローラがそんなことを言ってきた。
「楽しくなりそうなのかは分からないけど、3人を守るために戦うことになるから、何かあった際はとりあえず馬車から出ないようにしてね?」
「分かった」
「はい」
「あとはその都度指示通りに動いてもらえば特に問題はないと思うから」
「それで、護衛って魔物とかが来ないときは何をするの?」
「あ、私も気になります」
「別に大したことはしないよ? 周囲の警戒をして先に進んで行くだけだから」
「そうなの?」
「多分? 私もあまり経験がないから基本そうしているだけだよ? まぁ、普通の護衛依頼は魔物に遭遇することはほとんどないらしいけど」
「……それじゃあ、護衛はつけるのはどうしてなの?」
「もしもの為じゃないかな? アルさんに聞いてみた方が分かるんじゃない?」
「なるほど」
そう言うとフローラはアルさんの方へと近づいて質問をしに行くとルミアがこんなことを聞いてきた。
「えっと私達と話してくれるのは嬉しいけど、お仕事の方は大丈夫なの?」
「……それもそうだね。日中はユアが御者の隣に座って周囲の警戒をお願いして、私は夜の見張りでもいいかな?」
「いいけど、夜はレーナちゃんがずっとやってくれるの?」
「そのつもりだけど?」
「夜の方が大変だと思うけど……」
「大丈夫よ。今回の護衛は全部その予定で行くからそのつもりで」
「分かったの」
と話しているとフローラがアルさんとの話を終えて戻ってきた。
「話を聞いてみてどうだったの?」
「レーナちゃんが言った通り、基本は何かあったときの為の護衛って言っていたよ」
「へぇ~。それ以外については?」
「人によってはそれ以外にもやってもらうとしか教えてもらえなかった」
「そうなんだ」
「……私はとりあえずアルさんの隣で周囲の警戒をしてくるね?」
「うん。お願い」
そう言うとユアは御者の隣へと移動したのだった。




