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7.エミリアさんのお話



 アルさんを見送った私達は宿に戻ろうとしたときにエレナさんに声を掛けられた。


「レーナさんとユアさん少しいいですか?」


「はい。何でしょうか」


「(その、ギルドマスターが少し話したいことがあるとのことで少しいですか)」


「分かりました」


「では、ついて来てください」




 そうして案内された部屋に入るとエミリアさんがそこに座っていた。


「急に呼び出してごめんなさいね? ちょっとレーナちゃん達にお願いしたいことがあってエレナに呼んでもらったの」


「えっと何でしょうか?」


「レーナちゃん達は依頼を受けて王都に向かうよね?」


「はい」


「そこで、お願いと言うか頼みごとになるかな? 少し前に王都のギルドから連絡があって、今年の冒険者学校設立10周年ということで各ギルドから将来有望な冒険者もしくは、それなりの実力があってやる気がある15歳以下の若手冒険者を送って欲しいと言われたの。そこで、レーナちゃん達にお願いできないかな? と思ってエレナに呼んでもらったわ」


 その話を聞いて王都にそんな学び舎があることに少し驚いた。てっきり、貴族の為の学校もしくは優秀な学生しか学ぶところがないのかと……。


「でも、その話は私達である必要はないのでは? むしろもう少し上の人達を送ったほうがいいと思いますが……」


「レーナちゃんが言いたいことは分かるわ。ただ、私としては、10歳以下でもそれなりに活躍していたもしくはしているあなた達を知ってもらいたいと思ってあなた達に頼みたいわ」


「エミリアさんの言いたいことは分かりましたが私達に何か利点でもありますか?」


「そうね……。向こうには魔物や薬草に関連した本が置いてあるそうだからそう言ったものが見れるとかかな? あとは、教える先生達の得意分野を教われるのが利点かな?」


 そう言われると知らないことや分からないことを知られるのはいいかもしれない。少し行ってみるくらいならいいかな? と私はそんなことを思った。


「少し、顔を出す感じでも大丈夫ですか?」


「それくらいでも問題ないと思うわ。ギルドからの話によると最大でも3日ほどの予定って聞いているわ。まぁ、あとはその学校に入学したかったら受験ができるくらいかな?」


「学校には興味ないけど、本やどういったことを教えているのかは気になるかな? ユアはどう思う?」


「私も薬草について気になります。もっと高く買い取ってもらえるものとか適切な取り方とかを知りたいです」


「なら顔を出すくらいなら問題ないかな?」


「うん」


「エミリアさんそう言うことでも大丈夫でか?」


「もちろんよ。一応、紹介状とレーナちゃんが言ったことは書いておくわ。少し待っていて頂戴」


 そう言ってエミリアさんは紙を取り出して何かを書き始めたのだった。



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