101.ルミアの今後について
それからしばらく待っていると男の人が現れた。ルミア曰くこの人が今日の授業の先生らしい。どんな授業をするのかな? と思っているとこの国の歴史や貴族についてやるらしい。正直どうでもいい内容だったので、ルミアの様子を見ながら男の人が話を聞き流していた。
(そう言えば、フローラもここに通っているはずだけど、今日は見ていないなぁ)
とそんなことを思いながら辺りを見渡していた。
「レーナ君、辺りを見渡してどうしたのかね?」
「あ、いえ、何でもないです」
と言いながら辺りを見渡すのをやめると先生は何も言わずに、話を進め出した。
「(どうしてそんなことを聞かれたのかな?)」
とそんなことを思いながらルミアの頑張りを見守っていた。その後、間に休憩を挟んで本日の授業が終わると先生に声を掛けられた。
「ルミア君とレーナ君。君達は少し残っていて欲しい」
とそう言われたので、片付けを済ませて待っていた。お話だけならルミアだけで十分だと思う。でも、どうして私まで待って欲しいと言ったのかな? とそんなこと思いながら待っていると室内には私、ルミア、そして先生だけになった。
「レーナ君、君はルミア君と一緒に生活をしているかね?」
「そうですが、それがどうかしましたか?」
「ルミア君から何かお話は聞きましたか?」
「? 何をですか?」
と言いながらルミアの方を見るとすごく困った表情をしていた。
「何かあったのですか?」
「あったと言えばありますが悪いことではないです」
「因みにどんなことですか?」
「ルミア君はとても優秀です。物覚えも早くて器用です」
確かにいろいろなことを早く覚えてできるようになっているからその通りだと思う。
「そうですね」
「そこで、王立学園に通ってみませんか? と言うお話を以前したのですが返事を貰えなくてどうしようかと思っているときにルミア君がきました」
「つまりルミアから返事がもらいたいということですか?」
「簡単にいうとそうですね」
「私はルミアの好きなようにすればいいと思うけど、ルミアはどうしたいと思っているの?」
「そ、それは……」
と言ってルミアはとても悩んでいる様子だった。




