115.祝賀会
そうして、ラナさんのお店に到着した。
「……やっぱり」
するとユミルさんはそう呟いた。
「ユミルさんどうかしたのですか?」
「いえ、何でもないわ。それよりも早く中に入りましょう」
と言うことで私達は建物の中に入った。それから案内をしながら食堂の方に入ると、時間的に少し遅いこともあってそれなりに空きの席があった。
「あれ? レーナちゃん?」
するとラナさんが私に気付いたようで声を掛けてきた。
「ラナさん」
「やっぱりレーナちゃんね? それで、一緒に居る人達は?」
「えっと昇格試験を一緒に受けた方々です。今日は無事昇格試験に合格したので打ち上げをすることになってそれでここに来ました」
「そうなの。それなら空いてる席に座って? ちょっとメニュー表を持ってくるわ」
そう言ってラナさんが奥に消えたので私達はみんなで囲むことができる席に座るとラナさんがメニュー表を持って戻ってきた。
「この中からお好きなものを選んでください」
そう言いながら2つめメニュー表を渡すとラナさんは他のお客さんの対応をし始めた。
「とりあえず、各々好きなものと飲み物を頼みましょうか」
ということで、いつものメニューと果実水を頼むとユアも真似をしてなのか同じものを頼んだ。その後他のみんなの注文が終わり、お話をしながら待っていると全員分のご飯が運ばれたところでユミルさんの方を見た。
「えっと、みんな私の方をみてどうしたの?」
「ユミルさんがリーダーだから乾杯の号令待ち?」
というとみんなが頷くとユミルさんはやや恥ずかしそうにしながら咳払いをした。
「そ、それでは、私達のDランク昇級を祝って乾杯!」
「「「「乾杯!」」」」
と言って祝賀会を始めたのだった。




