97.お話2
「それじゃあ、明日は何をするの?」
「街を回るの!」
「おいしいものを食べたいの」
「あ、私も食べたい!」
「おいしいものって何を食べるの?」
「分からない。でも、お金をもらったからおいしいものを食べたいの」
と言って小さな袋を見せてくれた。どれだけ入っているのかは分からないけど、普通に何かを食べるくらいは入っていそうな感じだ。……もしかしたら、自分達が稼いだお金で何かを食べたくてそう言っているのかも? と思った。
「もしかして、自分で稼いだお金で何かを食べたいってことなの?」
「「うん!」」
私がそう問いかけると2人とも嬉しそうに返事をした。そう言うことなら市場の方を回ればいいのかな? とそんなことを思っていると、リリとララはユアにどんなのが食べたいとかこんなのがあるのかな? みたいなことを聞きながら楽しそうに会話をしていた。そういえばルミアは何も言っていないけど、何かしたいこととかあるのかな? と思い私はルミアに近づいて話しかけた。
「ルミアは何をしたいの?」
「私はリリとララについて行きます」
とそんなこと言ってきた。もしかしたら、ルミアもリリとララと一緒なのかもしれないけど、リリとララに合わせようとしていないのかが少し気になった。
「……ルミアがしたいことがあったらちゃんと言わないと駄目だよ? 本当に同じでいいのなら構わないけど」
「そ、それは……」
とそう言ったがその反応は何かしたいことがある反応だと私は思った。
「ルミアは何がしたいの?」
「……ちょっと雑貨屋さんや本屋さんなどを見て回りたいです」
「そうなの? それなら一緒にみて回ろうよ」
「で、でも、リリとララと一緒に回ることが出来なくなります」
「別に気にしなくてもいいと思うよ? 少し別行動みたいな感じでも問題ないと思うよ? それにみたいものがあるのならそれを見た方が楽しいわよ?」
「……いいのかな?」
「大丈夫よ。少なくても私が一緒に回ってあげるから」
そう言うとルミアは嬉しそうにしたがすぐに少し申し訳なさそうな顔をした。
「ルミアが気にすることじゃないよ? 正直私はこれと言ってしたいことがなかったからルミアが喜ぶ顔が見れればそれで嬉しいから」
というとルミアは顔を赤くしながら俯いた。
「あ、ありがとう」
「気にしなくてもいいよ」
とそんなことを話しているとリリとララが眠たそうにウトウトしていた。さっきまでは元気に話していたのにいつの間に眠たくなったのだろう? とそんなことを思いながら、皆で明日に備えて早めに寝ることになった。




