98.出かける準備
そして、翌日
いろいろとやることを済ませた私達は、リリとララに手を引っ張られた。
「早く行こう!」
「早く早く」
と余程楽しみだったのか朝食を食べてすぐこんな感じだ。そんな彼女達の様子に少し苦笑いしているとユアが彼女達に尋ねた。
「ちゃんと準備はできているの?」
「うん。ちゃんとお金を持ったよ」
「持ったよ」
と言って手に袋が握られていた。もしかしてその状態で行くのかな? 流石にそれは盗まれる可能性が高いからちゃんと身に着けていた方がいいよね?
「そのまま持っているのはあまり良くないから何か入れるものとかないの?」
「う~ん……」
「……あ、それなら、これならあるよ」
すると悩んでいた彼女達だったがララがクローゼットから少し大きめな腰に巻くポーチを取り出した。
「それに入れた方がいいわね」
「……ララ、そのポーチどうしたの?」
私がそう言うとユアが少し考えてからそんなことを尋ねた。そう言われるとそのポーチは今まで見たことがなかったかも? それならどうしてそんなものを持っているの? と思っているとララがこんなことを言った。
「これはお仕事で使っているの。ラナさんがここに道具を入れて使うといいよって言ってもらったの」
「そうなんだ。それならそのポーチにお金を入れて見回ろうか?」
「「うん!」」
そうしてみんなで市場の方へと歩き出した。市場の方へと歩いているときに、昨日ルミアと話したことを伝えると途中まで一緒に回って後で私とユアで分かれて回ることになった。因みに午後からはルミアが勉強をしに行くそうなので、遊べるのは午前中だけらしい。まぁ、いつまで見回るのかは私にも分からないけど……。




