111.集合3
そうして、入口の方をみるとやっぱりランデルが入ってきていた。
「部屋に入る前にノック位したらどうですか?」
「……何だ? 文句でもあるのか?」
と私の方を睨み付けながらそんなことを言ってきた。普通に考えたらそれくらい当たり前でしょ? と思ったがランデルにはそんなことは通じないか……。
「……はぁ。何でもないわ」
私がそう言うとランデルが不機嫌そうに何かを言おうとしたがそれをジェイドさんが遮った。
「とりあえず、座ったらどうだ?」
「……分かった」
ランデルはジェイドさんの言う通り近くにあった椅子に腰を掛けた。ただ、不満そうにしていたが……。
(なんかいろいろあった割にはジェイドさんの指示には従うんだ……)
とそんなことを以外に思っていると誰かが歩いてくる足音が聞こえた。魔法で確認してみると誰かがやってきていたので、多分ゲンツさんだと思う。それにしてもランデルが来てからすぐにやってきたように思った。
「もしかして揃うのを待っていた?」
私がそんなことを呟くとみんなが一斉に私の方を見てきた。
「……どうかしましたか?」
「いや、レーナさんが話したから……」
とユミルさんがそう言うと扉をノックする音が部屋の中に響いた。その音にみんなが反応して扉の方を向くと扉が開いた。そして中に入ってきたのはゲンツさんだった。




