113.結果2
「さて、改めて昇格試験合格おめでとう」
そう言われたので私は軽く頭を下げると他のみんなも同様に頭を下げた。
「今回の試験結果に関しては全員基準は達成していた。まぁ、一部少し怪しいものもいたがその後の動きは何とかなっていたので問題はないだろう」
とゲンツさんは言った。まぁ、さっきランデルにも話していたが試験の本題としては一応大丈夫だったのだろう。
「その、一部怪しい者は誰だったのですか?」
するとユミルさんがやや躊躇いがちそう質問した。ただ、当の本人が少し不安そうにしていた。
「まぁ、ここに当人はいないがランデルだ。盗賊の遺体をみて吐いたりしていたのも不安だったが、盗賊を殺し切れていないのも問題だった。まぁ、最終的には良くない形だったが拠点に盗賊を連れてきたときにはちゃんとできていたから及第点と言ったところだろう」
「そ、そうですか」
とユミルさんはその話を聞いて一安心していた。
「それじゃあ、一応、1人1人の評価を話しておこう」
そう言ってゲンツさんは合格者全員の評価を教えてくれた。まぁ、簡単に言ってしまえば問題点は特になかったと言ったところかな? ユミルさんに関してはリーダーとしてそれなりにうまく場を回していたと言われた以外は大体同じような評価だった。
「まぁ、評価内容としてはこんなものか。他に何か聞きたいことはあるか?」
「……ランデルは今後どういう扱いになる」
するとジェイドさんがそんなことを聞いてきた。ランデルはジェイドさんの言うことだけは何故か聞いていたからジェイドさんもそれなりに気にしているのかな? まぁ、あんな奴はどうでもいいけど……。
「ランデルは当分昇格試験を受けることができないだろう。それに、あそこまで酷いと分かったから少なくても指導が入るだろう」
「そうですか」
「ただ、その指導で大分改善したのならまた、昇格試験を受けることはできるだろう。こればっかりは当人次第ではあるが……」
「分かりました」
「他はもういいか?」
と言って辺りを見渡したが誰も質問することはなかった。
「それなら、これで解散とする。受付でギルドカードの更新をしてもらうように」
そう言ってゲンツさんは部屋を出て行った。




